獅子の会会派視察研修
「農村都市共生事業」(平成16年10月13日)
「環境水田の取組みについて」(平成16年10月14日)


会派研修として新潟県小千谷市と佐渡市へ
河田議員、小野議員、そして私、永沼の3名でいってきました。
今年度は、議会費の削減により委員会視察のための旅費がなくなり、
公務出張が一時中断となりました。
委員会視察の凍結は、以下の理由で私は反対です。

  1. 先進行政事例を視察することは、羽生市の行政の発展に必要である
    (道路事業評価システムの早期導入など正に格好の事例である)
  2. 委員会視察は法律上の「公の職務」であるため、視察先から詳細な資料提出や説明が会派研修に比べ得やすい。
  3. 「観光」批判を受けないよう視察研修後、レポートの提出を義務付ける。
2については、今回、特に感じました(某所では、たらいまわしにされたし。)。

まぁ、愚痴っぽい話はこれくらいとして、
以下、今回の視察研修をまとめました。
(2日目は、ページ下の「次のページ」を クリックしてください。)



平成16年10月23日に発生した「新潟県中越地震」による被害についてお見舞い申し上げます。
一日も早い復興をお祈りいたします。


経費節約のため
プリウスで出発
約3時間半で到着
ここは錦鯉の里
錦鯉のオーナー制度
有名女優名も

詳しい説明を
いただきました
錦鯉のルーツは
小千谷だそうです
江戸時代には
鮮やかな鯉はいなかった

時代劇の考証には
問題があるとのこと
一番奥に巨大水槽が錦鯉がたくさん
すごい迫力

自然の池でのは
寿命70年以上だが
人工環境では
25年くらいだそうな
周辺は日本式の
庭園となっている

こちらの池にも
多くの錦鯉が
なんでも一匹50万〜で
取引されるらしい
雨の中記念撮影

庭園内には滝も
よく手入れされてる
「錦鯉」誇らしい
地元の銘産です
お昼は「へぎそば」
独特の歯ごたえ

食後は隣接する
総合産業会館を見学
地元産品の展示販売
三洋の工場も
世界一の花火
800mも打上げる

すぐ前の川は
大雨で増水中
団体客向けに
施設整備してます
午後1時30分小千谷市役所

1階ロビーは
羽生と変わりません
会議室には
すでに資料が
吉原議長に
ご挨拶を頂きました

和やかな雰囲気で
研修がはじまる
河田会長も答礼実に熱心に
説明していただいた

小千谷市役所のみなさん
ありがとう
小千谷市役所から
三条市の五十嵐川へ
自家用車だと
機動力がありますね

車を停めてから
結構歩くが
なんの変哲もない
普通の川原だが
あそこか、決壊場所は

土嚢がつんであるこっちは川の側
消波ブロック
カーブになっている
内側が決壊した

こっちの方向に
濁流が流れた
川側、鉄板で土留め

感想等

1日目は、米どころとして知られる「小千谷市」を訪問しました。
小千谷市の人口は、41,380人(減少傾向にある)。羽生市同じく市制施行50周年を迎えました。
豪雪地帯で、冬には2m以上雪が積もるとのこと。
有名な物産として、「小千谷縮布」「へぎそば(縮布に使う海藻を原料とした糊をつなぎに使う)」「錦鯉(発祥の地だそうです)」など。観光としては、花火大会、闘牛などがあります。羽生と同じように熱気球の大会もあるようです。

市町村合併は、1市1町で進んでいたところが羽生と同じように「破綻」。しかしここにきて、なんとか合併しようじゃないかという市民運動が生じてきているとの話でした。

小千谷市では農村都市共生事業」「米作りの工夫と出荷状況」について調査を行いました。

◇   ◇   ◇

農村都市共生事業について

はじめに〜当計画の主旨と位置付け

1 都市と対流・共生の推進
  • 都市との間で「人・モノ・情報」がお互いに対流する農村都市共生地域づくりに取り組み、小千谷市農業や集落の活性化を図る。
  • 農業・農村体験や自然体験をテーマに地域の資源を活用して小千谷の特徴を生かしたプログラムの開発、都市住民の受け入れ、対流・共生を推進する体制整備、情報の受発信システムの構築などを行う。

  1. クラインガルデン(簡易宿泊施設付きの滞在型市民農園整備)
    30区画、1区画300uに滞在型の市民農園でラウベ(延床面積約40u)という宿泊可能な簡易施設が各区画に付きます。
  2. 日帰り型市民農園整備
    1区画50u255区画の農園を整備。付帯施設として管理棟、堆肥堆積所、駐車場、集落農園道、調整池、用水池、緑地帯整備
  3. 農業体験農園整備
  4. オーナー農園等整備
  5. 情報の受発信システムの構築
  6. グリーンツーリズムの推進
  7. 農村交流公園整備(山本山の牧場付近)

2 地域複合アグリビジネスの構築
  • 農林水産業(1次産業)をベースに農産品加工(2次産業)と農産物直売やレストラン(3次産業)を地域を舞台に総合的に展開します。
  • 「安全安心な食」で消費者と直接結びつき、商工・観光とも関連付ける地域複合アグリビジネスを構築します。
  • 様々な団体と協働し、農業生産振興を図り成果を共有する仕組み作りを推進します。企業的な農業経営体質の育成、新たな雇用の創出、女性や高齢者の方々の社会参加、生きがいの創出を目指します。

  1. 施設園芸の産地化
  2. 企業的農業経営体の育成
  3. 既存育苗施設の周年有効活用
  4. 食による地域おこし活動
  5. 直売所ネットワーク整備
  6. 農産物加工施設整備

3 農村生活環境整備
<省略します>

◇   ◇   ◇

羽生市にも同じような構想がありました(田園リゾート構想とかだったか)。そもそも「キヤッセ羽生」も国からの補助金が付いたから作られましたが、やはり農政全般に言えるけど、国の方針に従い展開される事業は、全国どこでも同じようになってしまうのですね。

いただいた資料の内容は、羽生市の農政の資料とあまり変わらない。ですが、羽生市と小千谷市は、自然環境・歴史・地勢・産業などなど、全く違うといっていいでしょう。
特に「農業」について、羽生市では「農業では食っていけない」から兼業農家がほとんどであり、東京から近いですけど、豊かな自然環境を求めて都市住民が流入する(夏、日本国内で最も寝苦しい地域となった羽生に「クラインガルデン」作るって計画もあったんですよ。)、ってことはあまり考えられない。

一方、小千谷市なら、羽生市に無い豊かな自然や(夏限定になりますが)暮らしやすい気候があるから、こうした計画が進められるのでしょう。

質疑の際、ケチをつけるようなこと言ってしまいましたが、期間限定の使用権(有料)を与えるなら別荘代わりに借りる都市住民は必ずいますけど、不動産分譲の形式は、自分は売れない、と思います。群馬県や栃木県に温泉付き分譲住宅(これは新幹線通勤を前提としている)が、物件としてかなり市場に出ているからです。定住というか、住民税や固定資産税など負担してまで都会の人が農村住民になりたがるのかどうか。
はっきり言って全部の区画をレンタルにした方がいいと思います。それなら、自分だって安かったら借りたいしね。(温泉が湧いてたりしてたら特に!(笑))

◇   ◇   ◇

米作りの工夫と出荷状況について

1 小千谷市の農業の現状と出荷状況

  1. 耕地面積 3,061ha
  2. 水田面積 2,624ha
    (水稲作付面積:2089ha)
  3. JA越後おぢやへの売渡委託数量 131,931俵
  4. コシヒカリ作付割合 98%
  5. 農家戸数、65歳以上農家人口

    (表1) 農家戸数の推移
    戸/年1985199019952000
    専業128138107132
    第1種兼業611323302289
    第2種兼業2,7882,8102,0061,771
    自給的農家553547
    合計3,5273,2712,9682,739

    (表2) 
    農業人口(人)65歳以上の割合(%)
    198517,10617.5
    199015,70320.0
    199513,92923.7
    200012,60127.1

  6. 農業経営規模

(表3) 一戸あたり経営耕地面積
経営耕地面積(ha)農家数(戸)一戸当たり経営面積
1985333,6043,5270.95
1990310,3543,2710.95
1995296,0352,9681.00
2000282,3122,7391.03

2 米作りの工夫(資料提供:JA越後おぢや)

  1. 目標品質
    ・整粒歩合 85%以上
    ・1等米比率 100%
    ・玄米タンパク質含有 6%
    ※県内トップクラスの内容

  2. 具体的取組
    ・適期施肥・・・管理の指導を行うため、農業気象・生産技術情報システムを導入し、田植日から出穂日を予想したなかで適正管理指導を徹底している。
    ・魚沼地区のコシヒカリ栽培に適した肥料「魚沼ロマン」シリーズを魚沼米産地JA/全農で共同開発し、使用を進めている。
    ・その他の営農指導
    @稲わらの秋すきこみ A適期播種、田植 B適期中干し Cカメムシ防除による斑点米の防止 D早期落水の防止 E適期収穫(積算温度1000℃) F適切な乾燥調整

一俵あたりの価格は、豊作で下がっている今年でさえ27,000円(不作の年には4万円以上だったとのこと)で、羽生産米の2倍以上です。つまり、もし同じ面積で同じ収穫量だった場合、小千谷市の農家は羽生市の農家の2倍以上の収入がある、ということですね。
専業農家が多い(増えている)のもうなずけます。それと強調されていたのは「兼業農家も地域コミュニティのため必要だから減らさない」ということ。国の方針にははずれますが。
米作は機械化が進んでいて、ある面労力のかからない楽な(他の作物等に比較して)農業であり、単価も高いブランド米であるところから、兼業でも羽生に比べて有利な営農ができる。
さらに、埼玉と比べて偉い政治家もいたからか、たい肥センターとか国の補助で立派なものが建てられ、JAに委託し稼動、家畜の糞の処理も適切に行われている。
いまJAホクサイでは「彩のかがやき」の生産に力を入れ、「ブランド力」を高める努力を行っています。やはり「うまい米」を作ることが基本中の基本なのでしょう。

人口は羽生の方が多いですが、小千谷市には歴史に裏打ちされた特色ある産品など多く、大変うらやましく思いました。

議会事務局の方には、午前中から錦鯉の里をご案内いただきありがとうございました。また、市議会議長様、各担当部局のみなさまにはお忙しいところ暖かいご対応をいただき、この場をお借りしまして感謝申し上げます。

◇   ◇   ◇

小千谷市役所を後に集中豪雨で堤防が決壊した三条市に向かいました。
利根川を背にしている羽生市にとって、堤防の決壊はひとごとではありません。決壊場所近辺では、いまも家屋の修繕や新築などの作業が行われていました。
何の変哲もない河川ですが、TV等でみるにつけ、あのように荒れ狂い大きな災害をもたらす。決壊場所は写真のように補修されましたが、全体的に堤防は低くあまり強固には見えません。
これら堤防の整備については、市町村での対応には限界があります。これこそ国がやるべき事業でありましょう。地球温暖化も原因のひとつなのでしょうか、台風の上陸数も増えていますし、安全安心に住めるよう、水防の必要性はますます高まりつつあるのではないでしょうか。


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