☆☆撮影旅行四方山話 その3

 ★馬にはご注意
  6年ぐらい前の話。その当時ふーさんと二人で毎夏あちこちへ撮影に行っていました。その時は「九州へ行こ
  う!」と言う事になり、3日間の予定で出発しました。初日に阿蘇まで行き、草千里を始め周辺をまわり、撮
  影を行いました。

  翌日「南へ行ってみよう」と、高千穂峡へ。元来撮影旅行と言うよりのんびりと遊びがてら、と言う事もあり、
  その先をどうしようかと相談した時に私が「せっかくだから都井岬まで行って馬を写そう」と提案、ナビが付
  いているにもかかわらず距離というものを全然考えない二人はその後地獄を見る事に…

  九州の東海岸沿いは高速道路の整備が無く延々と続く国道10号を日豊本線沿いに走ります。高千穂峡から延
  岡まで出て、そこから南下し、宮崎を目指します。走っても走っても宮崎は遠く、来てしまった以上引き返す
  のもしゃくだし…。青島を過ぎ、日南海岸を経てやっとの思いで都井岬に着いた頃既に夕刻となっていました。
  ウィークデイと言う事もあり宿泊は簡単に出来ましたが、その宿は、私達が入るまでロビーの電灯も消してあ
  り、閉まっているのかと思ったほどです。

  夕景は馬が思ったほどいなかったのであまり撮影も捗らず、翌朝に期待です。翌朝、朝日の上がる大分前に起
  き出し、岬全体にあるなだらかな丘に登り、馬を捜しました、今度はそこやかしこに馬がいます。ここの馬は
  野生ではないのですが手入れはされておらず、自然に近い状態で放牧されています。始めてそんなところに行
  ったので、どこまで馬に近づいていいものやら分かりません。おまけにいたる所に「馬に近づくと危険!!蹴
  られます!」と書いた立て看板が!でも宿に聞くと「大丈夫、後ろに回って脅かさない限り蹴ったりしない」
  とのことなので、勇気を出して今朝は馬に近づき、まさに馬に触れんとしたその時、「馬に触れたらダニがい
  るぞ!!」と言う大きな声がしました。声の主は地元のアマチュアカメラマンの方で、「素手で触れたり、無
  防備に近づいたら、こんな大きなダニが移るぞ!」と親指と人差し指で大きな輪を作りながら笑っておられま
  す。

  私達は長靴を履いていたのですが、その長靴に直径1センチはあろうかという大きなダニが付いておりました。
  そのおじさんによると『飼われている馬はブラッシングをしてあるのでダニは殆どいないのだが、野生の場合
  ダニは付き放題で、ここの馬もしかり、また新しい馬糞にもダニが沢山いる』そうで歩くのにも一苦労でした。
  車に戻る時も服から靴に至るまで全てつぶさに調べ、ダニが付いていない事を確認しました。

  放し飼いと言う事で、都井岬では馬は全く自由なため、ホテルの前にある鉢植えとかプランターの植物もむしゃ
  むしゃ食べています。またそのホテルには露天風呂があるのですが、入っている間中いつ馬が襲撃してくるの
  かと冷や冷やものでした。その露天風呂というのがホテルの端にあるのですが、電灯の点いていない真っ暗な
  廊下や階段を迷路のように進んだ挙げ句、大人二人がやっと入れる程度の物で、入っているだけでかなり寂し
  くなるお風呂でした。しかもホテルのすぐ前は海なのですが、庭に背の高い木が沢山植えてあり、海が全く見
  えないのも寂しい限りでありました。
 ★無料駐車場・・?
  富士山の麓に位置する忍野村。度々訪れるようになって、今は本当に無料の駐車場に止めるようになりました
  が、始めて行った時大きな大きな「無料駐車場」と言う看板があちらこちらにあるので、その一つに車を止め
  ました。まず、撮影しようとカメラを担いで涌池の方へ向かおうとすると、スピーカー越しに、「当店で買い
  物をしない人は直ちに車をどけなさい」と大きな声が!!なんじゃらほいと、無料駐車場の看板をよく見ると、
  下の方にかなり小さな字で「当店でお買い物の方」と書いてあります。普通の人間ならまず気づかない程度の
  大きさです。それほど「無料駐車場」の字が巨大なのですが、あまりにも高飛車に、しかもスピーカーまで使
  って…で、すぐに車を移動させ、違う「無料駐車場」に車を止め先に土産を買ってから撮影に行きました。以
  降は土産物屋の開店前に行く事が多いので、そのスピーカーからの声は聞かなくなりましたが、その時は四六
  時中、「当店で…」の声が聞こえ続けていました。中には「すみません」とか謝っている人までいましたけど、
  どう考えても表示に問題があると思うのですが…。 
 
 ★山間の暴走族?
  もう十数年ぐらい前でしょうか、その頃信州戸隠に度々蕎麦の花を写しに行っていました。おかげですっかり
  蕎麦好きになってしまい、信州方面に行った時は、必ず戸隠の蕎麦を買って帰るようになりました。

  長野の善光寺近くから始まり、戸隠へ至る戸隠バードラインと言う有料道路があります(今は無料化されてい
  ます)。その途中にソバ屋さんが何軒かあり、さらに蕎麦畑が道沿いの並木に隠れて点在しています。いつも
  その内の1カ所に撮影に行っていました。

  初めてその蕎麦畑に行った時、撮影準備をしていると「フォ〜ン・フォンフォン」と、走り屋さんの車のよう
  な音が遠くからしてきます。バードラインを走っている時にはそんな車は一台も見なかったのに。「ああ、こ
  んな所まで走り屋さんが来ているのか〜。かなわんなぁ」と。撮影場所を捜しながらもずっとその音は聞こえ
  ています。「えらいぎょうさん(凄く沢山)おんねんなぁ(いるのだなぁ)」と何の疑問も持たずに畑の間の
  道をどんどん奥へ入っていきました。

  ローアングルから始めようと、腰を屈めて花の方を見た瞬間、花のやや上辺りになにやら黒い影がチラチラと
  しているのに気付きました。一体何だろう?とよくよく見ると…なんとそれは蕎麦の花から蜜を採っているミ
  ツバチの集団でありました!ちゃんと周りを見れば養蜂の巣箱もあちこちに置いてあります。

  そのミツバチの羽音が排気音のように鳴り響いていたわけです。気づいてみれば周囲はミツバチに囲まれ、カ
  メラバッグにも数匹たかっています。幼少期に男の大事な部分を刺され、とても悲しい目に遭った事のある私
  は大の蜂嫌い、飛んで逃げたい所ではありましたが、遙々信州までやって来て蜂に追い返されるのも癪だった
  ので、恐る恐る撮影を続け、なんとか無事に帰還致しました。

  バードラインは戸隠まで続き、そこから鬼無里を経て白馬に至る道をよく利用しましたが戸隠一帯ではよく蜂
  に遊ばれました。ある時も、白馬三山を向かいの隧道から狙った後白馬村へ降りようとした時に、顔の横を
  「ブ〜ン」と一匹の蜂が…運転中の私はパニクり、窓という窓を全部開け、命からがら白馬に辿り着いた事も
  ありました。実際、車中に入ってきた虫のせいで事故になる事もあるそうです、皆さんもご注意下さい。
 
  それにしても、信州方面には美味しい蕎麦があるし、お土産・おやつに最適な五平餅、山梨へ行けばこれまた
  美味しい「ほうとう」が…いいなぁ…


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