私たち4人は、8月26日から9月2日まで、ロンドン・パリへ旅行してきた。ロンドンの格調高い文化と、パリの華やかな文化に触れるのが主な目的だが、何と言っても、昨年11月に開通したユーロトンネルを最高時速300キロのユーロスターでくぐることが最大の目的である。
8月26日、昼の11時、成田・新東京国際空港をヴァージンアトランティック航空901便で飛び立った。このヴァージンアトランティック航空の飛行機(エアバスA340)には、ビジネスクラス・エコノミークラス問わず、全客席に、液晶テレビが設置されていて、映画・テレビ・FM、そして、なんと、任天堂の最新テレビゲームが楽しめるようになっているのである。ここが他の航空会社にはない、すばらしいサービスである。このほかにも、全客席に、ハブラシや、くし、靴下、アイマスク、メモ帳とボールペン等などが入ったアメニティキットが配布されており、それは各自、自由に使ってよく、持ち帰ることができるようになっている。この点でも、ヴァージンアトランティック航空は非常に優れていることが分かる。
ということで、最新設備、優良なサービスのもと、13時間の旅が始まった訳だが、私は、離陸の際の揺れで、少々気分が悪くなってしまった。睡眠不足と、緊張のせいでもあるだろうが、その状態でいるのは、これからの長旅に支障を来すので、家から持って来た、酔い止めの薬を飲み、一眠りしたのだった。数時間後、気分もすっかりよくなって、目を覚ますと、テーブルの上に、おいしそうな料理が置かれていたのである。これを見たとたん、この料理が無性に食べたくなり、フォークとナイフを持ち、食べ始めた。そして、全部残さず、きれいに食べてしまったのだ。その後、液晶テレビで、任天堂テレビゲームをした。久しぶりに、プレイしたので、非常に懐かしかった。これで、13時間の旅の退屈さが和らいだと思う。
窓の外を眺めると、一面雲の海だが、湖や畑など、地上の様子も見ることができた。東京−ヨーロッパ線は、ロシアの上空を飛行するのが最短距離なので、それから考えると、ロシアの湖や畑が見えたことになる。日本の畑とは様子が違い、日本を離れ、外国に来たのだなあという思いが、もう、すでに、機内で味わうことができた。湖も、太陽の光に照らされ、水がまぶしく光り輝いている。その後、小さな島が見えた。これは、多分、バルト海にある島だろうと思った。ということは、もう、イギリスは、すぐそこに迫ってきていると悟った。その1時間後、無事に、ロンドン・ヒースロー空港に着陸することができ、13時間の空の旅は終わった。(続く)