バルト三国を旅行された方にお話を伺う機会を得ました。ソ連の迫害を受け続けたバルト三国ですが、ヨーロッパの中世風の建物が立ち並ぶ
美しい国だそうです。占領中、ソ連特高等に国民はひどい目にあい、その記念館もあるそうです。しかし未だかつてソ連(ロシア)は謝罪をした
ことがなく、それどころか占領中、占領費まで取っていたというから驚きです。勿論ソ連のその態度は正しくありませんが、日本の謝罪外交は
あまりにもひどい、とその方は憤慨していらっしゃいました。その方は大正生まれの知識人で、戦争中は中国にもいらっしゃいました。南京大
虐殺があったとされる時、近くにいらっしゃったそうですが、そういう事実は見聞きしなかったそうです。当時はドイツの特派員もいたので、もし
本当に南京大虐殺があれば、当然報道されていたはずだ、とおっしゃっていました。また当の中国は現在でも南京大虐殺の取材はシャットア
ウトしているそうです。
ソ連(ロシア)の話をしているうちに、北方領土返還の話になりました。あの歴史的に見てもずるいロシアが北方領土を返すわけがない、と
おっしゃいます。ではどうすれば北方領土は日本に戻ってくるのか、というと、方法は一つ、「シベリア出兵」だそうです。「シベリア出兵?」
と思われると思いますが、つまりこういうことです。
ロシアは経済的にもう崩壊している。もっとひどくなれば、国がめちゃめちゃになる。ロシアの崩壊を防ぐために、各国が軍隊を出して
ロシアの治安維持に努める。その時日本も何らかの行動をシベリア方面で起こすことになるであろうが、北方領土の返還を迫るのは
その時である。それをシベリア出兵と我々は呼んでいる。
その時が来たらご自分もシベリアに行く、と熱弁されていました。ちょっと物騒なお話ですが、このくらいの気概がないと、北方領土は返ってこ
ないのかもしれませんね。この方は経済の専門家です。「シベリア出兵」などということはさておき、ロシア経済が崩壊したこの時期、北方領土
返還のよい機会なのかもしれません。後になって、あの時に手を打っていれば・・・ということがないように、政府のすばやい対応を願うのみです。
ちょっと話が横道にそれてしまいましたが、日本の謝罪外交は確かに度を過ぎています。前にも<コラムもどき>で取り上げましたが、事実で
はないと思われることにまで謝罪をします。おまけに歴史的に確定していないこと、疑わしいことでも教科書に載っています。これからの日本を
背負っていく子どもたちは祖国日本をどう思うのでしょうか。もし、日本に絶望し、日本人であることを恥じるならば(それが事実でない報道や記
述のせいで)、日本の行く末はどうなってしまうのでしょう。
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(「異議あり 日本史」に異議あり)
中日新聞の投書欄「発言」に「若い世代の声」というのがあります。平成10年9月4日付の17歳の女子生徒の投書を紹介します。
戦争の怖さをすべて伝えて
8月15日、私は黙とうをした。小学校のころ学校でしたように。そのころは、よく戦争の話をしてもらったたり、映画を見た
りして、戦争の怖さを間接的に味わい、戦争は二度としてはいけないと、ただ信じることができた。
しかし、私たちが習ってきた戦争についてのことは本当に一部だったのだと、あらためて考えさせられることがあった。私
たちが知っている戦争の恐ろしさとは、空襲などで、何も悪いことをしていない人が殺されたというようなことで、被害者とし
ての戦争の恐ろしさしか知らなかった。
先日私はフィリピンで日本人は現地の人をさらって食べたという事実を知り、ただショックだったけれど、戦争が人をそこま
で追い詰め恐ろしいものだということを知った。こういう面での戦争の恐ろしさを伝えていくことが、戦争をしてはいけないとい
う気持ちを育てることに、より必要であると思う。
この投書を読んで、若い世代も真剣に戦争について考えているということが解りうれしくなりました。また、彼女が学んだ小学校は、児童の
発達段階に応じたすばらしい平和教育を実践していたのではないでしょうか。ただ彼女は「フィリピンで日本人は現地の人をさらって食べたと
いう事実を知り、ただショックだった」と書いていますが、勉強不足の私はその話の出典がよく解りません。その話が果たして本当に事実なの
かという点に私は疑問を持ちました。従軍慰安婦の体験談とか、日本軍の考えられないような残虐行為の話はよく聞いたり読んだりしますが、
多くはでっちあげや作り話だということが明白な事実となりつつあります。もし彼女の話の出典をご存じの方がいらっしゃっいましたら、お教え
下さい。ぜひ読んでみたいと思います。事実ならば真摯に受け止めねばなりませんが、恐ろしいのは、多感な時期にでっちあげ記事を事実と
受け取り、歴史を正しく判断できなくなることだと思います。
平和教育は大切です。日本が過去に行った過ちは二度と繰り返してはなりません。しかし事実無根と解っていることに対しては、毅然とし
た態度で臨まねばならないと思います。自国を愛せずして、世界を愛することができますか?やはり行き着くところは、戦後の歴史教育なの
でしょうか。
(「侵略の証言」第一回を読んで)
(「プライド 運命の瞬間」)
(差別 「善意」からの「悪」(創氏改名))
(8月に寄せて (歴史の皮肉))
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