北海道の人は甘いもの好き。生のトマトには砂糖をかけて食べるし、納豆、グレープフルーツ、茶碗蒸し、 さらにはホットドッグにまでも砂糖をかけて食べる人がいる。甘納豆入り赤飯やおにぎりまであるのだ。 砂糖をかける人は、納豆で10%、茶碗蒸し26%、栗の甘露煮が55%もいるという(『全日本「食の方言」地図』日本経済新聞社刊)。 昔、肉体労働者は黒砂糖を具にしたおにぎりを食べていたという話もあるぐらい、北海道の人は砂糖好きなのである。 昔、砂糖は貴重品、砂糖を使った料理はご馳走だった。過酷な開拓時代は甘いものが特に貴重だったはず。 砂糖は重労働や夏バテなどの疲労回復に重宝された。この甘いもの好きは、今日の北海道女性のスイーツ好きに引き継がれているのである。 (ちなみに、高知の三原村のお赤飯には砂糖が入っているらしいし、納豆に砂糖は、秋田、山形、宮城、新潟でもあるようだ)

「室蘭やきとり」
鉄鋼の街として栄えてきた室蘭にやきとり屋の火が灯ったのは、昭和の初めの頃といわれる。工場で働いていた人たちの胃袋を満たす格好の食べ物として、「やきとり」が広まった。ところが、室蘭のやきとりは、フツーのやきとりではない。豚肩ロース肉と玉ネギを串に刺したものをタレで焼きあげたものなのだ。豚肉を使っているのは、昔は鶏肉は高級で手に入らなかったためと、その後も、北海道には安い鶏肉が入ってこなかったことが原因のようだ。もうひとつの特徴の玉ネギ。室蘭でも戦後まもない頃までは長ネギを使っていたようだが、長ネギは高いし使うところが少ない、玉ネギなら一個でやきとり何十本分もとれる。さらに、北海道は玉ねぎの産地のため、安くて手に入り易かったことから、豚肉と玉ネギという室蘭独自の組み合わせになったようだ。
ご当地グルメ研究所