差 せ ぇ 〜 、 差 せ ぇ 〜 於 香港国際GTデー2014 |
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香港の競馬で最も大きなイベントといえば、12月の国際GTデー。2,400bの香港バースを皮切りに、1,200bの香港スプリント、平場のレースをひとつ挟んで、1,600bの香港マイル、メインレースの香港カップ(2,000b)と国際GTレースが4レースも組まれている。2011年の国際GTデーには一人で来たが、今回は会社の同僚であるナベさんと川村さんが一緒。一人の時よりも楽しめそうである。 香港のもう一つの競馬場「ハッピーバレー」近くのホテルから地下鉄を乗り継いで1時間。やっとのことで3年ぶりの沙田競馬場に到着した。入口で190香港ドルのツーリストバッジを購入し、入場者全員に配っているキャップを貰うところまでは3年前と一緒だった。しかし、3年前と違っていたのは競馬場が異様に混んでいること。人波をかき分けてようやく会員エリアにたどりついたが、そこにはもう座席は残っていなかった。同行のふたりには「190ドルをドブに捨てた」などと言われ、レース前から心が折れてしまった。座席が無いのはどうしようもないので、仕方なくゴール前で立ち見(疲れてきたら地べたに座る)をすることにした。 |
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ゴール前の会員席でほとんど立見の筆者 |
GT一発目の香港バース。一周目のゴール板 |
気を取り直して最初のレースの馬券を買う。3年も経っているとマークシートの塗り方も覚えておらず、適当に塗ったら窓口のお姉さんが自分で塗りなおしてくれた。会員エリアの窓口は優しい。まずは第4レース、国際GTレースの一本目である「香港バース」から観戦する。馬券は、このレースで唯一の日本馬「カレンミロティック」の単勝と複勝を50HKDずつ買ってみた。重賞勝ちは昨年の金鯱賞のみ。今年の宝塚記念2着以来の休み明けということで人気は無かったが、レースぶりは見どころがあった。二番手で最終コーナーを回ると、直線の半ば過ぎまで先頭争いをした。応援もむなしく後続馬にかわされ、勝ち馬とは0.5秒差の5着だった。まぁ惜しくても負けは負け。後になってみれば、この100HKDの負けが重くのしかかることになった
。 続く第5レースは「香港スプリント」。このレースには日本から3頭が出走。なかでも10月のスプリンターズステークスを勝った「スノードラゴン」が日本馬の大将格。されど短距離は地元香港馬のレベルが高いことは重々承知しているので、「スノードラゴン」の複勝に50HKDを投資し、押さえとして近走の成績が良い地元馬の「ペニアフォビア」の単複を各20HKDを買った。レースの方は先行馬が粘る展開となり、最後方を進んだスノードラゴンは、直線で伸びるも8着が精一杯。ペニアフォビアも最後まで勝ち馬を抜けず結局2着で複勝だけ的中。3着には日本馬「ストレイトガール」が入って、複勝を買うならこっちだったと反省。もう1頭の日本馬「リトルゲルダ」は最下位に沈んだ。 国際レースは4レースだが、続けてやるのではなく第6レースは平場のレース。ナベさは「香港のレース編成はうまい」と唸っていた。確かにこれなら間に挟んだ平場のレースの売り上げが上がる。かといってGTと平場のレースを交互にやられると興奮が冷めてしまうが・・・。というわけで1,200bの平場のレースも買う。平場なので見料だけ払えばいいと思い、香港の名手ホワイト騎手が乗る「キーウィットネス」の複勝を20HKD購入。香港で「ウィットネス」の名前を見ると、サイレントウィットネスを連想させる。はじめて香港競馬に来た時に、国内GTながらサイレントウィットネスが快勝し、競馬場全体が湧きかえったのを昨日のように覚えている。さてレースの方は、ホワイトが2番人気のキーウィットネスをちゃんと2着に持ってきて27HKDとなり、少額ながら今日初めてプラス配当の馬券となった。 さぁ残りの国際競走は2つだけ。まずは香港マイルである。このレースには日本から4頭が出走する。先月のマイルチャンピオンシップで僅差の2着だった「フィエロ」が3番人気、ダービー1番人気で今春のマイラーズカップでレコード勝ちした「ワールドエース」が5番人気とそこそこ人気になっている。一方で、GTを2つ勝ち今年の安田記念でも2着の「グランプリボス」は人気薄で単勝71倍、今春オーストラリアでG1制覇した「ハナズゴール」に至っては、前走の香港でのステップレースで大敗し最低人気だった。とりあえず先ほどのストレイトガール抜けを教訓に、日本馬の複勝はすべて押さえることにし、その中でも条件が良さそうな「ワールドエース」は単複に50HKDずつ突っ込むことにした。レースの方は断然人気の地元馬「エイブルフレンド」が2着に4馬身半差を付ける圧勝劇。その中でグランプリボスが3着を確保し、複勝8.6倍を的中させた。 そして太陽が西に傾きかけた16時半にメインレースである香港カップが発走。私はこのレースに唯一日本から参戦している「アルキメデス」に複勝50HKD、1番人気の地元馬「デザインズオンローマ」の単勝100HKDを持って観戦した。実はデザインズオンローマに単複50HKDずつ購入するつもりが、例によって窓口のお姉さんにマークシートを塗り直され、単勝50HKDの馬券2枚になってしまったのだ。 1周目のゴール前、次々と出走馬が目の前を駆け抜け、向こう正面へ。本命のデザインズオンローマは最後方。大回りの第3コーナーから最終コーナーにかけても、まだ最後方。最後の直線で今まで溜めていた末脚を爆発。先頭を走るミリタリーアタックに襲いかかった。そこで思わず「差せぇ〜、差せぇ〜」と叫んでしまった。「差せ」を5?6回叫んだところがゴール。ゴール前では「差したぁ〜、やったぁ〜」に変わった。その時には興奮して周りを見る余裕が無かったが、隣にいた川村さんによると、前にいた欧米人の馬主関係者らしきスーツ姿の数人が、何事かと思って私の方を振り返っていたらしい。まぁとにかく最後のレースで馬券が取れると、いくら負けていても意気揚々と帰れるものである。トータルでは97HKDのマイナス。結果的には最初のレースの負け分が取り返せなかったのだが。。。 |
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香港スプリントではLストレイトガールが3着 |
香港マイルで引退のCグランプリボスが3着 |
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メインレースの香港カップはスタンド前の発走 |
香港カップの1周目。1周後には歓喜の瞬間が |
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<終> |