人類が初めて遭遇した巨大彗星(C/95O1)観察日記



[ヘールボップ彗星の経路]


C/1995O1(Comet Hale-Bopp) 4/20 600mm F4.9
記念すべき、初回の撮影は百武彗星の最後を撮影に行った96年4月20日の朝でした。それまでにも何回か撮影は試みましたが、撮影出来ませんでした。

2回目の撮影ですが、連休の終わった5月13日(月曜)の早朝でした。当日は前日の夕方(12日)から移動性の高気圧にめぐまれ、翌日の仕事に影響の出ないギリギリの朝1時半まで頑張りました。当夜は自宅天文台からも、夏の銀河が低空まではっきり見えるほどの今シ−ズン最高の天気に恵まれ、オ−ルナイトで夏の銀河を撮影したい気分でした。当日も予定軌道位置に彗星を確認。やはり前回同様、眼視ではよく分かりませんでしたが、かなり高い位置と早い時間に見れる様になり、これからが本格的な観測シ−ズンだと実感しました。 写真でも前回と同様あまり変化は認められないようです。少しコマが大きくなったかも?

3回目の撮影は5月23日(木曜)の朝1時頃でした。当日も前日からの雨がやみ、13日に負けない位の透明度でした。この頃は朝1時頃に1度起きて、空を確認するのがついつい日課になつてしまいました。なかなか週末の比較的時間がある時に、透明度の良い日に当たらないのが残念です。皆さんも同様の思いだと思いますが。(ネガでは前回と変化は無し)

4回目の撮影は6月5日(水)の午後11時前でした。当日は久しぶりの天気に恵まれ、ヘ−ル・ボップは確認出来ましたが、コップ彗星は確認出来ませんでした。木星もとてもきれいに見えていました。

5回目の撮影の予定は、6月11日のヘ-ル・ボップとコップ彗星の”最接近撮影”でした。しかしその直前に、中国地方が梅雨入りになってしまいとうとう当日の撮影は出来ませんでした。6月は前半天気が良かっただけで、月末までほとんど撮影チャンスに恵まれませんでした。

5回目の撮影は7月6日(土曜日)でした。約1ヶ月ぶりの撮影。

6回目の撮影は梅雨の合間の7月10日(水曜日)の夜でした。当日は夕方からびっくりする様な透明度になり、8時前に帰宅し撮影準備に取りかかりました。双眼鏡で初めてはっきり彗星が見えたので、9時すぎに佐藤会長に思わず電話してしまいました。会長も天気が良いので彗星を探しているとの事でした。少し話をして10時すぎから再度撮影に入りました。透明度も最高で、約10枚程度彗星を撮影しました。夏の銀河のはしに彗星がいるため、射手座、たて座あたりのM天体、微光星と区別がつきにくいのが難点ですが。

7月13、14日も数コマ撮影(ただしあまり透明度は良くない)双眼鏡でやっと見える程度。(ついに梅雨が明けた)


8月15日(木曜)の夕方でした。当日は前日からの台風も去り、午後から晴天にめぐまれ、朝までほぼ快晴でした。ただ前回の7月10日の方が数段透明度は良かったと思います。当日も、12日と同様ペルセウス流星群の写真も撮りましたが、あまり見応えのある流星が見えませんでした。今年のペルセウス流星群も不発でした。しかし彗星の方は、最近比較的簡単に撮影出来る様になり、クラブの方々もかなり彗星を撮影されているのではないかと思っています。どなたか肉眼で確認されたでしょうか!!。

8月18日(日)も双眼鏡にて確認。彗星の移動が南西に向かっている為、自宅からは鋼管、福山の光がかなり強くだんだんと見えにくくなってきています。ただすくいは高度がまだかなり高い為、なんとか撮影は可能です。年末にかけてかなり明るくなってくれれば、自宅からも長時間の撮影は可能ですが、反対なら撮影移動がたいへんになると思います。年末は美星町黒木か美星町竜王山へ行く計画を立てています。


9月に入り朝夕かなり涼しくなり、夜ド−ムの中でも寒くなり始めてきました。9月2日(月曜)双眼鏡にて確認及び数コマ撮影。8月のイメ−ジとあまり変わらず、まだそれほど明るくはない様子。

9月10日(火曜)けっこう透明度は良いが、彗星は8月より少し暗くなっているような感じがする。双眼鏡で見てもたいへんあわくしか見えない。西空に傾いているせいかもしれない。午後9時頃の高度約30度。2〜3日おきに見るが移動量は小さい。国立天文台が撮像した、インタ−ネット上で公開されている9月12日の写真には、核から伸びる尾がはっきり写っていました。さすが50センチとCCDの威力を感じました。

C/1995O1(Comet Hale-Bopp) 9/22 600mm F4.9
台風17号の去った9月22日(日曜)は夕方から23日の朝まで快晴でした。上弦の月があるにもかかわらず、透明度が良く、けっこう久しぶりに彗星がよく見えました。5枚程度125SDHFで撮影。


10月5日(土曜)夕方観察。おもいのほか暗くやっと双眼鏡で見える程度(6等星程度)。久しぶりにインタ−ネットで彗星情報検索、テイバ−彗星が発見されていた。軌道が良く自宅からでも観測可能なので、朝早く起きてチャレンジしようと思う。 再接近時の彗星撮影用にTAMRON 300mmF2.8を購入した。


11月4日、M14へ接近中の彗星をやっと確認。低空と町明かりの為撮影不能。双眼鏡でもはっきりとは見えない。(5等級程度?) 以後仕事が忙しく、夕方の観測時間がとれず、末まで観測が中断してしまった。


12月1日、夕方5時30分、やけに寒い。土曜、日曜と2日連続で朝雪が降る。なんとか自宅から観察可能な最後の姿を確認。かなり低空で確認するのがやっと。(自宅からは5等級より明るくは感じられない)


新しい年が始まり、1月30日、朝5時50分、2階のベランダから東の空を確認。もうすでにアルタイルが朝焼けの中に吸い込まれそうにやっと輝いていた。あわてて、アルタイルの上方向を双眼鏡で確認、思っていたよりずっと明るい彗星を確認。上方向に、うっすらと尾も見えた。撮影準備を前日していなかったので、当日は撮影は出来なかった。自宅からは、真東には大きな建物と山があり高度が20度を越えないと、撮影出来ないため、けっきょく1月は双眼鏡でのぞくだけでした。


2月1、2、3、4日、4日連続で曇られて撮影不可。

2月5日、4時半に起きて空を確認。少し雲はあるがなんとか撮影出来そうなのでド−ムへ。しかし、だんだん雲が多くなり、彗星が雲間から見えたり、隠れたりで、2分以上の露出が出来ませんでした。かなり核が明るく、簡単に見つけられる。(5コマ撮影)やっと97年になつて初めて撮影出来た!!。(^_^)

2月9、10日と連続して撮影に成功。とくに9日は、透明度も良く最高でした。約2等級と思う。アルタイルよりは少し暗いが、肉眼でも低空にもかかわらずよく見えた。

11日(休日)の朝は、曇ってだめでした、昼間かなりの雪が降る。

12、13日も曇って駄目でした。13日も、朝4時頃までは良かったのですが、いつものように、5時前になると曇って、3日連続撮影不可でした。

13日は、いつもより少し早く帰宅して、先月手に入れた冷却CCDの調整を行い、ド−ムへノ−トパソコンを持ち込んで、14日の朝にそなえました。運良く14日は快晴に恵まれ、4時半には肉眼で簡単に彗星が見えていました。約1時間程度カメラにて撮影、併せてガイド鏡のFC-50に冷却CCDを取り付け数コマ撮像しました。本当は125SDで撮像したかったのですが、125SDとCV-04との取り付け方法に問題があり、ピントが出ない為にとりあえず上記方法にて撮像しました。 とにかく簡単に写すことはできるのですが、やはり画像処理ソフトの良いものが必要です。とりあえず簡単にPhotoshopにて画像処理を行い、Home-pageへUP-loadしておきました。記念すべき1コマ目です。 これからは月明りも光害も関係なく、撮像出来そうなので楽しみです

C/1995O1(Comet Hale-Bopp) 2/18 600mm F4.9
2/16日、18日両日、朝4時に起床してベランダから空を確認。もうすでに山の稜線から昇った彗星が見えていた。すぐに支度をしてド−ムへ。600mmの125SDHFで見ると、約画角半分位に彗星が見える。約20コマ撮影。ほとんど1等星と同等。CCDでは400mmでは明るく、大きすぎて、うまくCCD露光面に入らない。時間をかけるとカメラ撮影に影響が出るため、撮像はしませんでした。現像したネガには、約3分の2程度の姿の彗星が写っていた(18日)。 2/5日のネガと比べると、びっくりするぐらいに成長した彗星の姿になっています。たった2週間でこんなに変化するとは思いもよりませんでした。ネガ上でもイオンとダストの区別がはっきりわかります。このぶんだと、今回も3月終わり頃には、広角、標準、中望遠等々なかなか楽しめそうです。

19日も朝4時に起床、空を確認するが雪雲が空全体を覆っていてだめでした。

20日、19日夕方から天気がよかったので、準備をしていつもより早く床につく。4時に起床、思った通り天気は良いが、満月前の月が西の空にこうこうと輝いている。朝5時頃やっと空が暗くなるが、6コマ程度撮影したところあたりから空が白み始めた。やはり透明度がいまいちで、18日の朝の方が良かった。400mmでは前回彗星が入らなかった為、当日は200mmのカメラレンズに取り替えて撮像。

21日、朝4時半起床。空は完全にベタ曇り。あきらめてそのまま夢の中へ。前日からの疲れが出たようだ。午後仕事で外へ出たついでに、会長の所へ遊びに行きました。会長も2月初旬から天気が良い日には、鞆、裏山へ撮影に精を出しているとの事でした。14日の朝、撮影された会長と児玉さんの写真を見せてもらいました。

22、23、24日と3日連続4時起き。月明かりはあるものの、東の空には月明かりに負けないくらいの明るさで、彗星が輝いていた。この3日間で約50コマ、約60画像のデ−タを収集しました。とにかく天気が良く、彗星の高度も高かったので、月さえなければ最高の3日間だったと思います。(25日も天気は良かったが、起きれなかった)

27日、4時に起きて空を確認。厚い雲に覆われていたので、安心して寝ていたら、朝6時に起きてみると快晴だった。(残念)

28日、前日悔しい思いをしたのですが、幸い4時から5時30頃まで、月はあるものの快晴に恵まれ、多くの写真、画像を入手出来ました。朝とても暖かく初めてド−ムの中で、寒いとは思いませんでした。


3月2日、朝4時に起床、多少雲はあるが天気はまずまず。下弦の月が南の空に輝いている。5時前より撮影開始。薄雲が時々流れていく。彗星高度が20度近くまでいくと、月明かりの中でも長い尾が良く見える。午後からクラブの会合に出席。会長、児玉さん等、熱心に撮影されていた。

4日、朝4時に起床、透明度も良く快晴。月はあるが彗星にはあまり影響はない。4時30頃から撮影開始、かなり尾も長く期待を込めてシヤッタ−を押す。CCDでは200mmではもう全体が入らないため、135mmにして撮像開始。5時30頃までの約1時間撮影。当日はデネブより明るく感じられた。6時頃には朝焼けの中でも輝いていた。(児玉さんは仙養へ行かれていた様子)

5、6日、前日に引き続いて4時起き。昨日より透明度はかなり悪い。4時半から1時間程度撮影、撮像を行う。(5日も児玉さんは仙養へ)

C/1995O1(Comet Hale-Bopp) 3/8 600mm 300mm
8日、4時起き。透明度抜群で、すでに昇ってきている彗星が簡単に見つかる。5時半頃まで撮影、撮像。

9日、4時起き。昨日と比べるとかなり透明度が悪く、4時半にやっと彗星を確認。5時半まで撮影、撮像。5時の高度は約15度程度。自宅から撮影できるのは、20日頃が最後になりそうだ。3月末からは本格的に移動観測になりそうだ。生まれて初めて、8時半頃から日食を2時間程度撮影。

10、11日と曇りで撮影不可。インタ−ネット上で情報を見るとすでに、6日の夕方撮影している画像があった。

12日期待して起きてみたが、東の低空に雲があり、1時間程度頑張ってはみたが、雲は移動してくれなかった。

13、14、15、16日と連続曇りでダメでした。

17日、朝4時半起床。6日ぶりに見る彗星、彗星は見えるが、低空には雲がかかり、なかなかはっきり見えない。やっと5時15分頃になって雲が切れ始め、彗星がはっきり見え始めたが、今度は空がしらみ始めてしまって、あわてて撮影にとりかかる。数コマ撮影。CCDの準備をしていなかったので撮像は出来ませんでした。 夕方天気が良かったので、北西の低空を見ていたが、見えなくてあきらめかけていたときに、いつも見かけない明るい星が見えたので、なんとなく双眼鏡で覗いてみると、なんと彗星でした。高度10度程度、思っていた位置より西の空でわからなかった。あわててド−ムへ駆け込み3コマ撮影、時間が無くCCDでの撮像は出来ませんでした。とにかく当夜は透明度が良かったので、翌 朝の為に準備をして床につく。17日は朝と夕方初めて2回見れました。

C/1995O1(Comet Hale-Bopp) 3/18 600mm 300mm
18日、朝4時起床。予想以上に透明度が良く、夏の銀河がよく見え、射手座あたりの銀河もよく見える。彗星は肉眼でも初めて4度程度のダストテ−ルが見える。私の所有している視界7度の双眼鏡では、全体が入らない位に立派になっていた。4時半から5時20分頃まで撮影、撮像。仙養ヶ原等で撮影している児玉さんのうれしそうな顔が浮かぶ。今回朝方に見えた、最高の彗星像だと思います。

24日、朝4時に起床。最近癖で4時頃かならず目が覚めてしまいます。4時10分頃、山の峰から彗星が出てくる。月明かりと低空の為、長い尾は見えない。 低空の為、撮影出来たのは、5時少し前になってしまいました。おまけにCCDカメラの取り付けが、緩んでしまいうまく撮像出来ませんでした。とうてい自宅から20日すぎて撮影出来るとは思ってもいませんでしたが、まだまだ高度が高いのと、彗星の軌道が自宅の低空の開けたベストの位置にくるので、もうしばらくは撮影できそうです。夕方も天気がよく、高度も高く数枚の写真撮影が出来た。ただ生活光害の為、朝の方が綺麗に見える。

25日、又4時に目が覚める。4コマ撮影。5コマ撮像。月明かりと、朝焼けで写真撮影はつらくなってきた。CCDだと高度1度でも写りそうなぐらい高感度だ。 30日、朝から天気が良いが、風が強い。地域の子供会の主催で岡山へ行く。夕方帰宅して7時頃から撮影開始。自宅からでも、2時間程度見えた。当夜は透明度も良く、長いイオンテ−ルの尾も良く見えた。8時頃から、食事が終わった家族に双眼鏡で見せてやると、子供たちも、大騒ぎでした。当夜は9時10分頃まで見えていました。(児玉さんからのメ−ルでは、仙養へ30名程度の人が行っていた模様)30日は夕方見えたなかでも、最高の日だったと思います。


C/1995O1(Comet Hale-Bopp) 4/1 600mm F4.9
4月1日早々、美星町の観測所へ機材一式かついで行く。同好会のメンバ−4名が来ていた。3月30日と比べると透明度はいまいちで、薄雲が低空に広がり、全体的にモヤっていた。しかし彗星はよく見えた。2時間程度撮影、撮像を行った。

2〜5日まで雨でお休み、晴れているのは北海道あたりのみ。6日、奇跡的に夕方、雲が多少あるものの雨上がりの彗星がたいへん綺麗に見えた。4コマ撮像、10コマ撮影。9時15分頃までの約2時間程度、自宅からもたいへん綺麗によく見えた。

7日、曇りでダメ。8日、夕方会社のベランダから西空を見ると、彗星付近の空は良く晴れ渡り彗星が綺麗に見えていた。このぶんだと自宅からでもよく見えるのではないかと思い帰宅、しかし残念ながら自宅付近はほとんどベタ曇りでだめでした。

10日、久しぶりに天気になり、再度美星町へ行く。同好会のメンバ−5名、他近所の人3名、プラス私の9名で撮影会が行われました。当夜は月と彗星の記念写真を中心に、撮影を行いました。ダストがかなり太くなり、尾も上側に伸びており、今までみたいに下方に伸びていないため、彗星らしくなりました。ただこれからは月の影響が出てくるので、CCDの出番です。当夜は9時40分ころまで見えていました。

12日、透明度もかなり良く1時間程度撮影、撮像。彗星は自宅から、月明かりの中でも9時20分頃まで見えていました。11時頃から3時間春の星雲、星団を125SDHF+CCDで撮像。3分〜5分でビックリするくらい写り、改めてCCDの威力を感じました。ただ、ピントと導入は大変でした。

13日は透明度が悪かったため、核のクロ−ズアップをねらってみました。なかなか1600mmだとピント位置が難しく大変でした。

14、15日両日とも曇って観測不可。

16日、久ぶりに天気にはなったが、透明度がとても悪く撮影は出来ない。かろうじて撮像は出来た。さすがにCCDだ。

19、20日と週末連続して撮影。特に19日は久しぶりに快晴に恵まれ、沢山の写真、撮像が出来ました。20日は薄雲が広がる、あいにくの天気でしたが、CCDの撮像にはあまり影響はありませんでした。

23日も天気が良く撮影、撮像が出来る。比較的透明度も良く、月明かりの影響も少なくなり始めました。

25、26日と両日とも晴れて、特に土曜日は終日天気が良く撮影に最適でした。

27日は曇り。

29日、当夜も天気が良く撮影、撮像を約40分間行いました。ただ、高度が10度以下になると極端に写りが悪くなります。4月はけっこう週末に天気が良く家族サ−ビスが出来ず、家族には多大な迷惑をかけてしまいました。


5月1日、メ−デ−で休み。夕方天気が良く、夕方30分程度撮影、撮像。

C/1995O1(Comet Hale-Bopp) 5/4 600mm F4.9
5月4日(日)。朝から天気が良く、児玉さんに誘われて、夕方仙養ヶ原へ行く。6時頃到着、風が強く西空には雲も出ていた。少しあきらめかけていましたが、奇跡的に7時頃から雲が切れ始め、7時30分すぎから彗星が見え始めました。初めての場所でのセットで、少し極軸合わせに時間がかかり、撮影開始は45分頃からになりました。月も無く、久ぶりに暗い空の元で、私一人で撮影を満喫しました。

5月9日(金)、前日からの雨が上がり、天気が良かったので、5日ぶりに彗星が見たくなって美星へ行きました。8時前の高度約10度、月の右下あたりに彗星が確認できました。5日前と比べるとかなり暗く、写真も撮りましたが期待出来ません。やはり仙養ヶ原と比べると、空がかなり明るく、月明かりもあり眼視では最後まで確認できませんでした。当夜は8時40頃までの約1時間、双眼鏡では見えていました。月明かりと低空で、写真撮影はもうダメでしょう。CCDだと天気が良ければ、5月20日位まで撮像出来そうな雰囲気です。

5月16日、5月9日〜10日で彗星の核に変化があったとの知らせを受け、9日に美星で撮像した画像を、もう一度再処理してみました。するとなんと、国立天文台で撮像した画像と同等の画像が出てきました。

C/1995O1(Comet Hale-Bopp) 5/17 300mmF2.8
5月17日(土)、午後から天気が良くなり、ひょつとしたら美星からだとまだ見えるのではないかと思い、機材を一式もって夕方出かけました。低空まで透明度が良く、7時45分位から彗星が高度約8度程度に見え始め、左上に尾をひいているのが双眼鏡ではっきり確認出来ました。眼視でやっと確認出来る程度。8時から約25分間撮影、撮像しました。たった30分のために良くここまで出来る自分が最近信じられません。

5月20日、寒冷前線の通過にともない、風がやけに強い、朝からの雨が上がり透明度抜群。夕方早く帰宅出来たので、山へ行こうとも思いましたが、雨が降りそうな変な天気で、山の上で雷でも落ちたら大変なので、自宅観測に切り替えました。7時30分すぎに、金星が自宅からでも西の空に見えたので、もしかしたら彗星が見えるかもしれないと、期待して待ちかまえていました。40分になりついに彗星を発見。17日に美星で見たときより綺麗に見えた。(当夜美星は曇っていたとの事)

21日、出宮先生より電話をいただく。天気が良い日に大倉牧場へ行かれるとの事で、位置確認。

22、24、25日、天気は良くなかったが、美星へ行く。ベテルギウスは確認出来たのですが、彗星は夕焼けのなかでCCDでも撮像できませんでした。

今年の秋、もう一度撮影のチャンスがありますが、条件が悪そうなので期待できませんが、皆さんも再度チャレンジしてみて下さい。私は、秋にCCDでもう一度頑張ってみようと思っています。

今回は2月〜5月までで、通算で約40日間の観測になりました。2月〜3月末までの、朝の連続4時起きはとても大変でした。ただ自宅天文台で光害の中でも撮影出来た私は幸運でした。児玉、会長さんは大変だったと思います。早起きのおかげで沢山の成果もありました。3月中旬には朝、夕2度見れるすばらしい彗星に成長し、私たちを楽しませてくれました。夕方に回ってからは、いつも天気が気になり、美星へ何回も通いました。朝は3月8日、18日、夕方は3月30日、4月6日の4日間が今回は最高だったように思います。昨年の4月20日に最初の撮影に始まり、途中10月〜1月末までのブランクがありましたが、2月からは久しぶりに充実した日々を過ごしました。

今回はネガ数約400コマ、画像も300コマ以上あり整理が大変です。一部しかプリントしていませんし、画像処理出来ている画像もほんの一部です。画像はたぶんもう、処理出来ないでしょう。(MOの中)(時間が無い)


番外編

9月に入り、月刊天文にNZで撮影された彗星が掲載されていた。9月12日、四国の丸岡氏がCCDにて、早朝の画像を公開していました。20日には、金沢の大野さんも写真撮影に成功されていました。写真でもかなり淡く、眼視ではもうよほど条件が良くないと、見れない、撮影も出来ないような気がします。岡山県地方は9月に入って、連日天気が悪く、悪い予感がする。 9月28日、前日から朝天気が良くなりそうとの情報の元、朝4時すぎに起床。予報通り透明度も良く、低空まで良く星が見える。4時50分頃から300mm+CCDにて撮像開始。撮像したところまでま良かったのですが、彗星が淡いのかどうか、恒星とまったく区別がつかず情報公開が出来ません。 7X15の双眼鏡でも、近所の町明かり、低空、彗星が暗いの悪条件で見れませんでした。9/30,10/8,10/10,10/11,10/12もだめ、なかばあきらめかけていた12日の夜から、すばらしい透明度になる。ラストチャンスと思い準備をして床につく、朝起きてなんとなく撮影出来そうな予感がする。4時40頃にやっとPCの画面に彗星を導入、彗星よりもっと低空の星も見える。かなり小さくなったHB彗星と5ヶ月ぶりに再開する。やっときっちり撮像する事に成功しました。


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