ドイツの靴でフランスの味?〜ユニロイヤル・ギスラベッド(145SR13)の感想
最近のFFパンダは、標準で155/65R13というサイズを履いてますが、私は以前からこのサイズに疑問を持っていました。このサイズ、実はイタリア本国ではオプションであり、本来は135SR13という非常に細いサイズなんですよね。ちなみに、これはパンダのデビュー当時から変わっていません。
タイヤの種類によりある程度差はあるものの、荒れた路面での極端なバタつきや、コーナリング時のサスペンション剛性感の無さは、やはり不自然で不快です。それでも、サスペンションが元気な間はいいんですけど、5万キロを目の前にした犬キャラ号では、もはやこのサイズのタイヤは単なるシャシー・クラッシャーです。初めはいいと思ったミシュランMXKも、タイヤの劣化とダンパーのヤレが進んでくると、空気圧の変化に対して非常にクリティカルになって、ほとんどその良さを引き出せなくなっていました。
そんなときに、ちょっとした不注意でMXKのサイドウォールを裂いてしまい、まぁいい機会だったんでわずか8000km程しか走っていないMXKですが、交換しようと決意したんです。
前述のような状態でしたので、すぐに近くのカーショップへ走りました。さすがに135SR13は無かったのですが、4x4や初期のドイツ仕様などと同じ145SR13のサイズのユニロイヤルがあったので、(安易ですけど)これに決めました。商品名はギスラベッドというちょっとすごい名前です。例によって簡単にチェックしてみると、衝撃的な軽さ!細さ!トレッド幅は145mmということですが、どう見ても155mmのMXKより2センチ以上は細く見えますし、持ち上げてみると、異様なほど軽いです。乗り心地は期待できますが、さすがにスタビリティやハンドリングに不安を感じます(^^;)。

さてさて、実際に装着した感想ですが、サイズを落とした効果は想像以上に素晴らしいものでした(^^)。これはタイヤのキャラクターでしょうが、意外にちょっとした凸凹をよく伝える反面(触り比べると、確かにギスラベッドの方がMXKよりトレッド面が堅い)、荒れた路面ではパンダ本来の深いストロークを生かして、タタタンと衝撃を吸収してしまいますし、深いうねりに対しても驚くほどスムースに追随してくれます。これはまさに、軽さの恩恵。直進安定性もアウトバーンの国のタイヤらしく(あ、ユニロイヤルってドイツのブランドです)、なかなかいいですね。
乗り心地が良くなるのは、言ってみれば当たり前なのですが、驚いたのはハンドリングも良くなったこと。とか書くと、「MXKが古くなってたからじゃないの?」と思われそうですけど、違うんだな〜(^^;)。今までは、ステアリングを切るとカクッとロールして、タイヤだけが踏ん張り、さらに追い込むとサスがグニャッと負ける感触と共にアンダーステアが出る、という非常にレベルの低い操縦性でした。以前のMXKのインプレッションで「グリップが低い」と書きましたが、ある程度距離を走っていくとかなり改善されました。パンダにとっては改悪だったんですけど・・・(^^;)。私はそれがイヤで、ロールが進む前にスロットルオフでタックインを誘発して曲げてたんですが、それはそれでリアサスに負担が掛かってたみたいです(ゴキゴキ音がするようになってるのね(T_T))。
ところが、ギスラベッドに変えたら、ロールがジワジワと進んでいくようになり、どこまでロールしていっても不安感がない。だから、タイヤを100%使いこなせているように感じるし、実際今までとほとんど変わらない速度でコーナーを駆け抜けることが出来ます。どう考えてもグリップは低いはずなのに・・・。攻めて走った後、155サイズの時は、サイドウォールが接地していた跡がかなり付いていたものですが、ギスラベッドではほとんど付いていません。それだけサスペンションがタイヤを使いこなせているということです。
このロール感の気持ちよさやウニウニとサスが動くのが体感できる乗り心地は、まるでルノーやシトロエン。フランス車好きの私にとってはまさに「換えて良かった・・・」ってなもんです(^^)。
もう一つ、素晴らしいのはウェット性能です。基本的にタイヤが細くなるほどドライとウェットのグリップ差は少なくなるものですが、それを差し引いてもよくグリップします。細かいサイプの入ったトレッド面を見ても分かるとおり、水はけもよくて、水たまりを強行突破したりしたときのスパッと水を切る感覚は、今までと全く別物です。私など、嬉しくてわざと水たまりに飛び込んでました(^^;)。
悪い点は特にないですね。初めは「すごくレスポンスが鈍い」って書いたけど、フロントのダンパー・ブッシュを交換し、スプリングのガタを押さえたら、かなりシャキッとしたハンドリングを示すようになりました。5,000km程走ったころからは、いい感じでグリップが落ちてきて更に軽快感が増してきたみたいです。タイヤをキーキー鳴かせながら、クルマの姿勢をスロットルで制御するのは軽量FF車ならではの楽しみです。
乗り心地の点では、条件の悪いときはいいんだけど、逆に良路で今一つ滑らかさに欠けることが欠点ですね。転がり抵抗自体はすごく少ないんだけど、特に低速ではなんとなくゴロゴロした感触が付きまといます。総じてMXKやB65みたいに洗練されたフィーリングというものはなく、安価な(1本¥4800でした)省燃費/コンフォート・タイヤって感じですね。そういう意味では、基本を押さえたいいタイヤですから、下手にヨコハマやファルケンの安物タイヤを買うよりはいいんじゃないでしょうか。まぁ、このサイズのミシュランだったらもっと・・・とは思うんですけどね(^^;)。
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