雨のグランドツーリング |
2日めの朝、宿泊地鬼ヶ城の景観 |
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去年もそうだったが、今年も5月に長距離ドライブをすることにした。冬場は積雪が怖くて遠い場所に行けず、夏場は夏場でエアコンフル稼働のためクルマに負担がかかるので、やっぱりグランドツーリングなら5月が最適なのかもしれない。というわけで2023年5月14日、あいにくの雨ではあるが紀伊半島一周のドライブを開始した。 若い頃、セリカ2000GTというクルマに乗っていたことがあるが、このGTがグランドツーリング(イタリア語ではグランツーリスモ)の略である。まぁ高速で長距離走っても疲れないほど性能に余裕があるということなんだろう。時代は下って、660ccの自然吸気エンジンを搭載した軽自動車でも性能が良くなり、それなりに長距離ドライブに対応できるようになってきた。今回は高速道路を中心にだいたい800キロほど走ることになると思うが、それほど心配はしていなかった。それよりも昨日から降り続く雨の影響が気になった。 | ||
グランドツーリング一日め。浜松浜北ICから紀伊半島を半周し熊野市のホテルへ |
今回の行程は以下のとおり。浜松から新東名~伊勢湾岸~東名阪~名阪国道というお馴染のルートで奈良県へ。そこから未知の道である京奈和道で和歌山に出て、阪和道~紀勢道を南下し、周参見から国道42号へ。本州最南端の串本を経て那智勝浦、新宮を通り、宿泊地である熊野市の「ホテルなみ」までが一日め。二日めは紀勢道を北上し、勢和多気JCTで伊勢道に入り鳥羽へ。伊勢湾フェリーに乗船して、伊良湖から国道42号、国道1号を経て浜松に戻ってくるという行程である。実はCB125Tを購入した頃、Route42 Perfect Touringというお題目で同じようなツーリングをしたことがある。もっとも当時は125ccのバイクで行ったものだから下道限定。今回は紀伊半島の先端部を除いてほとんど自動車専用道を走るので、疲労度からいえば比べるべくもない。ただし23年の歳月を経ているので体力的な不安は否めないが…。 新東名の浜松浜北インター北側で導入部分の動画を撮影し、新東名に入る。今回の動画撮影は、全米トップ40各年度の5月のチャートを集めて車内で流し、それに合わせて歌ったり、蘊蓄をたれたり、思い出話を語ったりという企画である。YouTubeに今までアップしていない道路は基本的に全線撮影する予定なので、ほとんどカメラを回しっぱなしとなる。そのためスタート直後は元気にコメントしていたが、国道42号の新宮を過ぎたあたりでは聞くに堪えない独り言を垂れ流すだけになってしまった。まぁおいおい素材はアップする予定なので、興味があればどうぞ。 最初の休憩は岡崎SA。次の休憩地を名阪上野ドライブインに決めて早々に出発。雨降りなので御在所SA付近の行楽渋滞もなく、スムーズに名阪国道へと進んだ。そして伊賀市の大内インターで下りて名阪上野ドライブインに行ってみると・・・跡形もなかった。グーグル先生によると2022年3月で廃業したとのこと。結局そのまま名阪国道に逆戻り。奈良県に入った直後の道の駅「針TRS」で2回目の休憩をとった。 名阪国道名物のΩカーブを下り、天理インターから西名阪、すぐに郡山下ツ道JCTで京奈和道に入る。動画撮影はおろか通ったこともない未知の道に心が躍る。とはいえ京奈和道は橿原市内で未開通区間があり、ほんのわずかだが国道24号の現道を走った。橿原高田インターから再び自動車専用道路へ。山あいの五條を通り、和歌山県に入った橋本を経て一路西へ。和歌山JCTから阪和道に入り、対面通行から解放された。 阪和道の吉備湯浅PAで休憩をとり、紀伊半島の最深部へ向かう。南に行くにつれて雨がひどくなり、トンネルに入った方が安全に走れる状態だった。なるべく前を走るクルマに付いていくいく感じで危険を回避。そうこうするうちに自動車道の終点であるすさみ南インターに到着した。 ここからは国道42号を走る。本州最南端の潮岬には目もくれず、その先の道の駅くしもと橋杭岩で休憩。ここから宿泊先の鬼ヶ城まで2時間ほど。ようやく終わりが見えてきた。最後の力を振り絞って国道42号に戻る。那智勝浦町の紀勢線の駅、紀伊浦神の先で再び南紀道に入る。那智勝浦新宮道路という名前の無料開放道路で、新宮までは海岸線のカーブに気を遣うことなく直行できる。新宮市内で給油し、新熊野大橋を渡って三重県へ。七里御浜沿いの国道42号は時折信号に掛かるものの直線平坦で運転が楽だった。16時を回り雨模様のため薄暗くなった海岸線を走り熊野市へ。鬼ヶ城を右手に見てトンネルに入り、そこを抜けると右手にホテルが見える。それが今夜の宿泊先のホテルなみである。 1泊2食付きで全国旅行支援の割引を利用して5,810円。それもオーシャンビューの部屋。夕食後も波の音を聞きながら自室で大いに水割りを飲んだことである。で、翌日は6時半に朝食をとり、7時半前に出発。ホテルと目と鼻の先に南紀道(熊野尾鷲道路)の熊野大泊インターがあり、名古屋方面からのクルマでのアクセスは抜群である。この区間はトンネルに次ぐトンネルで、一直線に尾鷲に向かう。尾鷲でまたも大雨に見舞われたが、北に向かうにつれて天気は回復。奥伊勢PAで東名阪の集中工事渋滞の具合を知り、名古屋回りを諦めて、当初の予定通り伊勢湾フェリーを利用することに決定。そうと決まれば一路鳥羽へ。勢和多気JCTから伊勢道、伊勢インターから伊勢二見鳥羽ラインを走り、9時ごろ鳥羽港に到着。9時30分発の伊良湖行きフェリーに乗船した。 伊良湖港到着は10時30分。ここからは勝手知ったる道である国道42号。浜松が近づくにつれて青空の部分が広がり、道路沿いの畑や田んぼの緑が眩しかった。愛知県から静岡県に入り、白須賀で国道1号潮見バイパスに合流。道の駅潮見坂でようやくカメラのスイッチを止めた。ほとんど観光することなく運転するだけの旅が終わった。まぁ50代後半になっても、こんなグランドツーリングができることが証明できて、ちょっと誇らしい気分になった。 |
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グランドツーリング二日め。熊野から紀勢道・伊勢道を走り伊勢湾フェリーに乗船 |
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伊勢湾フェリーの発着岸を中心に、上下姉妹船のすれ違いも収録 |
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<終> |