目 指 せ S F C 〜 日 本 全 国 修 行 の 旅 A |
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中11日あけて、修行の旅の第2弾の日になった。今回の旅は、アプローチに関しては前回と比べてずいぶんと楽である。同じように夜行列車に乗って、朝4時台に列車から降りるにしても、前回は座席、今回はベッド。帰りも朝3時半に浜松に到着した前回と比較すると、今回は23時過ぎに浜松に着くため、翌日の仕事には影響が出ない。ただし趣味的な要素が多少なりともあった(北海道や沖縄に行ったり、直行便のあるところを途中で乗り継いだり…)前回に比べると、今回は2点間を往復するだけの行程がやたらと多い。まぁそういう意味では、より『修行』の要素が強まった旅である。 というわけで、長嶋ジャパンが五輪アジア予選を3連勝で飾った直後の11月7日22時29分、私は浜松駅から寝台特急「あさかぜ」に乗車した。 就寝前のひとときを過ごすために、さっそくロビーカーに足を向けた。ブルートレインのロビーカーは、食堂車が廃止になった後も、しばらくカレーや牛丼などの軽食を出していたが、合理化によって車内販売すら無くなってしまった現在では、それも望むべくもない。以前は「九州特急」の花形であった「あさかぜ」が、現在では下関行きに短縮され、本州の中で完結してしまっているのも残念である。それでもコンビニで買ったツマミを食べながら飲んでいると、旅のムードは徐々に高まってくるものである。 |
久々乗車の『あさかぜ』で旅立つ |
ロビーカーにてくつろぐ筆者 |
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蒲郡を過ぎたのをしおに、私は自分のベッドに戻った。名古屋停車中に、騒がしい乗車客に起こされたのは覚えているが、あとは岡山の手前までぐっすり眠れた。目覚ましもセットしたし、車掌さんも起こしに来てくれたが、私はどちらも使わず、午前4時前にぴったり目が覚めた。外は真っ暗だが、私の体内時計は朝になったようだ… 岡山駅に4時15分に到着。どこか24時間開いているファミレスあたりで時間を潰そうと思っていたが、岡山駅の周辺にはそんな店など存在せず、結局駅前のベンチでラジオを聞きながらボーっと過ごした。 やがて空が白みはじめ、私は朝6時ちょうどの路線バスに乗り込んで岡山駅に向かった。あたたかいバスの車内でうたた寝をしていたが、夢うつつに聞いた、運転手さんと岡山空港に勤めているらしいお客さんの会話が妙に気になった。「今日は霧が出ているけど、ちゃんと飛行機は飛ぶのかねぇ…」 |
名門の『九州特急』も今は本州内で完結 |
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岡山空港正面の庭園にて記念撮影 |
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ご覧のような霧で出発が1時間半遅れる |
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八丈島に2往復。これぞ修行の旅の醍醐味? |
案の条、岡山空港は霧に包まれていた。この空港は、市街地からかなり北の山間に入った丘の上にあるため、天気の悪い時には霧が出やすく、また山に囲まれているため霧が晴れにくいときている。一応、定刻の7時半ころ搭乗案内があり、機内に入ったが、出発時刻の7時40分を過ぎてもいっこうに出発する気配がない。やがて機長から放送が入り、霧のため出発を見合わせているとのこと。旅の初っ端からこうでは先が思いやられるが、羽田での乗り継ぎ時間を1時間10分も取っていることもあって、最初は鷹揚に構えていた。しかし30分経っても40分経っても霧が晴れず、次第に焦ってきた。 もうそろそろ飛ばないと間に合わないと思った8時33分、ようやくプッシュバックが始まり、スポットから離れた。しかし、再び機長から放送が入り、まだ規定の視界を得られないので滑走路の手前で天候の回復を待つとのこと。結局、離陸したのは9時13分。これでは10時の羽田発能登行きには到底間に合いそうにない… |
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八丈島空港の滞在時間は合計1時間ほど |
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結局、羽田到着は10時10分。既に能登行きが出てしまった後だった。GHさんに連れられて、カウンターで「この後どうしますか?」と聞かれた。実は能登往復の航空券のうち、往路の分は超割がとれず、早割で値段が高かった。そのため後日あらためて、この航空券で能登に行くよりも、無手数料で払い戻してもらったほうが得策と判断し、払い戻しの上、八丈島に直行する旨を伝えた。すると予定よりも1便早い八丈島行きに間に合うということで、すぐに予約を変更してもらった。八丈島行きのオープンスポット(沖泊め)に向かうバスの中で善後策をうんうん考え、八丈島を2往復することに決めた。その場で携帯から八丈島〜羽田〜八丈島の往復割引の航空券の予約を入れた。 八丈島2往復は、本当に無為な時間で、空港に着いたら、すぐ来た便で折り返しという作業を3回繰り返した。八丈島には2回行っているのに、合計でも1時間ほどしか滞在しなかった。まぁ修行の旅らしいといえば、それまでだが… |
すっかり日の暮れた大館能代空港にて |
福岡空港のアクセスを支える地下鉄 |
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トリトン柄の737に八丈島を含め計8回搭乗 |
羽田から大館能代行きに搭乗した時には、心底ホッとした。おかげで往復とも眠りこけてしまい、途中の機内の様子は覚えていない。大館能代空港では40分ほどの滞在。すっかり日も暮れてしまい、外を散歩する訳にもいかない。かといって、空港の中を見て回るにはあまりにも小さくて、時間を持て余してしまった。 再び羽田に戻り、夕食をセキュリティ内で食べて福岡行きに乗り込む。747の2階席は初めてだったが、ジャンボジェットの中のコンパクトな空間は結構居心地がよく、福岡までの時間は長く感じなかった。 今日は博多駅前のホテルに泊まることになっているが、その前にひとつやっておかねばならないことがある。それはampmに寄って、Edyにチャージしてもらうことである。現在、全日空では搭乗券の半券2枚で、もれなくプレゼントというキャンペーンを展開中で、ampmではEdyという電子マネーに500円分お金を入れてくれることになっている。浜松近辺にはampmの店舗がないので、博多に来たついでに、この前の修行の旅と今日の分の半券28枚を7000円に替えてもらおうという算段である。無事にチャージし終わり、これで空港内での買い物(ANAショップでEdyが使える)は、お金を支払う必要がなくなった訳である。 |
五島福江空港でもすぐの折り返し |
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遅れのため内心ヒヤヒヤものだがVサイン |
対馬空港の滑走路。「14」は1400bの略? |
翌朝は、雨が降ったりやんだりの生憎の空模様だった。博多駅より地下鉄で6分のロケーションにある福岡空港は、日本で一番アクセスのよい空港じゃなかろうか。いつも感心しながら地下鉄に乗っている。これを思うと、静岡空港の地下に新幹線の駅を造れば、相当の利用者を見込めるのにと感じる。 さて、今日の午前中は福岡をベースに離島路線を往復するというスケジュールである。まずは五島福江空港。長崎の西にあるので、海路ではどれだけ時間を要するのか想像できないが、空路ではあっという間である。乗客は旅行者は少なく、地元の用務客然とした方が大半であった。 福江から戻る時に、福岡空港に強風が吹いているとかで一時離着陸が規制され、おかげで到着が20分ほど遅れた。すると、福江からの便がそのまま、私が次に乗る対馬行きになるため、自動的に出発が遅れた。スポットを離れる時刻も遅れていたが、滑走路手前で離着陸の飛行機にさんざん待たされて、離陸できたのは定刻から35分遅れだった。対馬往復の後の羽田への乗り継ぎがカツカツだった私は、昨日のことを思い出し、また焦り始めた。 |
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昼食とビールを求めてスーパーシートに |
とりあえず、対馬では空港ターミナルを背に笑顔でVサインをしているが、内心はヒヤヒヤものである。カウンターで対馬〜福岡〜羽田〜庄内の乗り継ぎ情報を入れてもらい、ついでに羽田行きをスーパーシートに代えてもらった。機内で昼食やアルコールを摂りたいという理由が半分、あとの半分は、「スーパーシートのお客だから対馬便が遅れてもちょっと待っててね」という希望を込めている。 福岡到着時には遅れが15分に縮まっており、他の搭乗客と一緒に羽田行きに乗ることができた。ようやく人心地がついた。ゆったりとしたスーパーシートに身をゆだね、昼食とビールに舌鼓を打った。 庄内行きまでは、比較的余裕のある1時間10分の待ち合わせ。庄内往復の後の鳥取行きが、またもカツカツの乗り継ぎ時間であるため、少しでも早く離陸してもらいたいところだが、タキシングにえらい時間がかかって遅れが出た。庄内到着は定刻15時55分のところが、福ちゃんのFMが始まって既に5分くらい経過するころになってしまった。 |
庄内空港では夕陽が差していた |
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例によって空港ターミナルをバックに記念撮影。九州では雨模様だったが、当地では夕陽が差していて、あらためて日本の広さを感じる。おもむろにカウンターに出向き、これもルーティン作業である、乗り継ぎ情報を入れてもらう。すると、「庄内空港を5分遅れて出発するため、羽田での乗り継ぎ時間が規定に満たなくなり、乗り継ぎの情報を入れられません」と、悲しくなるようなことを言われた。「鳥取行きは今日の最終便なので、それは困る。乗り継げなかったら、その時はしゃあないので情報だけは入れておいて欲しい」とまくしたてると、職員どのは渋々キーボードを叩いてくれた。 庄内からの便の羽田到着は、やはり15分ほど遅れて、羽田到着間際に「鳥取へお越しのお客様は、地上係員にお申し出ください」と言われた。鳥取へ行く客は私ひとりだったので、オープンスポットに到着した飛行機に横付けされたマイクロバスに、GHさんと2人で乗り込み、同じくオープンスポットに停まっている鳥取便にバスは横付けされた。改札機を通っていない航空券は、バスの中でGHさんが切り離し、半券を私にくれた。ちょっとした特別待遇だったので、「ありがとう、いい経験をさせてもらいました」と、私はGHさんにお礼を言った。 |
カツカツの乗り継ぎで鳥取空港に降り立つ |
日付が変わって南海難波駅に到着 |
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難波から伊丹へは25分の好アクセス |
鳥取便に搭乗する時は、他のお客さんと一緒にタラップを上ったので、遅れは出なかった。鳥取は雨模様で、再び西に来たという実感が湧いた。45分の滞在の後、羽田に戻り、今日最後の搭乗となる関空行きを待った。 関空行きは、その日羽田を出る最後の便にあたるので、当然飛行機を待つ人の数は少なくなる。昼間は混雑を極める羽田空港を考えると、異質の空間だった。羽田に着いたら夕食をと思っていたが、売店は閉まっており、鳥取で明日の朝食用にと買っておいたサンドイッチを、仕方なく頬張った。 関空到着は少し遅れて23時10分ころ。今夜は難波泊まりなので、南海の最終電車で向かう。難波到着は日付が変わった0時12分の到着。ホテルに着いてテレビをつけると、総選挙の開票番組をやっていた。 翌朝、6時半ころホテルを出て、6時45分の伊丹空港行きリムジンバスに乗車した。新大阪からでも20〜25分くらいかかるバスなので、難波からはどれだけ時間がかかるんだろうと身構えたが、25分くらいで空港に着き拍子抜けだった。おかげで高知行きの1本前の便に乗ることができた。 |
高知線に新規就航したDHC8-Q400 |
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『高知龍馬空港』に変更のため工事中 |
高松空港は土砂降りで屋根下で撮影 |
高知行きの7時40分の便は、エアーニッポンネットワークが今月から就航させたプロペラ機「DHC8-Q400」である。前回の修行の旅の時、北海道で搭乗したダッシュエイト(DHC8-Q300)に比べると全長が長くなっており、その分客席も多くなっている。伊丹〜高知くらいの近距離では、ジェット機との所要時間の差は小さく、余っているプロペラ発着枠を使って増便できるというメリットがある。そんな理由で新規就航したわけである。乗り心地もなかなか快適だった。 天候さえよければ、高知発の便をそのままにしておいて、滞在時間を増やそうと思っていたが、高知は生憎の雨だった。来た便で折り返すことに決め、カウンターで高知〜伊丹と伊丹〜羽田の便をそれぞれ1便前に変更してもらった。 伊丹で乗り継いだ羽田行きは747-400。74席から569席の飛行機に乗り継ぐと、さすがにギャップを感じる。おまけに、まわりは9割方ダークスーツのサラリーマンばかり。な〜んか旅の気分がそがれてしまった(もともと旅気分は薄いのだが…)。 羽田で1時間35分の時間を作ることが出来たので、蒲田のampmに行って、Edyをチャージすることにした。そのampmを探すのに苦労して、次の高松便の搭乗が危機一髪だったが、12搭乗分3000円をチャージした。この旅で合計1万円分をチャージしたわけで、2回の修行の旅のチケット代・約40万円の一部は回収できた。 |
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ついにPLTステータスを達成した宇部空港 |
高松を往復する頃には、精神的にも肉体的にもすっかり疲れ果てていて、何をするにもダサダサであった。例えば高松空港で、土砂降りの雨の中デジカメを置き去りにして、一時的に使用できなくしてしまったり、カードラウンジで水をこぼしたり、売店で割引券を渡したのを忘れてもう一枚出そうとしたり、自分でも「疲れてるな〜」と感じた。それでも、羽田に戻ってあらためてプラチナポイントを計算すると、次の宇部便でPLTステータス達成することが判り、再びやる気が湧いてきた。 さて、最後の戦いとなる山口宇部空港往復は時間との戦いでもある。というのも帰りの宇部〜羽田が遅れてしまうと、浜松行きの最終の新幹線にも乗り遅れてしまうからである。当然、折り返し便であるので、往路の遅れも許されない。「少しでも遅れるとマズイぞ」と何度も時計を睨みながら宇部に向かった。そして、定刻に宇部に到着して見事プラチナステータスを達成。右の画像ではわかりにくいと思うが、左手でVサインをしており喜びは隠せなかった。余談だが、待合室で食べたカレーうどんも美味かった。 さぁ目的を達成したからには、あとは今日中に浜松に戻るだけである。宇部からの戻り便は、羽田到着が5〜6分遅れたものの、ほぼ予定通り。京急のホームで、品川〜横浜間で10分ほど遅れが出ていると放送がありドキリとしたが、品川にはかえって早く到着した。 新幹線品川駅(上の画像)が開業して、浜松行きの最終の時間が繰り下がって便利になった。品川発22時07分。この改正がなければ、今回の旅はうまくいかなかった。ひかり293号は最高速度270`ですっ飛ばし、浜松到着は23時11分。これなら東京に通勤できるか〜? |
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※後日談;2回の修行の旅の結果、18000マイルほどたまった。11月14日まで、全日空ではマイル特典旅行2割引のキャンペーンを行っていたので、私は16000マイルで、来年4月の香港の航空券に引き換えた。香港に行く前に、今回行けなかった能登の国内線航空券を付けてもらい、帰りには羽田〜佐賀〜伊丹の航空券を付けてもらった。国内線を早割り・特割、国際線をGETで計算しても合計14万円以上の金額になる。つまりEdyのチャージを合わせて、旅費40万円のうち15万円は回収してしまったことになる。あとはアップグレード券をどう使うかによって、今回の修行の旅の収支決算が、黒字になるか赤字になるかが決まることになる。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
<おしまい> |