七月☆子、キトリの「ニューヨークお上り旅行(2007)」
(その3)
7月2日(月)
昨日と同様、朝7時頃ホテルを出発。今日の予定は自由の女神の見学です。
月曜日ということもあり、通勤途上のニューヨーカーが沢山歩いています。
男女とも颯爽としていて本当に格好好い。
まるで映画の一場面を見ているようです。
路上のスタンドは、朝は朝食を売っており、ニューヨーカーがベーグルサンドや果物を買っていきます。
その姿も、本当に絵になるのです。
ただただ憧れ……。
そう言えば、多くのニューヨーカーは太っていないのです。ロスは小錦(KONISHIKI)オンパレードでした。
地下鉄に乗り昨日間違えて行ったサウスフェリーへ。
車両にはサラリーマンが沢山乗っていました。
しかし日本の朝のラッシュほどは混んでおらず、座ることができました。
サウスフェリーでネット予約(支払い済み)していたチケットを発券。
後ろに並んでいたアメリカ人は、ネット予約をしていたにもかかわらず記録がないと言われ、長い口論の末、結局チケットを再購入させられていました。
可哀想……。
フェリーに乗船するために、すでに長い列ができていました。
急いでその列に並び、フェリーに乗船しました。
リバティー島で下り、皆が進む方向についていくと、自由の女神の台座に上るための長い長い列ができていました。
列を成しているのは、世界各国から集まったお上りさんばかりです。
英語、フランス語、スペイン語、韓国語、日本語などなど、各国の言語が飛び交っています。
アメリカ人の団体さんもいます。
(おそろいのTシャツを着ているので、すぐに分かります。)
もちろん私たちもお上りさんですが……。
1時間ほど並んで、やっと入り口に辿り着きました。
そこでセキュリティーチェックを受けます。
風を身体に吹き付けて検査をする(衣類が風でふくらむ)のですが、こういうチェック方法は初めてでした。
入り口を入ると、女神の顔と同寸大のレプリカが飾ってあります。
さらに中に進んでいくと、女神の足のレプリカや女神像の説明、自由の女神に関する歴史など紹介するコーナーへと続きます。
その後、台座に上る階段に。
何段もある階段を上ると、そこは360度の展望台になっています。
そこから見るマンハッタンの摩天楼の美しいこと!
『ウェストサイド物語』のオープニングで出てくる俯瞰シーンを思い出しました。
実は2001年の9.11同時多発テロ以来、自由の女神内の観光はストップされていました。
しかし2004年8月3日から台座までの見学が再開されました。
テロ以前は、王冠まで上ることができたそうです。
王冠まで続く螺旋階段(354段あるそうです)を見上げ、テロの影響がこんなところにまで及んでいるのだと複雑な思いがしました。
展望台を下りて、次にオーディオツアーをしました。
オーディオツアーとは、自由の女神周辺の案内と説明の入った機械を借りて、各自が自由に見学するというものです。
色々な言語に対応しており、私たちはもちろん、日本語の機械を借りました。
説明通りに進んでいくと、自由の女神そのものと、その歴史的背景などを知ることができます。
女神はただ単に立っているだけではなく、前に踏み出そうとしているということを初めて知りました。
その後フェリーに乗り、エリス島へ。
この島は移民局があったところで、アメリカ移民の歴史に関する展示がしてある博物館を見学しました。
ここもオーディオツアーです。
丁寧な説明はよいのですが、展示室は3階まであり、幾部屋も回らなくてはなりません。
アメリカ人は自分の先祖のことなので、とても熱心に見入っていましたが、私たちにとっては人の国の歴史なので、正直言って、少し退屈でした。
見学後再びフェリーに乗り、ニューヨークに戻りました。
リトルイタリーにロバート・デ・ニーロが経営しているイタリア料理店「トライベッカ・グリル」があります。
せっかくニューヨークに来たので、ぜいひ行ってみたいと思い、タクシーで直行。3時半を回っていましたし、それほどお腹が空いていないこともあり、リコッタチーズのニョッキのみを注文しました。
店員が感じが悪い上に、美味しくなくてがっかりしました。
リトルイタリーはやや治安が悪そうで、とても夜には歩けないな、と思いました。
建物も薄汚く、ウェストサイド物語に出てくる、外側に鉄の階段が付いているビルがいくつもありました。
その後タクシーでMOMA(ニューヨーク近代美術館)へ行ったのですが、すでに5時。
5時半に閉まるため、入館するのは止めて売店でお土産を買いました。
夜8時からは、今回の旅行でも最も楽しみにしていたブロードウェイ・ミュージカル観劇です。
一度ホテルに戻り着替えをし、6時45分に再びホテルを出ました。
夕食に、一度食べてみたいと思っていた「カーネギー」のカーネギー・パストラミーという巨大サンドイッチを1つ取り、二人で分けました。
驚いたことにアメリカでは、1つの料理を二人で分けるときは、追加料金をとるのです。
とにかく凄い量で、二人で食べきるのがやっとでした。
サンドイッチには、これまた巨大なミニキュウリのピクルスが付いています。
キトリがそれを丸かじりしたら、ピクルスの汁が、斜め右前の席で食べていたインド人女性の背中に命中!
ゴメンね、インド人さん。
ブロードウェイの劇場に着くと、長蛇の列ができていました。
すでにチケットを持っている人が並んでいることが分かり、最後尾に付きました。
私のブロードウェイのイメージは、街の一角にあるシネマコンプレックスの様な複合劇場でした。
しかし実際には、ブロードウェイの一角に転々と小劇場があり、それぞれの劇場が毎日決まったプログラムを上演しているのだということを今回初めて知りました。
「オペラ座の怪人」はマジェスティック劇場で上演されています。
入館後、まず日本語のイヤホンガイドを借りることにしました。
1つ10ドルなのですが、貸出の際、パスポートか運転免許証を預かると言うのです。
理由は、高い機械だからだそうです。10ドルですよ!
たった10ドルのために、大切なパスポートを渡すなど考えられません。
運良くキトリが運転免許証を持っていたので、それを預けることにしました。
キトリの話では、アメリカではそれほど珍しいことではないそうです。
ロビーで、「オペラ座の怪人」Tシャツを記念に買いました。
座席は1階2段目の舞台に向かって中央ブロック前から2列目左端。
非常によく見える良席で、嬉しかったです。
劇場の大きさは思っていたよりかなり小さく、日本の一般的な小劇場と同じぐらいでした。
舞台も高さはありましたが、幅はやや狭いと思いました。
しかし内装は豪華な中にも落ち着きがあり、まさに19世紀のオペラ座の雰囲気を醸し出していました。
「オペラ座の怪人」、本当に素晴らしいの一言!
私は劇団四季や映画ですでに3回ほど観ているので、ストーリーは熟知していましたが、英語の台詞や歌詞は全く聞き取れません。
それにもかかわらず、ラストでは涙が止まりませんでした。
最高のミュージカルには言葉はいらないことを実感しました。
終わったとき、場内はスタンディング・オベーション。
いつまでも拍手はなりやみませんでした。
スタンディング・オベーションはお約束とは聞いていましたが、この舞台に限っては、決して形式的なものではないと確信しました。
ファンタムの歌声はかつて聞いたことがないほど素晴らしいものでしたし、クリスティーヌも美しい歌声でした。
本場のミュージカルの凄さ、レベルの高さに触れることができ、本当に幸せでした。
ブロードウェイの帰り、再びカーネギーに立ち寄り、チーズケーキを1つテイクアウトしました。
ホテルに帰って、二人で分けて食べました。
日本のチーズケーキの4倍ほどあり、チーズも濃厚で美味しかったです。
アメリカのチーズケーキは最高です。
後ろ姿 |
王冠に上る螺旋階段 |
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「オペラ座の怪人」看板 |