(その2)
8月20日(日)
朝から雨。
朝9時半頃、模範タクシーでホテルを出発。
七月☆子の今回の目的でもある「戦争記念館」へ向かいました。
ここにも日本人向けのパンフレットがありました。その冒頭に
戦争記念館は、我が民族が5000年もの間、数多くの外国の侵略を追い払い、
民族と国家を護ってきた先祖たちの護国戦争に関する各種の資料を総合的に展示して
先烈の護国偉勲を追慕し、後世の人々に護国の精神と戦争の教訓を喚起する護国の殿堂として、
1994年6月10日にオープンした。
と書いてあります。
先史時代から日帝侵略期までの各種資料や武器、服飾等の展示がされているのですが、
中心は朝鮮戦争(韓国では韓国戦争と呼んでいるようです。)です。
写真、人形、映像、体験コーナーなどが多くあり、「国立民族博物館」同様、次世代の教育を
意識しているように感じられました。
現に、ここでもプリントやメモ帳を持った小学生の親子連れをたくさん見かけました。
本当に運が良かったのですが、6月25日〜9月30日の間、朝鮮戦争50周年の特別展示を
していました。
南北朝鮮の歴史的なトップ会談があった後で、両首脳が握手をしている大きな写真が飾られていました。
しかし展示の内容そのものは、北朝鮮への敵対関係が鮮明に顕れていました。
例えば、北朝鮮の兵士が罪もない韓国人を拷問したり殺したりしている、という場面が人形で再現されていたり、
スターリンが金日成に韓国を攻撃するように命令している風刺画もありました。
極めつけは、展示の最後の方に、射撃コーナーやパソコンによる魚雷命中などのシュミレーションコーナーが
設置してあることです。
「戦争記念館」は「護国の殿堂」であり、「平和の殿堂」などではない、いうことを私は感じました。
そしてそれは、戦争が終わってない朝鮮半島の現実なのでしょう。
展示を見終わって、侵略という不幸な歴史を背負う韓国人の、恐ろしいまでの民族意識と護国の精神を
強く感じました。
「戦争記念館」の入場料なのですが、参戦者は無料、軍人・警察は小学生と同料金です。
2時間ほど見学した後、「戦争記念館」を後にし、道路でタクシーを拾おうとしました。
ところが、一般タクシーはあるのですが、模範タクシーは全く見つかりません。
行ってみて解ったことなのですが、「戦争記念館」は四方を米軍基地に囲まれているのです。
交差点には兵隊さんが立っており、また、米軍の兵隊さんやその関係者らしいアメリカ人が道を歩いています。
さらによく見てみると、白人や黒人が乗っているタクシーは黒塗りで白いタクシープレートを付けている、
ということが解りました。
40分ぐらいたっても模範タクシーを拾えないので、アメリカ人らしき人たちが乗っているタクシーを
拾うことにしました。
一般タクシーはぼられるので乗らない方がよい、と聞いていましたから、外国人が乗っているタクシーなら
たぶん安心だろうと思ったからです。
ところが、誰も乗っていない黒塗りタクシーをみつけても、止まってくれないのです。
私たちの側に止まっていた乗用車の韓国人が親切にクラクションを鳴らしてくれたので、やっと
一台の黒塗りタクシーが止まってくれました。
乗ってみて初めて解ったのですが、来る塗りタクシーはなんと、米軍専用タクシーだったのです。
メーターもドルだてです。ウォンで料金を払ったら、お釣りはドルできました。
余談ですが、韓国のタクシーは3種類あるようです。
・模範タクシー・・・・黒塗りに金のライン、タクシープレートは黄色(主に日本人向けで初乗り3000ウォン)
・米軍用タクシー・・・黒塗り、タクシープレートは白色(1560ウォン)
・一般タクシー・・・・ぼられま〜す(1560ウォン、相乗りOK)
韓国のタクシーは自動ドアではありません。お客が開け閉めをします。
午後はキトリの要望で免税店巡り。最初に新羅免税店、次に東和免税店、再びロッテ免税店、最後に
ウォーカーヒル免税店へ行きました。
夕食はウォーカーヒルホテルで食べたのですが、キトリは焼き肉定食、七月☆子は韓国風お好み焼き(チヂミ)を
食べました。
ホテルの焼き肉は上品な味で、キムチなども辛くありませんでした。日本人向けなのでしょうか。
韓国風お好み焼きは塩辛く、あまり美味しいとは思いませんでした。
ロッテ免税店はロッテ百貨店の中にあるのですが、ロッテ百貨店の周辺や前には機動隊員がたくさんおり、
物々しい警備をしています。
後で現地の旅行社の人に伺ったら、ロッテは力があるので政府高官と関係が深く、警備の人をまわしてもらえるのだそうです。
ホテルに戻り、夜10時半頃から昨夜に引き続き、再び東大門へ。近くに模範タクシーがいなかったので、歩いていくことになりました。
ホテルの人は大丈夫だといいましたが、やはりちょっぴり怖かったです。
日曜日なので、昨夜のような人出はなく、買い付け業者がほとんどでした。
3つほどビルを回ったのですが、エスカレーターがないビル(地上5階、地下2階)もあり、足が棒になりました。
買いたくなるような衣類や小物はほとんどないのですが、素敵な羽ペン(ボールペン)を見つけ、たくさん買いました。
深夜0時過ぎ、帰るためにタクシーを拾おうとするのですが、模範タクシーは全く拾えません。
しかたがないので、一般タクシーに乗ることにしました。一般タクシーすらなかなか拾えないのです。
やっと見つけて乗ったのですが、案の定ぼられました。
わざと大回りして、なんと2倍以上の3990ウォンを請求したのです!
タクシーを待っている時に思ったのですが、韓国人は車も人も信号無視が多いです。
タクシーは細い道は赤でも突っ走るし、大きな交差点でも赤で右折は当たり前。(韓国は車は右側通行です。)
人も、赤でも平気で横断歩道を渡ります。(お巡りさんがすぐ側で交通整理をしていてもです。)
そういえば、韓国の人は道を歩くとき、人とぶつかっても平気で歩き続けますし、エレベーターでも
出口をあけたり譲ったりはしないようです。
8月21日(月)
いよいよ帰国です。8時40分にホテルを出発。その前にフロントで精算をしたのですが、
なんと、歯ブラシ代を請求されました!
空港で免税品を受け取り、金浦空港を出発、12時10分に無事帰国しました。
飛行機は行き帰りとも日航だったのですが、帰りの飛行機で水漏れが2カ所ありました。
スチュワーデスさんが漏れている箇所にガムテープでタオルを貼り、水漏れを防いでいました。
コンコルドの事故があったばかりなので、あまりよい気分はしませんでした。
あ、そうそう、韓国のホテでは、日本のBS放送をテレビで流していました。
たった2泊3日のソウルの旅なので、私の書いた内容は偶然出会った韓国の極々一部だと思います。
ひょっとしたら、特殊な例だったかもしれません。
しかしこの旅行記は、私の韓国旅行の思い出であり、素直な感想なのです。
朝鮮戦争50周年 特別展示中 |
北朝鮮の兵士が 韓国民衆に暴行している |
爆撃機や戦車が たくさん展示されている。 |
韓国語、英語、日本語で 電光掲示板が表示される。 |