コンペ作品 6/6

カンディンスキーの家(S×L住宅設計競技応募案)

カンディンスキーが若きモスクワ時代に夢見ていた絵画− 「オブジェのない絵画」
彼はオブジェから離れなにを描こうとしたのか
「あらゆる造形分野における活動の原点は構成である」−グロピウス
彼が抽象絵画で構築しようとした理想は音楽−座標(五線譜)に性格づけられた記号(音符)を配置することで構成される芸術−に準えるかもしれない
音符がその前後関係から音階、拍子が決定されるように、カンディンスキーは初歩的図形(○□△・・・)そのものではなく、対象を放棄することで浮かび上がる相互作用関係−余白に注目した
そこでは余白がメディアとなり初歩的図形の構成を成立させていることに気づかなければならない
住空間の再発見装置としての家
戦後合理性追求のもとにDining、Livingとかいう実体の不明確な生活空間を与えられ、ユニット化された住機能はまるでパズルのパターンスタディのように隙間無く組み合わされた
規格化住宅の中で営まれる生活様式はあらゆるところまで規格化されいる
その中で人々は「中流意識」という規格を自ら当てはめ、括弧付きの”住”に何ら疑問を抱かない
私たちは知っている
人の動線が空間を発生させることを
余白が住機能を形成するメディアであることを
(住)に慣れてしまった私たちは住機能自体をリセットし、それらを繋ぐ「余白」という視点からもう一度見直してみるべきだ
       各機能は空間にちりばめられる     1F PLAN  

 ボリウムに内包され余白が発生する     2F PLAN

   余白が媒体となり住機能を再定位させる   3F PLAN


説明:住機能の「繋ぎ」を主役にした家。廊下、階段など専ら移動するだけのために使われているスペースに目を向けてみると、「生活」すると いう行動がもっとも如実に現れる「メインステージ」となっている。合理的なスペースの有効利用という至上命令を逆手に取った案です。

 ただし選外。


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