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渋谷駅すぐの児童精神科・精神科クリニック

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院長の部屋Essays


道玄坂ふじたクリニックを開業しました

道玄坂ふじたクリニック 藤田 基

 

 201910月、渋谷区道玄坂に児童精神科、精神科、心療内科を標榜し、道元坂ふじたクリニックを開業しました。学生時代から、授業も出ずに神経生理学や神経化学の教室に入り浸って、コンピュータやネコやネズミの脳と暮らしていた頃の友人が知ったらさぞかし驚くことでしょう。あの頃は夜を徹して実験室に閉じこもっていて、人嫌いと思われていたのですから。まあ、そんな私がいかなる変節を経て社会・心理学的なアプローチに終始する臨床に至り、その上人間だらけの渋谷での開業となったかは、また機会があったら開示することとしましょう。今回は私の臨床の略歴とまだ開業したばかりのクリニックの紹介をさせていただきます。

 学生時代から実験屋だった私が臨床も兼業しだしたのは卒後数年のことでした。当時在籍していた国立病院では、精神科外来に児童思春期専門外来を立ち上げている最中で、私も(病院からそう遠くない斑尾高原のジャズフェスティバルなどにご一緒した)趣味を同じくする先輩のお手伝いということで子どもを診始めました。そこで摂食障害や強迫性障害の子どもたちと出会ったのが私の児童精神科の臨床の始まりです。私が小児神経を兼業していたのを訝しがる方もいらっしゃるのでご説明いたしましょう。こちらは、県立の療育センターから月何回か来てくれていた小児神経の先輩が同級生の親戚だったため、彼の不在時に神経の患者のお手伝いをしたのが私の小児神経との出会いでした。なんともまあ、その後の長い臨床人生の始まりがあまりに安易なのは書いている自分もびっくりですが、要するに私は頼まれると断れない、いわゆるイエスマンなのです。(この点に関しては同意しない方が多いことを申し添えます)

 クリニックのメンバーは、私の他に児童精神科医1(藤田みき)、非常勤の心理士3(OCDに専門性を持ち、幅広い臨床を展開している岡嶋美代、発達障害や慢性疾患に対する息の長い臨床を展開する横内彌生、検査を一手に引き受けてくれる平林幸)、受付4(常勤1人、非常勤3)です。クリニックで主たる対象疾患としているのは、児童思春期の発達障害やいわゆる心因性障害ですが、0歳から100歳くらいまで幅広い年齢層の相談を極力すべて受けております。特に減薬についての相談には、子どもから高齢者までいらっしゃいますが、小児科から精神科に舞い戻ったここ5年でかなりの症例数を積んできましたので、得意分野の一つということで宣伝できると思います。もう一つクリニックの宣伝をさせていただくと、心理検査も心理士によるカウンセリングも全て保健医療の範囲で提供していることです。青臭いと言われるかもしれませんが、一番困っている患者層に手が届かないというのは嫌なのです。そのことに伴い、心理士のカウンセリングの時間は制限されますが、それは仕方ないです。

 クリニックの実績に関しては、開業して2019年末で3か月、115人の方が受診してくださいました。うち43(41%)20歳未満、62人(59%)が20歳以上でした。疾患群別にみると55(52%)が適応障害や強迫性障害や不安障害といったいわゆる心因性の障害、23(22%)が発達障害、11(10%)が精神病性障害や気分障害、5(5%)が摂食障害、11(10%)がその他でした。薬物療法を行っているのは29(28%)で、残りの76(72%)は社会・心理学的な介入のみです。20199月まで精神病性障害や気分障害が多い、大きな精神病院に務めていた身としては心因性の障害が多い現在の患者層にやや驚いています。まあ考えてみれば、精神病性障害も双極性気分障害も有病率がそれぞれ1%未満、1%内外であるのに対し、強迫性障害、摂食障害などはその数倍いるわけですから、街のクリニックで、私のように断らないイエスマン外来をやっていると、このような疾患の内わけとなるのでしょう。

 これから、社会・心理的な介入を主体とする街のクリニックで、どこまで保険診療のみを貫けるのかやってみたいと考えております。お望みの方の相談は幅広く受け続ける所存ですのでどうかよろしくお願いいたします。ご相談の節は、手作り感満載のWebページにクリニックの紹介をしておりますので、ご参照の程よろしくお願いいたします( http://www.dogenzaka.org )。 




Dougenzaka Fujita Clinic道玄坂ふじたクリニック

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