展示10 〜 万人の度肝を抜いた「日本レコードホルダー」 〜


日時1998年 03月29日 中山 11R 日経賞GU(芝2500m/良) 12頭立
レース結果
1着 1枠 1番 テンジンショウグン 江田照12人気
2着 6枠 8番 シグナスヒーロー 加藤7人気
3着 5枠 6番 ローゼンカバリー 横山典1人気
配当
単勝01355.7倍
枠番連勝1-6590.0倍
馬番連勝01-082133.7倍 × 100円投資 = 213,370円

 日経賞をさかのぼる事3年半前の94年10月9日。その日私は東京競馬場にいました。 そして、そこで強烈なシーンを目の当たりにして感動していました。
 そのシーンとは、3戦連続のレコード決着。競馬場での他場発売はメインだけですので、 東京競馬場では東京10R→福島11R→東京11R→京都11R…の順でレースが見られますが、この日、東京10RオクトーバーS、 福島11R福島民放杯、東京11R毎日王冠、と見ていた3レースがなんと3連続のレコード決着だったのです。 その後、福島民放杯をレコード勝ちしたヤシマソブリンは次走で菊花賞2着。 毎日王冠を1.44.6の日本レコードで勝ったネーハイシーザーも次走で天皇賞制覇、と、それぞれ出世。 そして、これらの2頭に先立って、オクトーバーSで最初に日本レコードをたたき出したのが、当時5歳のテンジンショウグンでした。

 この時から「テンジンショウグン=(ネーハイシーザー並の)強い馬」というイメージが私の心の中に植え付けられていました。 そして、その後、この馬が出てくる度に買い続けてました。馬券を取ったのは、 同じ東京2300mで行われた96?年メトロポリタンS(プレイリークイーンの2着)の時だけでしたが、 東京2300のコースレコード(日本レコード)をこの馬が持っている間は、この馬を見捨てまい、と思っていました。 レコードが破られない、という事は、それだけこの馬に素質があった、という証明ですからね。 97年、障害入りしても、それは変わりませんでした。落馬した東京障害特別のときもテンジンショウグンの単を持ってましたし、 10着に良いところなく敗れた阪神障害Sの時も、勝ったゴッドスピードと、このテンジンショウグンの2頭の名前が並んだ単勝馬券を買ってました。

 そして、日本中がどよめいた3月29日。この日は午後から外出する用事があったのですが、 前年夏からPATが使えるようになっていた私は、当然テンジンショウグンからの流し馬券を投票しました。 その日は、持ち馬アーサーズフェイムと好勝負を演じたミラクルタイムと、 この年のクラシックをずっと追い続けようとしていた秘密兵器(笑)ボールドエンペラーが毎日杯に出ていましたので、 WINS横浜にも行きましたが、さすがに500円単位のWINSでは、テンジンショウグンは買えませんでしたけれど…。 同じ障害帰りのアワパラゴンがいたのに、抜けたシンガリ人気になっていましたからね。

 この日、残念ながら生(テレビ)では実況は見ていませんでした。これが今思うと一番の痛恨です。 ですが、友人4人で聞いていたラジオでも、そのアナウンサーの驚愕は伝わってきます。 「残り100を切って、先頭は何とテンジンショウグン!!」…。実況を聞いていて、 例えその馬がどのくらいの人気か全く知っていなかったとしても、誰もが「とんでもないのが来たんだ」とすぐ分かるような、 実況の裏返った声が、ラジオから聞こえてきました。もちろん、これを聞いていた私たちの間でもどよめきが走りました。
 しかしこの時点で、テンジンショウグンから買っていたのは覚えていたんですが、総流ししていたかどうかまでは覚えていませんでした。 人気どころ(ローゼンカバリー)には間違いなく買っていたのは覚えていたので、 何と、この瞬間は「ローゼン2着に粘ってくれ〜」と祈ってました。この組み合わせでも800倍強でしたから。 今思うと、この祈りは通じなくって良かったですが(笑)、2着シグナスヒーローで20万馬券、と聞いた時には、 ちょっと不安になったのを覚えています。「これでシグナスを買っていなかったらどうしよう…」と。 ただ外したのより遥かに痛恨ですからね。テンジンから買っていて外したら。

 結局その日はその後も友人達と遊んでいたんですが、はっきり言ってPATの投票結果だけが気になって、 全く上の空だったと思います(よね?)。で、家に帰ったのが深夜。はちきれるばかりに心臓を高鳴らせながら、 恐る恐るPATを立ち上げ…、投票履歴を開いて…、目に入ったのがこの画面。 1枠1番テンジンショウグンから総流ししていました。「あった〜!!」と、この時点で、深夜だというのに大声を上げてしまいました。 (ごめん>家族)

 単勝は重賞歴代3位の355.7倍。枠連は歴代1位の590.0倍。馬連は重賞歴代1位、JRA歴代4位のなんと2133.7倍。 レース後、あちらこちらのHPなどで「テンジンの激走の要因は?」の話題でもちきりになったことや、 神様にして「理由は分かりません」と言わしめた(笑)のは記憶に新しいですが。 これを「分かりません」とか「珍事」で片づけてしまう人は、きっと一生2000倍は取れないでしょうね。 3年半も間破られない日本レコードを出した馬なんですから、重賞の1つや2つ勝てる素質はあって当然です。 日本レコードホルダーは、何万頭いるサラブレッドの中の10数頭だけなんですよ。

 しかも、この時の1番人気はローゼンカバリー。ズブい脚で有名な馬です。人気薄の馬のオッズは人気馬がどれくらい支持されるかによって決まりますが、 こんな当てにならない、しかも今年勝っていない馬を1番人気にしてしまったか、が、 何故テンジンが激走したか、と同時に議論されるべきです。2番人気ダイワオーシュウ然り。3番人気トキオエクセレント然り。 残念ながら、そこまで話が進んでいる議論はほとんど皆無でした。ここに気がつく事が、 万馬券への近道だと思うのですが…。これに気づかず「テンジンの気まぐれ」ですませてしまう人は、 きっとまた同じように荒れた時にもまた同じように文句を言っているんでしょうね。

この日の主な
レース結果
重賞史上最高配当でテンジンショウグン勝利日経賞
毎日杯で関東馬ミラクルタイム−ディヴァインライトの1-2毎日杯


何かありましたら、こちら まで。


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