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投稿時間:06/03/19(Sun) 20:00:17
投稿者名:nemuta (ID: Un1NN0c)
ホスト名:p8494eb.osaknt01.ap.so-net.ne.jp
Eメール:nemuta@abox.so-net.ne.jp
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タイトル:Re: 労使協定について

労働協約や就業規則と、労使協定はその法的性格が全く違います。

労働協約や就業規則には規範性があり、使用者は、これらが適用される労働者に対し、その内容に従って労働することを命じることができます。

しかし労使協定にはこの規範性がありません。

従って例えば、36協定を締結しこれを行政官庁に届け出ても、ただそれだけでは、使用者は労働者に時間外・休日労働をさせることができないのです。

この場合、「時間外・休日労働させる場合がある」旨を就業規則等に規定しておかなければなりません。

それでは逆に、「時間外・休日労働させる場合がある」旨を就業規則等に規定してある場合に、36協定無しで時間外・休日労働させるとどうなるかというと、これは法第32条違反になります。

法第32条は使用者に、週40時間、1日8時間を超えて労働させてはならないと命じているからです。

しかし、法第36条は、36協定を締結しこれを行政官庁に届け出た場合は、その協定の範囲で法第32条違反を問わないと言っています。36協定を締結しこれを行政官庁に届け出た場合は、時間外・休日労働させても(社内ルールとしてさせることができるかどうかは別問題)、法第32条に違反しなくなるのです。

つまり労使協定の効果は、法が労使協定の存在を前提に法の制限を緩めていることにあります。これを免罰効果と呼びます。

労使協定の効果はこの免罰効果のみにあるので、労働協約や就業規則のような規範性はもたず、「住む世界が違う」のです。ですから規定の強弱関係の中にも出てきません。

ただ、労働協約は労組法第14条により、労働組合と使用者が合意した労働条件その他の労使関係に関する事項を書面にし、労使の当事者が署名又は記名押印したものですので、労使協定が過半数労働組合との間に締結された場合は、特段の事情がない限りはその労使協定は労働協約になります。これを労働協約となる労使協定といい、労働協約なのですから免罰効果と共に規範性を持ちます。ただし、規範性は労働協約の適用を受ける労働者(原則その組合の組合員)に限られます。


- 以下は関連一覧ツリーです -
- 労使協定について - しんじ 06/03/19(Sun) 18:43:59 (EATcf-482p60.ppp15.odn.ne.jp) No.13610

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