加藤友信、スカイラインを駆る


直列6気筒DOHCのRB20DE

北海道をマークU2.5で走って以来、絶滅危惧種の直列6気筒エンジンに、今のうちに乗っておかねばという機運が生まれた。ニコニコレンタカーのホームページで検索してみると、意外に近い店舗で「スカイライン 2リッター」の文字を見つけた。今回はスカイラインを運転することだけを目的にミニトリップを敢行した。

そのスカイラインは三重県の亀山店にあった。亀山といえば、今でこそシャープの液晶画面で有名だが、その昔は東海道53次の完歩を目指す人か、鉄道好きな人にしか知られていない町だったと思う。その亀山まで関西線の快速で移動し、いよいよスカイラインとご対面。R34型と呼ばれる直列6気筒エンジン搭載の最終型で、いわゆる「スカG」の系譜を受け継いでいるクルマの集大成である。借り出し手続きもそこそこに、ワクワクしながらイグニッションキーを回した。


“NEO”STRAIGHT6のロゴが誇らしげなエンジン


R34型と呼ばれる直6最後のスカイラインGT
トヨタの1G型エンジンと同様、日産のRB型エンジンも、1980年代半ばにリリースされた後、熟成に熟成を重ね、最終的に21世紀まで作り続けられた直列6気筒エンジンである。かたやアルミブロックの2リッター専用エンジンで、小型軽量だが2.5リッターや3リッターエンジンは新たに設計しなおさねばならなかったというデメリットを持っていた。かたや鋳鉄ブロックで重たいエンジンだったが、自由度が高く2リッターから3リッターまでバリエーションを持ち、RB26DETTというモンスターエンジンからRD28というディーゼルエンジンまで幅広いバリエーションを持つエンジンだった。

走り出してしまえば、1G-FEもRB20DEもストレート6らしいスムーズな吹け上がりが楽しめる気持ちの良いエンジンで、燃費が悪くなるのが分かっていながら、高速道路のランプウェイでアクセルをベタ踏みしたりしていた。


スカイラインで伊勢志摩スカイラインを走る


朝熊山頂展望台より鳥羽方面を望む


北東側は伊勢平野が広がる

せっかくスカイラインを借りたので、遠回りになるが「伊勢志摩スカイライン」をドライブすることにした。2リッターのスカイラインは、エンジンよりもシャーシが勝っている印象があるので、タイトコーナーが続くワインディングロードでも絶大な安心感があった。ただ上り坂で勝手にシフトチェンジを繰り返すのには閉口したが(これは後にオートマをパワーモードにすることでマシになった)。

伊勢志摩スカイラインの頂上には朝熊山頂展望台があった。「360度の展望を誇る」という触れ込みはオーバーだったが、北東側に広がる伊勢平野の広大な眺めと、東側にある鳥羽付近の入り江の風景には息を呑んだ。

伊勢志摩スカイラインに続いて、パールロードのドライブをする。こちらは海辺の快速路で、特に南部は道路も整備されており、高速コーナーが気持ち良かった。しかも無料。一気に鵜方まで走り抜けた。

さて、今回のドライブは気持ちのいい道路をあてもなく走っているだけだったが、そろそろどこで折り返すかを考えねばならない。せっかくなので伊勢の国を抜け、紀州に少しだけ顔を出そうと思い立ち、そのまま国道260号を西進した。改良済みの場所と未改良の悪路がないまぜになっており、まさに木に竹を接ぐような道路だったが、そこは手馴れたもの。ハンドルを軽快にさばいて難所を通過した。

道の駅「紀伊長島マンボウ」で一息ついて、国道42号荷坂峠に挑む。紀勢本線のディーゼルカーにとっては厳しい難所で知られるこの峠も、スカGなら「あれ?もう峠のトンネル?」と感じるくらいあっさりと越えてしまった。鈍行列車が一息つく駅である梅ヶ谷でこちらも一休み。列車で来たときには山深い場所という印象だったが、クルマで来ると意外に開けていて驚いた。この駅に停車する列車は、一日にわずか9往復。対照的に、傍らの国道42号のクルマの往来はひっきりなしだった…。


真夏の太陽が眩しい山頂展望台にて筆者


荷坂峠を駆け上り梅ヶ谷駅に到着


梅ヶ谷駅は熊野古道・荷坂峠への玄関口


紀伊長島方には荷坂トンネルの入口が見える

<おしまい>

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