パリ北駅到着&TGV−R目撃

 間もなく、車窓から見える建物が多くなってきて、「あと・・分でパリ北駅に到着します」という放送が流れ、これで、3時間のユーロスターの旅は、終わりを告げた。
 フランス時間14:27、Paris Nord(パリ北)駅に到着した。フランスの地を踏みしめようとしたその時、私は、ふと気がついた。ホームの高さが、イギリスとは違い、かなり低いのである。このようなことで、ユーロスターのドアには、電動ステップがついているのである。ホームの高さは、イギリスは、91.5cm、フランスは、55.0cm、ベルギーは、76.0cmということになっている。こういう細かいところまで、しっかりと配慮して設計されていることからも、ユーロスターの優秀さがうかがえる。
 重いトランクを片手に、ホームの先端部(駅中央)へ向かい、入国審査官にパスポートを見せて、入国スタンプを押してもらう。フランスは、イギリスほど入国審査が厳重ではないようなので、すぐ通り抜けることができた。
 駅中央部分へ来て、パリ北駅全体を見渡してみる。日本とは、全然違う光景だ。ロンドン・ウォータールーインターナショナル駅同様、駅全体を屋根が覆っていて、しかも、行き止まり式ホームで、いかにも、外国的・ヨーロッパ的な重厚な雰囲気が漂っている。TGV−R照明も、ロマンチックであり、光の都パリに来たのだなあと感じさせられる。そして、なんと、すぐそこには、時速300km運転対応のTGV−Rも停車しているではないか!TGVアトランティック線に使用されている車両と同じ、全身銀色の車両である。TGV−R実物を目の当たりにすると、JR九州の特急「つばめ」号によく似ているなあと改めて感じさせられる。この約1カ月前に、本物の「つばめ」車両に乗って来たばかりなので、余計そう思うのである。
 このParis Nord(パリ北)駅から伸びているTGVは、フランスの高速新線の中で一番新しい、TGV北ヨーロッパ線である。将来は、ベルギーのブリュッセル、オランダのアムステルダムへ新たに高速新線が建設され、TGV北ヨーロッパ線と直結されるとのことである。このことによって、昨年の6月から、パリ〜アムステルダム間の直通運転を開始した、車両先頭部が真っ赤なTGV−Thalys(タリス)の大幅なスピードアップが図られる予定である。このTGV−Thalysは、ユーロスターのように、3国間の異なる電化方式、信号方式に対応している、ハイテクノロジートレインである。
 TGVの話題は尽きないが、昨年の12月からパリ〜リヨン間で営業運転を開始した、オール2階建TGV車両(TGV−Duplex)は、非常に高性能で、JR東日本のオール2階建車両E1系(Max)を大きく上回るほどである。オール2階建車両であるにもかかわらず、時速300km運転をするとは、大変驚かされる。いつか、ぜひ、乗車してみたい車両である。
(次は、パリ地下鉄編)


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