「小城羊羹」
佐賀市の年間羊羹の購入額は1768円と日本一(「家計調査」平成19〜21年平均 総務省)小城羊羹は、九州の小京都ともよばれる小城町の名産品。秀峰天山から流れる清水と厳選された小豆を使った贅沢な銘菓だ。1本5000円というのはザラ、中には1本10000円というのも。小城羊羹の由来については、いろいろな説がある。一説によると、1592年(文禄元年)豊臣秀吉が名護屋本陣に向かう途中、小城(おぎ)で休憩した際、小豆と蜂蜜・海藻で煮固めた菓子を献上したものが起源と言われている。実は、佐賀県は菓子王国といわれている。戦前、佐賀人の職業は「一に軍人」「二に司法官」「三に菓子屋」といわれていた。森永製菓の創業者も、グリコの創始者も佐賀の出身なのである。佐賀が菓子王国になったのは16世紀。長崎の警固役を務めていた佐賀藩には砂糖が潤沢に手に入ったのと、長崎街道を通じて南蛮からの製菓技術が伝えられたため。また、菓子作りの材料となる小麦が豊富にあったことも。(参照 「一筆さが便り 佐賀県の観光情報 菓子王国佐賀県」ブログより)加えて、ベテランの職人が、佐賀県人らしく材料や品質にはことのほか厳しく、厳格な姿勢で臨んだためではないか。

村岡屋 昔風味の小城羊羹 2本(本煉・抹茶)

「シシリアンライス」
シシリアンライスとは、プレート皿に、温かいライスを盛り、その上に炒めた肉と生野菜を盛り合わせマヨネーズをかけもの。佐賀県でも佐賀市近郊にしかないご当地グルメ。牛丼に野菜サラダをのせたようなものといってよい。昭和50年頃に佐賀市内の喫茶店で誕生したとされる。賄い料理を起源とする説があるが、詳細は明らかではない。また、シシリアンライスという名称についても、初期にシーフードが使われていたことから、地中海最大の島であるシチリアのイメージと重ねて命名されたという説が有力であるが、はっきりしたことは分かっておらず、未だに謎である。ただ、当時は人口密度に対する喫茶店数が日本一という程、市内には喫茶店があったそうで、他店との差別化の武器として、シシリアンライスが登場したのだろう。数年前にメディアで取り上げられブレイク。現在は佐賀市内の30軒を超える店で食べられるが、それぞれの喫茶店流にアレンジを加え、オリジナルのシシリアンライスを出してくれる。ちなみに、価格も500円〜1000円と幅があるが、多いのは700円、750円。佐賀観光協会では、シシリアンライスの「シシ」との語呂合わせで、4月4日をシシリアンライスの日に定め、日本記念日協会の認定を受けて、PRを行っている。 「佐賀人が通った後は草も生えない」という言葉があった。これは、鍋島藩が陶器や白蝋で巨利を得たため、上方の商人が「経済大名」と呼んだほど商売上手だったからだ。シシリアンライスは、温かいごはんと肉とサラダを一緒にしただけのもの。お客さんとしてはセットで色々食べられるし、お店としては、バラバラに出せば手間がかかるが、一皿に入れてしまえば経費もかからない。また、肉とサラダがある分だけ高くなって利益も確保しやすいという佐賀商人の発想から生まれたものといってよいだろう。
ご当地グルメ研究所