「フィッシュカツ」
フィッシュカツとは、魚のすり身にカレー粉などの香辛料を入れ、パン粉をまぶして揚げたもの。主に徳島県東部で食べられているローカルフード。徳島県小松島市の蒲鉾屋「津久司蒲鉾」が戦後すぐに売り出したのが始まりだとする説が有力だ。地元では非常にポピュラーな食べ物であり、スーパーやコンビニなどでも販売されている。食べ方には醤油、ソースやマヨネーズを付けてそのまま食べる他に、お好み焼きに混ぜて「カツ玉」として食べるという方法も。なお、基本的に徳島県では「カツ」と言えば豚カツの事ではなくフィッシュカツの事を指し、豚カツの事はそのまま「トンカツ」と言う場合が多い。 リーズナブルな価格で無駄金を使わない徳島県人にピッタリの食べ物。最近は、「カツ」という名前から、合格祈願や選挙の必勝祈願などの縁起物としても売れているそうだ。  

お子様のお弁当にピッタリ!!かわいいさかなのかたちのフィッシュカツ1枚【10P26mar10】

「はんごろし」
おはぎを「はんごろし」と呼んでいるのは、徳島県旧相生町の一部。「はんごろし」はもち米と白米を一緒に炊き、半分だけつぶすため「はんごろし」と言われる。昔から同町で売られていたが、名前に関して苦情があったことから「おはぎ」として販売していた。2007年、那賀町と徳島大学が連携して開いている地域再生塾が、町の特産品に育てようと「はんごろし」を復活させた。ちなみに、もち米を全部ついたときは「みなごろし」というそうだ。 「はんごろし」は、北は東北の福島から群馬、北陸、静岡、岡山などでも使われている。 徳島と言えば阿波商人。染料になる藍や葉たばこ、サトウキビの栽培を進め、それを京阪神地方に売りに行った。大阪に出て商売をし、儲けた金を持って帰ってきた。これが何代にもわたって続いため、大阪商人的気質が強いのが特徴。金銭感覚が鋭く、行動力も実行力もある。「はんごろし」は名前だけが一人歩きしているが、普通のおはぎより粘りのあり食感が違う。半分しかつぶさないのは生産性の問題であり、郷土料理だけに味はマチマチだが、全般的に甘さ控えめなのは、コストダウン意識の商人気質のせいかもしれない。
ご当地グルメ研究所