「お好み焼き」
広島と言えば「お好み焼」だが、広島のお好み焼きは、薄い生地に野菜と具、そしてそばを重ねるのが広島風。生地と具を混ぜずに焼く。だし汁で溶いた小麦粉を鉄板上に薄くクレープのようにのばし、その上に山盛りのキャベツ、そば、卵と具をのせる。具は、広島名物のかきを入れたり、いかフライなど他ではあまり見られないものを入れたりする。調味料はソースのみの場合が多く、マヨネーズや溶き辛子などは塗ったりしない。もちろんソースは地元の「オタフクソース」である。東京や大阪のお好み焼きとの違いは、そばが入ること、生地が薄いこと、それにキャベツの量がハンパではない点だ。終戦直後、米などの穀物がなかった時に、小麦粉をみんなで持ち寄り、焼け跡に残った鉄板でお好み焼きを焼いたのが広島のお好み焼きの原点といわれる。小麦粉が少ないため生地が薄くなり、ボリュームを出すためキャベツを沢山入れて、広島風お好み焼きが出来たのだそうだ。
広島の人は新しいモノには敏感で、テストマーケットとして使われることが多い。だから広島風のお好み焼きが誕生した時も抵抗などなかった。また郷土意識が強いから、どこにいてもお好み焼きは広島風にこだわる。広島は、昔、浅野藩が「華美にならぬように」とお触れをだしたぐらいの祭り好きで、今でも首都圏の大学の学園祭で最も盛り上がるのは広島県人会といわれるほど。お好み焼きは、みんなで食べながら盛り上がるのにもってこいの料理でもあるのだ。
「尾道ラーメン」
尾道ラーメンは、広島県尾道市を中心とした備後地方のご当地ラーメン。1928年、中国福建省から来日し、尾道市内の製麺所で働いていた人が作ったと言われている。1947年頃には屋台で登場、間もなく店舗を構えた。当時は尾道ラーメンという用語はほとんど使われておらず、単に「中華そば」と呼んでいたそうだ。1988年の山陽新幹線開業などで、尾道の観光客が増えると、いくつかの店が注目され、行列が出来るようになる。この人気から1990年代頃には、お土産用途の箱入りの尾道ラーメンが登場、マスコミに取り上げられて全国区となった。尾道ラーメンの特徴は、なんといっても小魚を使った出汁にある。瀬戸内海、鞆の浦の沖合いの潮流にもまれ、身が引き締まった、平子いわし(真鰯の子ども)は脂肪分が多く、驚くほどに味わい深く、カルシウムも豊富。この出汁が尾道ラーメンの隠し味として使われ、コクがあるのにさっぱり味、独特の味わいを醸し出しているのである。この小魚だしに旨味とコクを与えているのが豚の背脂。この背脂がスープに何ともいえない深みを与えている。また、ツルッとした口当たりのなめらかさと、シコシコと弾力の富んだ平打ち麺も特徴だ。
広島県は、備後(福山など県東部)と安芸(広島市など県西部)で気質が異なる。備後は粘り強く実利的なタイプが多いが、なかでも、尾道は東西(近畿地方と九州)、南北(本州と四国と、山陰と山陽)、海と陸をつなぐ重要な中継点としての役割を古くから果たしていたところ。多くの人が行き来していた地域だけに包容力があるから、目新しい味を受け入れたのだろう。また、各地の文化を取り入れたところだけに、逆に地元意識が強く地元で生まれたラーメンを大事にしているのではないか。尾道ラーメンは尾道だからこそ出来たご当地グルメなのである。
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ご当地グルメ研究所