ロンドン塔のすぐ近くには、跳ね橋で有名な、タワーブリッジがある。いかにも、ロンドンに来たのだなあと実感させられる、美しい橋である。
次に、現在のイギリス女王陛下、エリザベス2世のお住まいで、近衛兵交替儀式が行われていることでも有名な、バッキンガム宮殿を訪れた。その日は、曜日の関係で、近衛兵交替儀式が行われていなかったので、残念であった。だが、女王の住まいが見られたということだけでも、大変満足であった。宮殿の前には、広大な、セント・ジェームズ・パークが広がっている。湖もあり、ゆったりとした時を過ごせそうなところであった。
バッキンガム宮殿から、徒歩で、ピカディリーサーカスへ向かった。ピカディリーサーカス付近は、たくさんの人、車で賑わっていた。ロンドンは静かな街という印象を受けたが、ここだけは、活気があるところであった。周りを見渡すと、見覚えのある名前が目に飛び込んできた。「三越,そごう,・・・」など、日本で有名なデパートのロンドン店があるのである。これには驚いた。そして、懐かしいなあという心持ちがした。ロンドンまで勢力を拡げているとは、大したものである。
昼食は、三越の並びにあった店で、パスタ(ナポリタン)を味わった。本場の味はどうかな?と思ったが、日本でいつも食べているパスタの味と、別に変わりはなく、美味しかった。
空腹を満たした後は、ビッグ・ベンの愛称で親しまれている時計塔がある、国会議事堂を見に行った。日本の国会議事堂とは比べものにならないほど、巨大な建物であった。ビッグ・ベンの形の美しさは、いかにも、「ロンドン」といった感じがする。
次に、世界標準時子午線が通っていることで、あまりにも有名な、グリニッジ天文台を訪れることにした。しかし、グリニッジは、ロンドン郊外のため、地下鉄だけではたどりつけない。そこで、新交通システムのような鉄道、1987年開業の「Docklands Light Railway」を利用した。この鉄道は、無人の自動運転であった。車両は、とても新しく、きれいである。編成は4両くらいで、約10分おきに走っている。この乗車方法が、また日本とは違う。改札が存在しないのである。ホームの手前に自動券売機が設置されていて、そこで切符を買い、改札もなく、そのまま車両に直行といった感じで、下車駅でも、改札はない。これだと、無料で乗れそうな気がするが、一年に数回、抜き打ちの検札があるそうだ。その時点で、無賃乗車が判明した場合は、罰金を徴収される。そのお金が、一回の実施で、相当な額になるというから、驚きだ。鉄道は罰金のお金で、運営しているのであろうか。日本では、考えられない。不思議である。そんなことを考えながら乗っていると、すぐに終点に到着した。
まず、最初に、ロンドン塔を訪れた。ロンドン塔は、1708年ウィリアム王が築いたホワイト・タワーを中心に、歴代の王によって増築された城壁や塔が立ち並んでいる。塔の中には時間の都合で入らなかったが、外から見るだけでも、ロンドンの歴史を感じとることができる荘厳な建物である。
実物を見る前までは、橋の色は、日本の橋のように単色だろうと思っていたが、近くに寄って実際に見ると、様々な色づかいで塗られた橋だということが明らかになった。これほど華やかな橋だとは、全く想像しなかった。夜は、ライトアップされて、幻想的だろうなあと思われる。
15分おきに鐘が鳴るのであるが、周囲に住んでいる人々は、うるさくないのだろうか?と思ってしまう。
テムズ川の対岸のグリニッジへ渡ることにする。テムズ川の底に、トンネルがあり、そこを5分くらい歩いて通り抜けると、グリニッジに到着した。グリニッジ天文台は、なだらかな丘の上に建っていて、天文台からは、ロンドン・グリニッジの景色を一望に見渡せる。天文ファンでもある私にとって、ここを訪れたことは、非常に意義のあることであった。昔は、ここで日夜、現在の天文学の基礎を築き上げることになった天体観測をしていたのかと思うと、胸がそぐくぞくした。
色々な観測機材が展示されていて、大変勉強になった。当時、チャールズ2世がこの天文台運営を支援したそうで、館内には、彼の肖像画が飾られている。ロンドンの光害を避けるため、ロンドン中心部からは、少し離れた郊外に立地されているが、是非、足を運んでいただきたい所である。
(次は、ギリシャ料理夕食編)