獅子の会行政視察
(平成17年7月6日〜8日)


平成17年7月6日から7月8日までの3日間、
獅子の会河田議員、小野議員、そして私永沼の3名で
岩手県矢巾町岩手県江差市、そして岩手県北上市
視察にいってきました。

岩手県矢巾町には、健康づくり事業「矢巾町ヘルスアップ事業」を、
岩手県江差市では、市町村合併の問題と中心市街地再開発、大規模観光施設建設の経緯と経済波及効果について、
岩手県北上市では、やはり市町村合併の問題と市民との協働事業について、それぞれ視察研修してまいりました。

昨年は、新潟方面に出張したところ、帰ってきたら大地震。
そして今回も帰ってきたら規模は小さかったですが、やはり地震。偶然とはいえ続いたですね。
さて、来年は・・・(などと言ってると受け入れ先に断られてしまったりして)


7月6日(1日目)

雨の羽生駅を
出発する
大宮駅新幹線ホーム
喫煙場所はこんな感じ
会派の視察で
列車利用は初

ホームに入る「こまち」号盛岡に到着
ここで列車の切り離し
壬生義士伝の町
盛岡とある

レンタカーで
盛岡手づくり村へ
巨大な南部鉄瓶が
展示されていた
小さな町工場が
たくさん入っている

ここは南部煎餅
製造・販売している
ここは焼物と
藍染工房・販売も
予約すると様々な
体験ができる

ここは南部鉄瓶の
工房です
実際にこうして
鉄瓶を作っている
伝統的な民家を
移築・保存している

なんと町役場ですが
すごく立派
羽生市役所より
間違いなく大きい
1階ロビーの
喫煙スペース

町議会議事堂保健福祉交流センター
(さわやかハウス)
入口には南部風鈴
とても涼しげ

まずは名刺交換パワーポイントで
事業内容を説明
説明は担当課長氏
担当係長女史

手づくりの
説明用ソフト
質疑応答
参考になった

感想等

矢巾町は、岩手県の県庁所在地である盛岡市の南に隣接する人口27,127人の田園の町です。(なお、人口は増加傾向にあるとのこと。)
平成14年度から実施している健康づくり事業「矢巾町ヘルスアップ事業(国保ヘルスアップモデル事業)」の内容を視察・研究してまいりました。
平成14年度から平成16年度の3年間、国の補助事業として実施された各種検診や検診後の事後指導等、保険推進員や食生活改善推進員を活用し、健康教育・健康相談・栄養講習を行い、生活習慣が変わることで、生活習慣病(高血圧・高脂血症・糖尿病)の予防に効果があったとのこと。

以下概要を説明いたします。

◇   ◇   ◇

平成12年度の矢巾町の国保医療費は一般被保険者1人当たり194,838円(全国平均162,890円)、老人被保険者1人当たり705,450円(全国平均670,210円)と全国平均を上回っていました。
特に医療状況において「循環器系疾患」が第一位を占めており、この病気にかかった場合、老人医療及び介護保険まで移行するところから、脳血管疾患の予防が大切であり、危険因子である高血圧・高脂血症・糖尿病の予防を図ることで医療費の節減と町民の健康長寿を目標にしています。

◇   ◇   ◇

「単独(個人)で取組む無理にやる健康づくり」は続かない。みんなで楽しく無理のない健康づくりの推進−を掲げ保健師さん4人で、全くノウハウもない中、事業をスタート。
当初はなかなか大変だったようですが、3年間にわたる事業の結果は、そのデータで証明されています。

定期的に講習や検査を行い、個々の状態に応じて生活上の目標を定め、健康づくりを行うのですが、適切な助言(指導・支援レター)などで「やーめた」という状態にしないよう、上手にカリキュラムを組み、町民のみなさんのモチベーションを引出しています。

この辺が成功の鍵といったところでしょうか。もちろん、担当者の方々の努力もありますが。
検査、食事の調査、体力測定、初回〜定期指導(どれくらいの塩分を1日にとっているか、血圧はどの範囲であるか、バイキング形式の栄養教室など)、ウォーキング教室など結果に基づいた参加者本人が掲げた目標を達成できるよう、サポートする事業が「矢巾町ヘルスアップ事業」なのです。

◇   ◇   ◇

直接、参加されている町民の方々のお話は聞けませんでしたが、パンフレットやプロジェクターにより見せていただいた多くの写真など非常に明るく楽しげな様子をうかがうことができました。
お忙しいなか、丁寧に対応していただきました生きがい推進課長村松さま、健康推進室健康支援係長高橋さま、議会事務局のみなさま、ありがとうございました。

◇   ◇   ◇

いただいたパンフレットから、ここに一部転載します。該当する方は、どうでしょうか、単独でも1〜2年、継続してみたらいかがでしょう。


血圧の高かったAさんの場合

○味噌汁を1日3杯飲んでいた→1日2杯に
○毎日食べていた漬物→週1回に
○野菜は食べたり食べなかったり→毎日食べるようになりました

血圧は・・・164/102mmHg → (一年後)→126/84mmHg


血圧の高かったBさんの場合(食べる量を減らすのは嫌だし歩くしかないなぁ)

○1日の歩数→5000歩に増やしました
○体重71kgから68kgへ
血圧は・・・170/84mmHg → (一年後)→124/68mmHg


コレステロールが高かったCさんの場合

○卵は1週間に7個食べていました→1週間に3個までにしました
○普通牛乳を飲んでいました→低脂肪乳に変えました
○パンにバターを塗る→マーガリンに変えました
コレステロール233mg/dl→(一年後)→197mg/dl


コレステロールが高かったDさんの場合(減量をあきらめていた)

○1日の歩数→8000歩に増やしました
○体重計に載るのは嫌いでした→毎日体重計に載るようにしました
コレステロール277mg/dl→(一年後)→207mg/dl


血糖値が高かったEさんの場合(糖尿病にはなりたくない)

○毎日食べる野菜の量が少なめだった→野菜を多めに
○運動習慣はなかった→ダンベル体操を10分間するようになりました
血糖値は103mg/dl→(半年後)→88mg/dl


血糖値が高かったFさんの場合(そんなに食べていないのになぜ太るの)

○1日の歩数→なんと倍の12000歩に増えました
○コーヒーには砂糖とミルクをたっぷり入れて毎日飲んでいました
→コーヒーには低脂肪乳のみを入れて週1回に
血糖値は135mg/dl→(半年後)→109mg/dl


やはり、継続は力といったところでしょうか。行政が住民の健康を守る直接的な事業。
病気にかからないことが(健康でいることが)住民にとっても、行政にとっても、大変喜ばしいことに論を待ちません。

羽生でもやりましょう!って提案しても(国庫補助100%とかでもないと)なぁ・・・どうなんでしょう。


◇   ◇   ◇

さて、第一の目的地である矢巾町を訪問する前に、盛岡市にある「盛岡手づくり村」を見学しました。

広い敷地内に多くの工房があり、実際に製品を製造販売しています。
大きな工場団地もいいでしょうが、小さな町工場の集合体ともいうべき施設。
焼物・藍染・お菓子・玩具・家具・冷麺など地域に根ざした産業を守り育て、しかも全国に販売・PRする姿勢に大変感銘をうけました。
市町村での設置運営が難しいのであれば、こうした事業に全県的な取り組みが必要でしょう。

◇   ◇   ◇

しかし・・・天候が悪いのはしかたないのですけど、とにかく降り始めるとすごい雨量です。
梅雨どきで日程組まざるを得なかったのです。(みんなのスケジュールを合わせる必要があった。)ちょっと残念。



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