「餃子」
全国的に有名になったが、宇都宮市の人は、実によく餃子を食べる。年間、世帯当たり餃子の購入額は約4758円。全国平均の倍以上の水準で文句なしの全国ナンバーワンなのである(「家計調査」平成19〜21年平均 総務省)。(実は1989年にビジネス雑誌で「日本一餃子を食べるのは宇都宮」という記事を書いたのは私です)宇都宮はとにかく餃子の店が多い。「みんみん」、「まさし」、「宇都宮餃子館」などのチェーンをはじめ市内にはなんと165店もあるのだ。最近は餃子で町おこしをしているほどで、餃子だけで30種類以上のメニューの店もある。宇都宮に餃子の店が多いのは、戦後中国からの引揚者が多かったためといわれているが、忘れてはならないのが気質だ。栃木の人はひと言でいうと渋めのいぶし銀タイプ。恥ずかしがり屋で話し下手で人見知りをする人が多い。また真面目で律儀で堅実だが、慎重すぎるきらいがあるため商売は決して上手とは言えない。私も以前、餃子の店を何軒かハシゴしたことがあるが、宇都宮の餃子専門店の特徴は、餃子しか出さない店が多いことだ。ご飯はもとより、ビールさえも置いていない。これも、いかにも真面目な栃木らしい。ついでに言えば、栃木の人はどちらかというと殻にこもるタイプが多いだけに、殻にくるまっているモノが好き?なのである。
宇都宮餃子館代表作駅前の有名店【宇都宮餃子館】スタミナ健太餃子 15個
「佐野ラーメン」
佐野ラーメンが注目されはじめたのはここ十数年だが、その歴史は全国的にみてもかなり古い。ルーツを探ると、それは大正時代にさかのぼる。「エビス食堂」という洋食店に雇われていた中国人のコックさんが、青竹で打つ手打ち麺を出したのがはじまりだという。
佐野ラーメンの強みは、麺の主成分である小麦粉の産地であること。加水率の高いなめらかな麺は、太めの平打麺で、ビラビラと唇で踊る感覚が特徴。水分が多いため、見た目よりもゆで上がりが早い。昭和初期から、人口5万人ぐらいの町に150軒を超えるラーメン店があったというから、ラーメン処としてのキャリアは博多や札幌をもしのぐものがある。昔から外食はもとより、訪問客に出前を取ってもてなすなど、ごちそうとして古くから愛されていた。元祖ラーメン処といっても過言ではないほどのラーメン文化を持っている。 澄んだ醤油味スープが主流で、サラリと飲み干せ、キレのあるタイプ。チャーシュー、メンマ、なると、刻みネギのパターンも昔ながらである。(参考 新横浜ラーメン博物館のホームページより)佐野がラーメンの街になったのは、小麦粉の産地であったことと、青竹踏みがコツコツ努力する栃木県人に合っていたのではないか。
【名物、佐野ラーメン】佐野の超人気行列店!「万里」その味を再現しました♪佐野ラーメン 万...
宇都宮は「カクテルの街」
もともと、宇都宮は昔、帝国陸軍の連隊区があり、当時、遊郭、料亭、バーなどが栄えていたところ。宇都宮には「パイプのけむり」という名前を冠した店が、たくさんある。実は宇都宮がカクテルの街になったのは、「パイプのけむり」のオーナーの大塚徹氏による功績が大きいといわれる。自ら腕を磨くとともに、スタッフのバーテンダーを育て、全国的な大会へどんどんチャレンジさせていった。そして、数多くの優勝者を輩出した。宇都宮のバーやバーテンダーは、それに続けと腕を磨き、バーテンダー日本一を15人も輩出する、「カクテルの街」となったのである。栃木の男性は、カラオケでみんなでワーッと盛り上がるというより、静かに1人で、あるいはせいぜい2、3人で酒を楽しむタイプが多い。キャバクラよりバー向け(顧客としてもバーテンダーとしても)の気質なのである。
ご当地グルメ研究所