展示11 〜 追い続けて8ヶ月。信じるものは救われる。 〜


日時1998年 06月07日 東京 09R 日本ダービーGT(芝2400m/稍重) 18頭立
レース結果
1着 3枠 5番 スペシャルウィーク 武豊1人気
2着 8枠 16番 ボールドエンペラー 河内14人気
3着 7枠 15番 ダイワスペリアー 菊沢徳15人気
配当
単勝052.0倍
枠番連勝3-825.9倍 × 1,000円投資 = 25,900円
馬番連勝05-16131.0倍 ×  200円投資 = 26,200円

 ダービーから溯る事8ヶ月。97年10月のデイリー杯3歳S。そこで私は1頭の馬の末脚に惚れ込みました。
 その馬の名はボールドエンペラー。それまで良いところ無く6着に敗れ続けていたこの馬ですが、 この日の新聞には、調教師の「直線の長い京都ならきっとやってくれるはず」と言う強気のコメント。 人気も無かったので軽い気持ちで信じ、この馬から買ってみたら…。なんと、道中最後方から、 上がり3F34.1秒という強烈な末脚で、1番人気サラトガビューティ以下13頭を並ぶ間もなく抜き去って行きました。 この時の強烈な末脚は、強烈な印象として私の脳裏に焼き付きました。

 そしてまた、この時でした。私が「この馬はきっとダービーで大仕事をするだろう」と思ったのは。 この馬がおそらく最初に直線の長い京都/東京で走るGTはダービー。 デイリー杯で既に出走できるだけの賞金は稼いだわけですから、あとはこの末脚をダービーで披露するだけ、です。 この時から、ずっと周りの友人達に「未来のダービー馬」と言い続けてました(笑)。でも、 これが結果的に報われる形になったのですから、言い続けてみるものですね。

 その後、ボールドエンペラーは朝日杯3歳Sで後方侭で残敗(10着)した後、ラジオたんぱ杯(4着)、きさらぎ賞(2着)、 毎日杯(3着)と惜敗を続けます。しかしこの3戦は、不甲斐ない負け方より、「なんで後ろから行かないんだ?」 という疑問の方が大きく残りました。この3戦はいずれも先行し、最後に脚が止まって敗れていましたので。 確かに4歳最初のGT・皐月賞は、直線短い中山ですから、先行した方が有利ですが、 こんなGV程度で敗れるようでは、通用するはずも無いのに…。

 そしてその不安どおり、皐月賞では惨敗(6着)。しかし、掲示板にこそ載れなかったものの、 それまでのGV3連敗より、ずっと価値のある「負け」であると私は思っていました。 なぜなら、皐月賞では、久しぶりに最後方待機を見せてくれたからです。上がり3Fは「脚を余して負けた」と言われた、 後のダービー馬スペシャルウィークと同タイム。この皐月賞を「ダービーの試走」と取れば、 これほど良い負け方はないですからね。しかも、3〜4着あたりなら注目されるでしょうが、6着ならほとんど誰も気づかないでしょうし…。

 かくしてダービー当日。思ったとおり14番人気の低評価。自分の予想ページでは◎をトニービン産駒エモシオンに譲ったものの、 皆が無印のなか、堂々と▲をつけ、馬券は総流し。TV観戦していた最後の直線、突き抜けていったスペシャルウィークには見向きもせず、 2着争いをずっと見ていました。その中、大外をついてボールドエンペラーが伸びてきた時には、 思わず「エンペラー差せっ!!」と大声。年に1度のダービーですから、ここは大声を出しても許されますよね(笑)。 その大声に報いてくれたのか、ダイワスペリアーを1/2馬身抑えたところが、 感動のゴールでした。この時の嬉しさは、日経賞に勝るとも劣らないものでした。 デイリー杯の時から、ずっと「ダービーに」と追い続けていた馬が、5馬身離されたとは言え、 堂々と「4歳bQ」になったわけですから…。やっぱ、どれだけ人気が無くなっても信じ続けるといつかは報われるものです。

 最後に。ダービーで万馬券、と言えば、平成4年、ミホノブルボンライスシャワーで決まった第59回以来ですが、 私は、このボールドエンペラーとライスシャワーを今ダブらせています。 ライスシャワーファンには反感を買いそうですが、3歳時の実績でクラシックに乗ってダービーで素質を開花させたのも一緒ですし (3歳重賞勝ってる分、エンペラーの方が実績は上ですけど)、また、京都コースに相性が良かったり、 リアルシャダイの血(ライス=父、エンペラー=母の父)が入っていて、毛色が黒鹿毛なのも一緒です。
 そのライスシャワーが淀に散ったのが平成7年。ボールドエンペラーを含む今年の4歳世代はその平成7年の生まれです。 ライスシャワーの最後に勝った天皇賞(H7.4.23)の僅か5日後(H7.4.28)に生まれているボールドエンペラー。 もしかしたらライスシャワーの魂が乗り移っているのでは…。なんてちょっとナンセンスな事を考えてみるのも、 また楽しいものですよね。クリスタルグリッダーズ産駒が菊花賞を勝つ時代なんですから、 血統の不安は捨てて、菊花賞でもう一度買ってみる価値は十分にありますよ。何せ「4歳bQ」なんですから。

この日の主な
レース結果
武豊騎手、10度目の挑戦で念願のダービー制覇ダービー


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