獅子の会会派研修2日目(平成16年10月14日)



午前8時宿を出る今日の天気は
どうだろうか
出航の時間まで
市場を見学

う〜ん、帰りに寄るか乗船したフェリー
えっさ号
越後の越と佐渡の佐で
「えっさ」だそうな

寺泊港を後に
佐渡島を目指す
佐渡島が近づく
島の上だけ雲が
2時間の航海
いよいよ上陸です

新穂で昼食の後
トキ保護センターへ
トキに関する
多くの展示が
トキを保護している
大きな檻がいくつも

遠くに見える
トキの群れ
こっちは子供の
トキの檻です
なんと
ここまでですか

事務局へ電話確認し
新穂→佐和田へ移動
途中で二重の虹を発見佐和田支所に到着
するとなんと
新穂に戻れと(゜o゜)

新穂に戻る
1時間も遅れてしまった
支所長の末武さまに
細かく説明をいただいた
予定時間をオーバー
この後激しい雷雨に会う

変わりやすい天候
運転も楽じゃない?

感想等

佐渡市は、両津市・相川町・佐和田町・金井町・新穂村・畑野町・真野町・小木町・羽茂町・赤泊村の佐渡島1市7町2村の合併により、04年3月1日に誕生したばかり。人口は約7万人。
今回は、不耕起栽培の田んぼの現状と可能性を調べるため、佐渡市を視察先として選びました。
合併後まだ間もないといことで混乱しているのか、現地(新穂支所で対応と考え新穂で食事をし、トキ保護センターを視察した)で念のため確認の電話を議会事務局(佐和田)にしたところ佐和田支所を指示された。ところが佐和田支所まで車を飛ばすと「不耕起栽培は新穂です。」。(°Д°)ハァ?
合理的な行政システムの構築までの過渡期なのでしょうか、各旧役場へ諸機能を分散配置しているのでしょう。あまり横の連絡とかうまくいってなさそうな印象をもちました。

◇   ◇   ◇

新穂支所長の末武さんは、実は羽生に友人がいて何度か羽生に来ているとのことでした。
まず、ビデオ(NPO法人めだかの学校)を見せられました。以前、リンク先にあるNHKの番組で紹介された内容に似ています。

不耕起栽培を簡単に説明すると、田んぼを「全く耕さない」農法のことで、ある程度成長した苗を直接硬い田んぼに植え、イジメル(硬い土)ことによって、稲の持つ本来的な性質を活性化し、手をかけないで育成し収穫します。
田に水を張り続けることで、雑草の繁茂を押さえ、土本来の持つ能力を活性化し、肥料や農薬を使わずに稲を育てる。結果として、安全・安心な米となる、また、生態系が田に復活し、様々な生き物が育ち、子供たちが遊び学ぶ場にもなる。佐渡の場合だと「トキの放鳥に向けた餌場確保の取り組み」が目標の一つとなっていて、全国的にも注目されているところなのです。

◇   ◇   ◇

以下資料抜粋

佐渡における不耕起栽培を中心とした環境保全型農業技術

  1. 冬季灌水
  2. 不耕起栽培移植
  3. 米ぬか・くず大豆除草法

1 冬季灌水
稲刈り後に米ぬか(ペレット形成したもの)等を散布して春まで水を張り続ける。
(1)春草の発生予防(水や米ぬかの抑草効果)
(2)米ぬかがイトミミズの発生を促し、イトミミズが田んぼの土を盛り上げることにより、雑草の種子を下に沈め発芽できなくなる(トロトロ層の形成)
(3)投入された米ぬかは田植えまでに分解され基肥になる。
(4)水鳥が頻繁に出入する田んぼでは、糞がリン酸分の肥料になる。

2 不耕起栽培移植
田を耕さずに、成苗を前年の切り株の間に専用田植え機で移植して栽培する。
(1)硬い土に植えられることにより稲が野生化し、根の張りがよくなる。
(2)稲わらの水中分解により繊維状の藻類(サヤミドロ)が大量発生し、それと共に豊かな生物層が田んぼの中に現れる(酸素の供給、隠れ家の提供)。

3 米ぬか、くず大豆抑草法
除草剤の代わりに米ぬか・くず大豆の分解物である有機酸・サポニンが雑草の種子の発芽に障害を起こし抑草する。
(1)田植え後すぐに米ぬか・くず大豆を施用し、発芽したばかりの雑草の種子の生育を阻害する(タイミングが遅れると雑草の肥料にしかならない)。
(2)湿性のヒエは8cm以上・30日の深水管理で、水生のコナギは、米ぬか・くず大豆で抑草する。
(3)施用された米ぬか・くず大豆は分解されて肥料になる。
(米ぬかN成分:重量の2%、くず大豆N成分:重量の6%)

4 不耕起栽培のメリット・デメリット
(1)メリット
 ア 環境面

  • 代掻き水が出ないので、水質汚濁を軽減できる(琵琶湖で注目)。
  • 稲わらをすき込まないので、メタンガスの発生が少ない。
  • 耕起・代掻きによる土壌生物の生存環境の破壊がない。
イ 作業面
  • 耕起・代掻きが省かれるため、春作業で時間的な余裕ができる。
  • 土壌が硬く締まるので、軟質田対策となる。
  • 代掻きをしないので透水性がよくなる。
  • 稲わら等の有機物をすき込まないので、根腐れがおこらない。
(2)デメリット
  • 成苗・疎植のため、専用の播種機(条播)と田植機が必要であり、初期投資が大きい。
  • 成苗を使用するため、育苗に手間がかかる。
  • 田植機の植付け精度が悪い(雑草が多すぎたり、株上に植付けた場合)。
  • 水保ちが悪くなる。
  • 施肥が、表面散布になるため施肥効率が悪い。

◇   ◇   ◇

マスコミ等の報道によれば、いいことずくめで、自分もこの農法が羽生市全域で行われたら、生態系が復活し、子供たちも安心して遊べ、安全な米として羽生産米の差別化も図れ、これは是非導入を検討すべきではと思ったのですが、実際に担当されている方に聞いたところ、なかなか現実は厳しいようなのです。

本当の問題点とかは現地にいかないと分からないですね。以下はマイナス面の指摘です。
まず、モデル農家の方には、農作業で忙しいところに、話を聞きたい、これこれこうゆうイベントに出てくれetc、本業以外にかなりの負担が掛かる。
NPO法人同士が、これが仲が悪かったりする。
雑草がやはり相当生えてくるので、手作業による除草が大変である。
収穫量は、いままでの20%程度の減となる。さらに、食味はやはり劣る。
減収分+アルファに該当する金額を助成するなどないとこれ以上の不耕起水田の増加は見込めないのではないか。
マスコミは、いい面だけを報道するが現実はそうではない。などの話がでました。

◇   ◇   ◇

天候が安定せず雷雨にあったりしましたが、無事に研修も終わりましたので、翌日は佐渡市内の「佐渡金山」「佐渡博物館」などを見学し、帰路につきました。
さて、経費削減ということで旧型プリウスによる走行結果ですが、3日間で740kmを走破。燃費は17.2km/リットル。もう少し走るかと思ったけれど、大人3人+荷物ですから、まぁまぁの値でしょうか。ということで、今回の視察報告といたします。


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