※レビューは下に行くほど「古く」なっています。
「世界の中心で、愛をさけぶ」 片山恭一 小学館
点数:魚魚魚
(感想)
うーん・・・普通です。
スケールの大きそうなタイトルとは異なる、身近で素朴な淡い恋の話が淡々と綴られています。
ストーリー的にはこれと言った部分は無く、中性的な文書で淡々と語る、流行の「雰囲気勝負」みたいなところが見受けられますね。あ、ノルウェイの森か?
淡々と書かれると読んでるほうもどうしても淡々とした気持ちで読んでしまいます。最近流行りだと思うんですけど、それでいいのかなぁ?個人的にはもっと熱い気持ちのこもった文章を熱く読みたい。
最近点数を辛めにつけてるので2点にしようかかなり迷いましたが(最近は「普通」評価で2点くらい)、まあ全体的に小綺麗にまとまってるので3点で。
(あらすじ)
朔太郎とアキ、中学~高校時代の恋の話。
「魔剣天翔」 森 博詞 講談社文庫
点数:魚魚魚魚
(感想)
面白かったです。
普通にミステリしてるし、登場人物の掛け合いもいつも通り冴えてる。話のテンポも良い。
森作品でははじめての4点。
小説としての完成度や単独作品として評価した場合に4点つけるのは微妙なところですが、まあ個人的な好みも加味してこの点数つけておきます。
(あらすじ)
瀬在丸紅子とその愉快な仲間たち(?)が活躍するVシリーズ。
航空ショーを見学に行ったいつもの面子。しかし航空ショーの最中、パイロットがコックピットの中で殺された・・・。
「ラビリンス」 新井素子 徳間文庫
点数:魚魚
(感想)
10年以上前に読んだ作品の再読。
そこそこ面白かったです。けどたいした展開も無いし、登場人物も少なく、文章も稚拙なので2点で。
テーマや発想、大本のストーリーは良いので、もうちょっと話が色々展開してたらかなり面白かったんじゃないかと。もったいない。
分野的にはファンタジー小説かな、いちおう。久々にこういうの読んだ気が。
(あらすじ)
6年に一度の村の祭りの夜、「神」に捧げるいけにえとなる3人の娘が選ばれる。男勝りで村一番の狩人でもあるサーラは、いけにえの代わりとなって「ラビリンス」に住む「神」に戦いを挑む・・・。
「探偵ガリレオ」 東野圭吾 文春文庫
点数:魚魚
(感想)
いつものように間違えて買ってしまった連作短編です。分野はミステリ。
理工学部の大学助教授が事件を解決する-、どこかで聞いたような設定ですね(※森博嗣氏のS&Mシリーズ)。
通常のミステリで使うとマニアから「アンフェアだ」と間違いなく言われそうなバリバリの理系トリックが使われてます。したがって謎解きしながらミステリを読む人にはおすすめできないかな。
内容は可も無く不可も無くと言ったところ。
(あらすじ)
物理学科助教授が殺人事件の不思議なトリックに挑む連作短編集。
「ホワイトアウト」 真保裕一 新潮文庫
点数:魚魚魚
(感想)
面白かったです。男っぽい硬派な小説。主人公がかっこいいですね。
雪山を登山したことある人ならリアリティや緊迫感がさらに増すのではないでしょうか。
(あらすじ)
雪が吹き荒れる冬山。武装グループが日本最大級のダムを強襲し立て篭もった。トンネルを破壊され孤立するダム。犯人の手から逃れた富樫は一人犯行グループに立ち向かう・・・。
「魔術はささやく」 宮部みゆき 新潮文庫
点数:魚魚魚
(感想)
なかなか面白かったです。
終盤の展開がこの本の肝で、少々意外な展開を見せるのですが、ここは評価が分かれるところではないかと思われます。個人的には、(ストーリーとして良いかどうかは別として)この展開自体は悪くないと思います。
また、現実的かどうかでこの本を論じられると厳しいところではあるでしょうね。タイトルに「魔術」と入れてるのは免罪符の意味もあるのかな?と邪見してみたり。
キャラはみんな光ってますね。
(あらすじ)
深夜の交差点で女性を撥ね、逮捕されたタクシー運転手。運転手への世間の批判が高まる中、運転手の甥・守は「殺してくれてありがとう」と言う謎の電話を受ける。守が被害者の女性の過去を調べると・・・。
「名探偵の呪縛」 東野圭吾 講談社文庫
点数:魚魚
(感想)
パロディ短編集「名探偵の掟」に出てきた探偵・天下一が主人公?の小説。
「名探偵の掟」はパロディでしたが、こちらは・・・なんと表現したらいいのか・・・、まあ、パロディでも無いし、普通の小説でも無く、外伝的な、同人的な小説、かな。
普通の小説を読みたい人にはおすすめできません。
(あらすじ)
図書館を訪れた主人公はいつの間にか名探偵「天下一」として別世界に飛ばされていた。そこは「本格推理」の無い世界だった・・・。
「緑幻想 グリーン・レクイエムII」 新井素子 講談社
点数:魚魚
(感想)
10年以上前に読んだ作品の再読。
ものすごく面白くなかったです。内容を全く覚えて無かったのは当時の私でも評価はそれなりだったのでしょうか。
前作「グリーン・レクイエム」は短編にしては詰め込みすぎなので長編にしたほうが良いと思いましたが、今作品は逆に冗長過ぎ。前作と今作品で短編と長編、逆になったほうが良かったかも。
中身は一言で言うと少女漫画の世界、ってことになるのでしょう。女性的な小説の極みです。
しかしもしかすると私自身が年を取ってこういうのが受け入れられなくなっただけなのかもしれません。
(あらすじ)
「グリーン・レクイエム」の続編。拓、夢子、そして明日香のその後のお話。
「ストロボ」 真保裕一 新潮文庫
点数:魚魚魚魚
(感想)
20代~50代の各年代毎に起きたエピソードがそれぞれ1話完結に近い形で書かれているので、連作短編集に近い感じ。
しかし通常は年代順に書かれるところを、逆に50代から始まってどんどん時代をさかのぼってかかれています。これはなかなか面白いところ。
各エピソードにはそれぞれ被写体だったりカメラマン仲間だったり、サブ主人公とも言うべき人物が出てきて、カメラを通して見る彼らの話はそれぞれがなかなか感慨深いものになっています。基本的には硬派な小説。
(あらすじ)
あるフリーカメラマンがカメラに掛けた人生。20代~50代、それぞれの年代に起きた人生の転機を追う。
「グリーン・レクイエム」 新井素子 講談社文庫
点数:魚魚
(感想)
10年以上前に読んだ作品の再読。
内容はほとんど覚えてなかったのですが、タイトルがけっこう印象的だったので読み直してみました。
が・・・思っていた以上に面白くなかったですね。話の流れや雰囲気は良いのですが、文章は稚拙で話の練りこみも甘いです。
まあ、なんか色々話を詰め込みすぎて展開があわただしくなっちゃってるので、もっと話を練りこんだ上で長編にしたほうが良かったんじゃないかと思います。
続編の「緑幻想」も読みなおします。こちらは長編。
ちなみに他の2作品はおまけ程度。
(あらすじ)
少年時代に森で見かけた長い緑色の髪を持つ少女はいったい・・・。表題作「グレーム・レクイエム」ほか「週に一度のお食事を」「宇宙魚顛末記」を収録した短編集。
「OUT」 桐野夏生 講談社文庫
点数:魚魚魚
(感想)
面白かったです。
全体的に少しグロいのが気になるところですが、登場人物たちがなかなか魅力あります。
話の展開する方向が予想外だったのも良かったですね。
(あらすじ)
夜の弁当工場に勤めるパートの主婦4人、仲間のために犯罪に手を染める・・・。
「我らが隣人の犯罪」 宮部みゆき 文春文庫
点数:魚魚
(感想)
身近なところに生まれる犯罪を扱った短編集。犯罪とは言っても、やや明るく軽い雰囲気で書かれています。
見所はあまりないですね。
(あらすじ)
短編集。
「どちらかが彼女を殺した」 東野圭吾 講談社文庫
点数:魚魚魚
(感想)
かなり4点に近い3点。面白かったので最後まで一気に読んでしまいました。
最後もうちょっと違ったふうに書かれていたら4点だったかな。このへんは好みの問題か。
(あらすじ)
連絡が取れなくなった妹の身を案じて上京した兄・康正は、妹が部屋で死んでいるのを発見する。現場の様子から自殺に偽装された殺人と判断した康正は、自分の力で犯人を探し出すために他殺の痕跡を隠蔽する。そして容疑者は妹の元恋人と親友の2人に絞られる・・・。
「四季 冬」 森 博詞 講談社ノベルス
点数:魚
(感想)
詩的と言うか抽象的と言うか、そんな風に書かれており、全編がS&Mシリーズと四季シリーズのエピローグみたいな感じで、ストーリーとかその辺は皆無に近いです。
こう言った作品の良さがわからない私が未熟なのか、文芸家気取りが失敗しただけなのかはわかりませんが、面白いか、面白くないか、で言ったら全く面白くないので1点つけときます。
(あらすじ)
四季シリーズ最終巻。
「夢・出逢い・魔性」 森 博詞 講談社文庫
点数:魚魚魚
(感想)
いつも以上にキャラ立ってて良いですね。
ミステリ部分も今回はちゃんと(?)作られてて面白かったですが、微妙に納得できない部分も出てくるかも。
(あらすじ)
瀬在丸紅子とその愉快な仲間たち(?)が活躍するVシリーズ。
クイズ番組に出場するためにTV局に集まっていた紅子といつもの面子。幽霊の夢に怯えていたTV局プロデューサーが殺される。
「天空の蜂」 東野圭吾 講談社文庫
点数:魚魚魚
(感想)
まあ、普通かな。よく書けてるとは思います。
ただ、東野小説のいつもの淡々とした調子なので、メッセージ性もやや薄く感じるし、パニック&クライシスものだけどそのへんもアッサリしてるので少し物足りない感じ。やっぱりこういう小説は熱く書いてもらわないと。
舞台となる原子力発電所は(作品中は偽名を使ってますが)高速増殖炉「もんじゅ」なので、読む前に地図や外観を見ておくとイメージ掴みやすいかも。
あと原子力発電に関する説明がけっこう出てくるので、興味ない人はそのへんきついんじゃないかな。
(あらすじ)
防衛庁が発注した超大型掃海ヘリコプター。そのお披露目式の日、突如無人のまま動き出し飛び去って行ってしまう。行方不明になったヘリは上空でホバリングしているのを発見される。そこは原子力発電所の真上だった・・・。
「坊さんがゆく」 竹山 洋 NHK出版
点数:魚魚魚
(感想)
同名NHKドラマの小説。
面白いんですけど、後半もっと主人公の大山を極端に書いても良いかも。終わり方も微妙。
(あらすじ)
郵便局員の大山は寺の住職の娘と結婚するため禅寺に半年間の修行に出る。
「毒笑小説」 東野圭吾 集英社文庫
点数:魚魚
(感想)
コメディ短編小説。怪笑小説の続編ですね。
怪笑小説のほうがコメディ・ユーモア要素が大きかったですね。こっちはそれ以外の普通の短編も入ってる感じ。怪笑小説のほうが良かったので採点は1つ下で。
(あらすじ)
短編集。全12編を収録。
「解夏」 さだまさし 幻冬舎文庫
点数:魚魚魚魚
(感想)
面白かったです。短編では初めて4点つけました。
いやー、短編は短編で良いですね(^^;) 冗長な部分が無く、シンプルに作者の書きたいことが伝わってくるのが良いです。
基本的にはテーマは全編家族愛ですかね。どの作品も面白かったです。
(あらすじ)
視力を徐々に失っていく病にかかった青年を描く表題作「解夏」ほか全4篇を収録する短編集。
「虹を操る少年」 東野圭吾 講談社文庫
点数:魚魚魚
(感想)
超能力的と言うか幻想的な部分がメインで、東野小説の中でも少し特殊かも。そのあたりけっこう好き嫌いが分かれる小説じゃないかと思われます。
個人的にはけっこう気に入ったのですが、全体的に少女漫画チック&Teenager向け映画の原作っぽい感じも受けます。
(あらすじ)
光に多感な少年・光瑠は自ら「光楽」と呼ぶ光の演奏で若者たちを魅了していく。しかし大人たちはその力を素直に認めなかった・・・。
「月は幽咽のデバイス」 森 博詞 講談社文庫
点数:魚魚
(感想)
まあ至って普通ですね。
けどミステリ部分はちょっと厳しいですね。やっぱりこのシリーズはミステリ不要かも。
(あらすじ)
瀬在丸紅子とその愉快な仲間たち(?)が活躍するVシリーズ。
屋敷でのパーティの最中、客の一人が密室の中から惨殺死体で発見される。
「蒲生邸事件」 宮部みゆき 文春文庫
点数:魚魚魚魚
(感想)
面白かったですね。人と歴史を感じさせる小説です。
日本SF大賞受賞作で確かにSF要素もありミステリっぽいところもありますが、まあそのへんのカテゴリはあまり気にする小説ではないですね。
(あらすじ)
ホテル火災に見舞われた受験生・孝史は、時間旅行者によりタイムスリップで火災現場から救出される。時間移動した先は昭和十一年、ニ・ニ六事件が起こる直前だった・・・。
「美しき凶器」 東野圭吾 光文社文庫
点数:魚魚
(感想)
化け物が大暴れする漫画の世界ですね。
あと、警察の推測が当たりすぎ。そのへんも含めてお話の現実味がかなり乏しく、物語に入っていけませんでした。
(あらすじ)
「タランチュラ」と呼ばれる謎の殺人鬼が復讐のため元スポーツ選手4人に迫る・・・。
「人形式モナリザ」 森 博詞 講談社文庫
点数:魚魚
(感想)
いわゆる動機の部分や話の全体像には光る部分がありましたが、それ以外はあまり惹かれるものはなかったです。
キャラも今回はちょっとパワーダウンか? 正直、このキャラたちでミステリでは無い小説が読みたいかも。
(あらすじ)
瀬在丸紅子が活躍するVシリーズ。
操り人形劇を行う伝統芸能「乙女文楽」の舞台の最中、演者が謎の死を遂げる。乙女文楽を受け継ぐこの一家には2年前にも殺人事件が起こっていた・・・。
「スカイ・クロラ」 森 博詞 中央公論新社
点数:魚魚魚
(感想)
まず、かっこつけて書いてる文章・セリフが読んでて寒いです。森作品はいくつも読んでますが、何をすかしているんだろうか、と。
また、時代背景や世界設定なんかの説明が全く書いてありません。Where?、When?、Why?が完全に抜けており、Who?も部分的な説明しか無い。当然、意図してそうしてるんでしょうけど、いったいどういう理由があるのかがよくわからないですね。次回作の発売が予定されているので、この作品はあくまでそのプロローグ的な扱いで、徐々に明らかになって行くのでしょうかね?
この作品がシリーズ物の第一巻なのだとしたら、そのシリーズが良作になるポテンシャルはかなり秘めていると思いますが、この作品だけで評価した場合、ちょっと高い評価は与えられないですね。
最後に、もし作者がこの作品(シリーズ)で「エヴァンゲリオンを書きたかった」と言うのでしたら、納得できる部分は多くあります。
(あらすじ)
戦闘機パイロットの話。
「怪笑小説」 東野圭吾 集英社文庫
点数:魚魚魚
(感想)
コメディ短編小説です。
少し時間があいたときなど、気軽に読むには良い本ですね。
(あらすじ)
短編集。芸能人にはまった老女のお話「おっかけバアさん」、UFOの正体は文福茶釜であると主張する「超たぬき理論」、某有名小説に似てるような気もする「あるジーサンに線香を」等全9編を収録。
「無間人形 新宿鮫IV」 大沢在昌 光文社文庫
点数:魚魚魚魚
(感想)
まあこれもいつも通りの面白さ。
新宿鮫シリーズの面白さは漫画とかアメリカの娯楽映画に近いですよね。読んでる途中すごく楽しくて、最後読み終わって「あー、面白かった」で終わる、そんな感じ。
とりあえずこのシリーズ読むのはここで一区切りつけるつもりです。面白いのはもうわかってるので、他にまだ読んだことない本を優先して読みたいなと。
しばらくしたらまたこのシリーズ読みたくなるでしょうから、そのときまた読みます。
(あらすじ)
「新宿鮫」として怖れられる一匹狼の新宿署刑事・鮫島。若者の間で流行する新型覚せい剤「アイスキャンディー」。鮫島は密売ルートを追う。直木賞受賞作。
「屍蘭 新宿鮫III」 大沢在昌 光文社文庫
点数:魚魚魚
(感想)
いつも通りエンターテインメント性が高く、面白かったです。
が、3巻まで読んでみて、展開がワンパターンかもって気がしてきました・・・。まあ面白いんですけど。
(あらすじ)
「新宿鮫」として怖れられる一匹狼の新宿署刑事・鮫島。鮫島の知人である、コールガールの元締めが不可解な死を遂げる。
「回廊邸殺人事件」 東野圭吾 光文社文庫
点数:魚魚魚
(感想)
いたって普通の東野小説、と言った感じ。面白さもまあ普通。
(あらすじ)
老婆に変装した枝梨子は、かつて自分が秘書を勤めた会社社長の遺言状が公表される「回廊亭」を訪れる。そこには自分を殺そうとした人物がいるはずだから・・・。
「黒猫の三角」 森 博詞 講談社文庫
点数:魚魚魚
(感想)
いちおう?ミステリなんですが、キャラものと言って良いかも。
多くの魅力的な登場人物たちのキャラは光ってて良いのですが、ミステリとしては・・・まあ良く言って普通。
殺人事件が起きてるのに何かほのぼのとしてると言うか、マッタリしてると言うか。ちょっとコメディっぽい感じ(※あくまで「感じ」)で緊迫感は無いです。おそらくこのシリーズ自体、そういう路線なんだと思います。
作品としての完成度も悪くないと思います。ともかくミステリとしてトリックなんかを楽しむのではなく、登場人物たちのキャラクタを楽しむ感じで。
(あらすじ)
瀬在丸紅子が活躍するVシリーズ。
3年連続同じ手口で殺人事件が発生。被害者の年齢は11歳、22歳、33歳。そして今年は44歳の女性の元に予告状と思われる手紙が届く。
「今はもういないあたしへ・・・」 新井素子 ハヤカワ文庫JA
点数:魚魚魚魚
(感想)
わたしが新井素子にはまるきっかけとなった作品。中篇2作収録で、基本的には両者ともSF。
この作品に限らず、新井氏の作品は登場人物、特に女性の心理描写が上手いですよね。どの作品も似たような女性って噂もありますが・・・。
この作品は終わり方も良かったです。
(あらすじ)
交通事故にあった主人公は緊急手術で一命を取り留めるが、手術しばらく後、自分の体に異変を感じ始める・・・。表題作「今はもういないあたしへ・・・」と「ネプチューン」の中篇2編を収録。
「四季 秋」 森 博詞 講談社ノベルス
点数:魚魚魚
(感想)
「すべてがFになる」から始まって「有限と微小のパン」で完結したS&Mシリーズのその後の話です。と言うか、「秋」に来てやっとその話になりました。
時間軸で言うと、「四季 春」「四季 夏」があって、S&Mシリーズを挟み、「四季 秋」となってます。
この本でも相変わらずVシリーズの登場人物も出てきており、相変わらずVシリーズ未読の私は背景がよくわからないです。そういう意味ではこの本の楽しみを少し損してるかも。
内容的にはS&Mシリーズファンからするとなかなか面白かったです。けどその面白さは「ファンサービス」の域(つまり、ファンの声に答えて書いた外伝を読むような楽しみ)を越えていないと思います。
まあとりあえず「四季 冬」がどう綴られる楽しみにはなりました。S&Mシリーズ、Vシリーズとも、「冬」で本当の完結を見るのかどうか。「冬」出る前にVシリーズもちょっと読んでおく予定。
ちなみにこの「秋」ですが、S&Mシリーズ読んでない人、特に「すべてがFになる」を読んでいない人には絶対にお勧めできません。ネタばれしてるってのもありますが、何よりも話の流れが全く理解できないと思います(※Vシリーズ読んでない私もこの本の全ては理解してないはず)。
こんな四季シリーズでも発売されると週間ベストセラートップ10(ノベルズだと1位)に必ず顔を出すんだから、よっぽどファンが多いんでしょうね。
(あらすじ)
犀川創平と西之園萌絵が真賀田四季の残したメッセージを探る。
「宿命」 東野圭吾 講談社文庫
点数:魚魚魚
(感想)
なかなか面白かったです。東野作品、前回のブルータスの心臓でも感じましたが、やはりこの頃から現在のテイストが濃いですね。
ただ、最後のところ、色々話を詰め込みすぎてるような。そんなに凝らなくても全体的によく出来てるのでもうちょっとシンプルでもいいんじゃないかな。
物語の最後に話をこねくり回すのが東野作品の大きな特徴でもあるとは思うんですけど・・・。
(あらすじ)
会社社長が前社長のコレクションのボウガンで殺された。事件を担当する和倉刑事が前社長宅を訪れると、そこは和倉刑事幼少時代からのライバルの実家だった・・・。
「理由」 宮部みゆき 朝日文庫
点数:魚魚
(感想)
3点でもいいかな。つまらないってことはなかったですが、特に面白かったところもないのでちょっと厳し目に2点。
事件解決後、事件に関係した人たちにインタビューする、という形式でかかれています。ライターが書いた報告書のような感じですね。
このスタイル、好みにも寄ると思いますが、臨場感や緊迫感が犠牲になってしまう分、個人的には少し減点ポイントかな。少なくとも普通に書かれていたら3点つけたんじゃないかなと。
(あらすじ)
東京荒川区の高級マンションで起こった一家4人殺人事件。殺されていたのはマンション所有者とは異なる身元不明の4人だった・・・。直木賞受賞作。
「壬生義士伝」 浅田次郎 文春文庫
点数:魚
(感想)
非常に読みにくい。読みにくさで1点。
主人公・吉村貫一郎に関わった人物達が彼に関する話を語る、と言うスタイルで書かれています。そのため文章のほとんどが「語り」なので、話があちこちに飛ぶ上、時系列もまとまってない。「語り」と言うことで、(素人が好き勝手にしゃべっていると言う形式のため)話がまとまっていないところでリアリティを出そうとしてるんだと思いますけど。
また、そもそも幕末の時代に合わせた文章・口調なので読みにくくて仕方ない。
文庫本の「解説」を読むと、時代小説ファンは文章や登場人物の口調にその時代にあったリアリティを求めるとかで、この本に関してもその点を誉めてたりするんですが、わたしのように時代小説ファンでも何でもない人からすると苦痛でしかない。そのうざったさに読んでる最中、何度も本を破り裂きたくなりました。
まあ、ともかく上・下巻で話長いこともあって、お金と時間を相当無駄にした気分です。ちなみに内容的にもせいぜい2点。
(あらすじ)
脱藩して新撰組に入った吉村貫一郎の生涯をつづる。
「ブルータスの心臓」 東野圭吾 光文社文庫
点数:魚魚魚魚
(感想)
面白かったです。
東野氏の初期の作品なんですが、最近の作品、特に「ゲームの名は誘拐」(映画「g@me.」原作)に良く似たテイストを持ってます。
最初から最後まで緊張感があり、展開が気になってどんどん読み進めてしまうような作品なので誰にでもお薦め。映画「g@me.」を見て東野作品が気になる人には特に。
(あらすじ)
将来を嘱望され会社オーナーの娘の婿養子候補に成り上がった末永は、愛人を殺すため完全犯罪計画に参画する・・・。
「殺人現場は雲の上」 東野圭吾 光文社文庫
点数:魚魚
(感想)
コメディ系の連作短編集です。分野としてはいちおうミステリ。
まあ、キャラものですね。しかし主人公(のあだ名)がエー子とビー子って・・・。
(あらすじ)
優秀で容姿端麗なエー子と落ちこぼれでやや太めのビー子のでこぼこスチュワーデスコンビが奇妙な事件に遭遇する連作短編集。
「毒猿 新宿鮫II」 大沢在昌 光文社文庫
点数:魚魚魚魚
(感想)
相変わらずかっこいい。出てくるやつらみんなかっこ良すぎ。
スリルがあって迫力もある。最高のエンターテインメントハードボイルド小説。
(あらすじ)
「新宿鮫」として怖れられる一匹狼の新宿署刑事・鮫島。日本に潜伏した台湾の殺し屋「毒猿」を追う。
「アクロイド殺し」 アガサ・クリスティ ハヤカワ文庫
点数:魚魚
(感想)
あらすじはあまり覚えてませんが、トリックはよく覚えてます。
このトリック、当時ミステリファンの間でフェアかアンフェアか大いなる物議を醸し出したそうで。そういう話を聞いていた上で読んだのですが、確かに微妙だなと感じましたね(※現在では事実上フェアとして認められていると思います。なぜかは・・・読めばわかるかと)。
新たな分野を確立した超有名作品。
(あらすじ)
-
「そして誰もいなくなった」 アガサ・クリスティ ハヤカワ文庫
点数:魚魚魚魚
(感想)
アガサ・クリスティの代表作、と言うかミステリ界を代表する超有名作品。
「童謡の通りに次々と殺されていく・・・」一つの分野を確立した作品ですよね。まあ、ミステリファンでこれを読んでいない人はいないと思いますけど。
(あらすじ)
インディアン島に招かれた10人が童謡の通りに次々と殺されていく・・・。
「鳥人計画」 東野圭吾 角川文庫
点数:魚魚魚
(感想)
ミステリーですが、良いお話でした。最後はいつもの東野マジック。
この話、スキーだけじゃなくてオリンピックスポーツ全体に通じるものがありますね。そういうスポーツに関わってる人とか打ち込んだことがある人だったらなおさら感慨深いものがあるかも。
また、殺された選手がすごくいい奴だったのでちょっとかわいそう。
(あらすじ)
日本スキージャンプ界の次世代を担う若き天才プレーヤーが毒殺される。
「新宿鮫」 大沢在昌 光文社文庫
点数:魚魚魚魚
(感想)
ハードボイルドの刑事小説、まさにその通りの内容で、単純に面白いし単純にかっこいい。
(あらすじ)
「新宿鮫」として怖れられる一匹狼の新宿署刑事・鮫島。連続警官殺人事件を追う。
「四季 夏」 森 博詞 講談社ノベルス
点数:魚魚
(感想)
「すべてがFになる」(以下「すべF」)に登場した天才科学者・真賀田四季の13歳の物語です。四季シリーズの第2巻。
やっぱりこれも完全に森作品ファン向け。
特に今作はわたしがまだ読んでいない「Vシリーズ」の登場人物が多く登場するのですが、この作品では彼らがどういう人物なのか詳しく書かれておらず、突然登場して人物像も良くわからないまま勝手に話が進んでいくので、読んでるこっちは置いてけぼりを食らわされた感じを受けました。
厳しい言い方をすれば、同人作品のようです。
また、「すべF」で触れられていた真賀田四季の少女時代のあのエピソードの一部始終が描かれています。「すべF」を読んでこのへん気になっていた人は読んでみると良いと思います。
ともかくこの作品、「すべF」もVシリーズも読んでない人はさっぱりわからないでしょうね。「すべF」を含むS&Mシリーズ読破してるわたしでさえ、全然面白くないんですから。
(あらすじ)
天才科学者・真賀田四季、13歳の物語。
「人質カノン」 宮部みゆき 文春文庫
点数:魚魚魚
(感想)
宮部みゆき(!)の短編集(!?)と言うことで、「それどう考えても地雷じゃねーの?」と思われるかもしれませんが、まあそれは置いといて。
「人づきあいが希薄な都会の中、限られた情報から他人についてあれこれ想像する(プロファイリングする)」ってところを主眼に全編書かれています。お話は悪くないですけど、基本的に全編暗い雰囲気で話が進むので、そういうの読みたい気分じゃない人にはお薦めしません。
(あらすじ)
表題作を含め7作品を収めた短編集。
「ウインクで乾杯」 東野圭吾 祥伝社文庫
点数:魚魚
(感想)
東野氏の初期の作品で普通のミステリーです。これも特に面白みもないですね。
(あらすじ)
パーティ・コンパニオンの同僚が仕事先ホテルで毒を飲んで死んでいた。警察は自殺と判断するが・・・。
「ゲームの名は誘拐」 東野圭吾 光文社
点数:魚魚魚魚
(感想)
2003年11月8日公開、仲間由紀恵主演映画「g@me.」の原作。
面白かったです。非常に読みやすく、テンポも良いし、最後まで手に汗握る展開。
ただ、終盤まですばらしいのですが、終わり方がちょっと微妙かな。
(あらすじ)
取引先企業の副社長から担当プロジェクトを外された佐久間は副社長の娘と狂言誘拐を共謀する。
「冷静と情熱のあいだ Rosso」 江國香織 角川文庫
点数:魚魚
(感想)
終盤まで話に展開が無く、マッタリしすぎのような。
(あらすじ)
イタリア・ミラノで恋人マーヴと幸せに暮らすあおいの物語。
「孤島パズル」 有栖川有栖 創元推理文庫
点数:魚魚魚
(感想)
有栖川作品で前回レビューした「双頭の悪魔」と同じく純粋なミステリ小説。
やはりこの作品も非常に読みやすく、漫画のように読み進むことができると思います。純粋にミステリを読みたい人にはお薦め。
(あらすじ)
パズル好きの資産家が宝を隠したと言われる南海の孤島。大学推理小説研究会のメンバーが宝探しに訪れるが、殺人事件が起こる。
「眠りの森」 東野圭吾 講談社文庫
点数:魚魚
(感想)
これも普通のミステリですね。見所無し。
(あらすじ)
一見華やかだが厳しいバレエの世界。そのバレエ団の回りで殺人事件が起こる。
「暗闇坂の人喰いの木」 島田荘司 講談社文庫
点数:魚魚魚魚
(感想)
すばらしいですね。お話が非常に面白いです。
話のスケールも大きいし、登場人物も魅力的です。純粋なミステリーなのですが、犯人探しやトリック暴きなんかしながら見るのはお薦めしません(トリックが微妙ってのもありますけど・・・)。この小説はミステリーでありながらその辺は重要な部分では無いと思いますので。
(あらすじ)
御手洗潔シリーズ。
さらし首の名所、暗闇坂に立つ樹齢二千年の大木は、数十年前に少女の惨殺死体が吊るされ「人を食べる」と噂される。その木の脇に立つ西洋館の屋根の上で死体が発見される。
「冷静と情熱のあいだ Blu」 辻 仁成 角川文庫
点数:魚魚魚
(感想)
うーん、別に面白くはないですけど・・・お話としてつまらないってことはないので3点。
しかしなんでこんな中性的な文章なんでしょうか。こういうほうが受けが良いのかも知れませんが、なんかかっこつけてるようであまり好きじゃないですね。
あと、この主人公、一歩間違えるとストーカーになりうるな。
(あらすじ)
イタリアのフィレンツェ-。絵画の修復士である順正は現在の仕事、恋人、そして昔の恋人との8年前の約束の間で揺れ動く。
「水車館の殺人」 綾辻行人 講談社文庫
点数:魚魚魚
(感想)
やりたい放題ですね。現実的に考えるとむちゃくちゃなことばかり。
まあそういう点を深く考えなければそんなに悪くはないと思います。深く考えずに読め、と。
(あらすじ)
深い傷を隠すため常に仮面を被る主人と幽閉される美少女が住む「水車館」。1年前に起きた殺人事件、その当時集まっていた客が再び水車館で顔を合わせる・・・。
「北の海」 井上 靖 新潮文庫
点数:魚魚魚
(感想)
こういう作品は趣向が違うので他と同列に評価するのは難しいですね。特にこの作品は自伝的小説なので、何か事件があるわけでもないし、話に何かオチがあるわけでもないです。
小説の評価とは別ですが、これを読むとますます高専柔道とブラジリアン柔術ってやりたいことは一緒なんだなって思いますね(格闘技の部分を期待して読んでもあまり面白く無いと思います)。
少年期を扱った「しろばんば」もそのうち読んでみようかな。
(あらすじ)
高専柔道に魅了された青春時代を描く自伝的小説。
「十字屋敷のピエロ」 東野圭吾 講談社文庫
点数:魚魚
(感想)
かなり普通のミステリですね。東野氏にしては珍しいかも。
特に特長も無いので2点。
(あらすじ)
持ち主に不幸を呼ぶピエロの人形。今日もピエロの目前で事件が起こる・・・。
「太陽の季節」 石原慎太郎 新潮文庫
点数:魚魚
(感想)
約50年前の作品です。
当時の言わば「危険な若者」を描いた作品(が3篇と、ヨットのお話が2篇)で、今で言うと「池袋ウェストゲートパーク」なんかに近いんじゃないでしょうか。
暴力的なシーンが多いし女性の扱いもひどいので、まあ当時物議を醸し出して当然、と言うかそれが作者の狙いのように見えます。余談ですがこんなの書いた人が現在都知事やってるのかと思うと「うーん・・・」と思ってしまいますね。
個人的には「ヨットと少年」が一番面白かったかな。
(あらすじ)
表題作「太陽の季節」をはじめ全5篇を収録した短編集。
「しのぶセンセにサヨナラ」 東野圭吾 講談社文庫
点数:魚魚魚
(感想)
「浪花少年探偵団」の続編です。前作と同じく連作短編。
基本的に前作と同じノリで相変わらず面白いです。読みやすいし、漫画に近い感覚で読めるんじゃないかと思います。
このシリーズ、これ以上書く予定が無いということなので残念。
ところで「浪花少年探偵団」って山田まりあ主演でドラマ化されてたんですね。全然知らなかった。ちなみに漫画化もされてます。
(あらすじ)
「浪花少年探偵団」のしのぶ先生が活躍する連作短編集
「鉄鼠の檻」 京極夏彦 講談社ノベルス
点数:魚魚魚
(感想)
読みにくいですね。
お寺が舞台で名前の覚え辛いお坊さんばかり出てきたり、仏教の話がそこかしこに出てきたり、お坊さんが古臭い言葉遣いでしゃべったり。
(あらすじ)
人知れず山奥に佇む明慧寺。取材のため訪れた記者らの回りで次々と僧が殺される・・・。
「天国までの百マイル」 浅田次郎 朝日文庫
点数:魚魚魚魚
(感想)
浅田次郎氏の作品で、これも感動作ですね。登場人物も活きてます。
ただ、話の焦点・テーマがちょっと絞れてないような。「百マイル」の部分をもっとクローズアップしたほうが良かったんじゃないかな。
あと最後のほうの電話の内容もあれを自分の口から言うのはどうかと。
(あらすじ)
エリート兄弟の中、ひとりバブル崩壊で破産して落ちぶれた城所安男。心臓病を患った母を救うため、百マイル離れた病院に自らの手で母を運ぶことを決意する・・・。
「浪花少年探偵団」 東野圭吾 講談社文庫
点数:魚魚魚
(感想)
短編(連作短編)だけど面白かったです。
タイトルは少年探偵団ですが、主人公は小学校の女性教師で、この主人公が非常に魅力的ですね。内容もコミカルです。
短編に抵抗ない人や、暇つぶしに何か読みたい人にはお薦め。
(あらすじ)
大路小学校6年5組担任竹内しのぶ、25歳独身。美人なんだけど・・・、外見とは裏腹にキャラは強烈な浪花のおばちゃん。身近に事件が起これば当然首を突っ込んで教え子たちと事件解決!
「魔球」 東野圭吾 講談社文庫
点数:魚魚
(感想)
読みやすくテンポも良く、決して面白くないわけではないのですが、何か一つ魅力に欠ける(登場人物や舞台は魅力あるんですが、それを活かしきれてないと言うか)、特長に欠ける感じですね。で、2点。ほんと、悪い小説ではないのですけど・・・。
あと動機がちょっと弱いかな。
(あらすじ)
甲子園のマウンドに上がる天才ピッチャー。1点差の九回裏2死満塁2ストライクで投げた最後の一球は・・・。大会数日後、野球部の捕手が死体で発見される。「魔球を見た」と言うメッセージを残して・・。
「人形館の殺人」 綾辻行人 講談社文庫
点数:魚魚
(感想)
最初から最後まで暗い文体で読みづらいですね。
トリックもありがちかつバレバレですかね。
(あらすじ)
不気味にマネキンが点在する「人形館」を父から引き継いだ主人公の周りで不審な出来事が頻発する。
「11文字の殺人」 東野圭吾 光文社文庫
点数:魚魚
(感想)
ミステリなんですが、お話があまり面白くなかったです。キャラは良いんですけど。
あと、前作に続いてこのタイトルもどうかと。当時「~の殺人」ってのが流行ってたんだろうか?
(※追記:作者いわく、タイトルを変えられたとのこと。本人もこのタイトルには絶句したとか。)
(あらすじ)
主人公の彼氏は自分が誰かに狙われていることをほのめかし、その日に殺された。真相を追求する主人公だが、その先で連続殺人が起こる・・・。
「四季 春」 森 博詞 講談社ノベルス
点数:魚魚
(感想)
新刊です。このレビューでは新刊は初めてですね。
「すべてがFになる」で有名な天才科学者・真賀田四季の幼少時代の物語です。タイトル「四季 春」からわかる通り、春夏秋冬の4部作第一部です。これから2ヶ月毎に刊行するらしい。
内容はまあミステリと言うより、四季の天才振りがメイン、と言って良いですかね?したがって、ややS&Mシリーズや作者のファン向け作品の感が強いです。
もし4部作でストーリーがつながってるなら、この時点で評価するのも早計かもしれません。
(あらすじ)
天才科学者・真賀田四季、幼少時代の彼女と、彼女が遭遇した密室殺人事件。
「迷路館の殺人」 綾辻行人 講談社文庫
点数:魚魚
(感想)
トリックがメインのミステリなんですが、トリック自体あまり面白くないですね。
こういうトリックメインの小説はどうもただの長い推理ものクイズにしか見えなくて・・・。トリックだけじゃなくてお話でも魅せて欲しいところです。
(あらすじ)
迷路館に集まった推理作家4名のうち、最も優れた小説を書いたものに数億の遺産が与えられる。作家たちは館内で執筆に取り掛かるが、連続殺人が起こる・・・。
「名探偵の掟」 東野圭吾 講談社文庫
点数:魚魚
(感想)
いろいろなスタイルのミステリ(密室とか童謡とか)のパロディを載せた連作短編集。
パロディ小説なので基本的には本気で読むものではなく、暇つぶしに読むものですね。短編ですし。ミステリが好きな人ほど面白いかも。
(あらすじ)
いつも名探偵の脇役として出てくる警部。彼はあくまで名探偵の引き立て役であって、彼が真相に近づいてはならないのだ。そう、例え真相がわかっていたとしても・・・。
「双頭の悪魔」 有栖川有栖 創元推理文庫
点数:魚魚魚
(感想)
純粋なミステリ小説ですね。
読みやすく登場人物も活きており、ミステリとしても面白かったです。まあ、普通に純粋なミステリで何か特長があるってわけでもないので3点で。読みやすさとキャラで4点つけようかなとも思いましたけど。
このシリーズはもう少し読んでみる予定。
(あらすじ)
山奥の芸術家村に滞在する友人を迎えに行くため、大学の仲間が村を訪れる。が、村人は他人の侵入を拒む。潜入を試みる仲間、嵐で孤立する村、そして殺人が起こる・・・。
「魔女たちの長い眠り」 赤川次郎 角川文庫
点数:魚
(感想)
前半小さなエピソードの寄せ集め、後半はスーパーマンが出てきて一気に解決。楽なもんですね。
まあ、オカルトはダメってことで。
(あらすじ)
ルームメイトの友人が殺された・・・、刑事の一報に驚く洋子は、前の晩、友人の母も故郷で亡くなったことを刑事に伝える。しかも母の死を伝えた父は「帰ってくるな」と友人への伝言を残していた・・・。
「学生街の殺人」 東野圭吾 講談社文庫
点数:魚魚魚魚
(感想)
「東野氏の初期作品はダメですね。」・・・前言撤回します。これは4作品目。面白かったです。
ミステリなんだけど、そこはメインじゃないですね。登場人物が活きててストーリーも良いです。東野ワールド全開と言ったところ。
しかしこのタイトルはちょっとどうかな。これだと普通の何でもないミステリ小説みたいに見えちゃいますね。
(あらすじ)
寂れつつある学生街でバイト仲間が殺される。そして主人公の周りで新たな悲劇が・・・。
「白馬山荘殺人事件」 東野圭吾 光文社文庫
点数:魚
(感想)
ミステリ風クイズの長いやつ、と言った感じです。トリックだけで中身はほとんど意味ありません。
東野作品らしく、最後に小手先だけの捻りが入ってます。全体がつまんないので全然意味ないけど。
東野氏の初期作品はダメですね。切れが無いです。これは3作目。
(あらすじ)
白馬のペンションでの兄の自殺に疑問を持った妹が真相を明らかにするためにペンションを訪れる。そこでまた新たな死者が。
「卒業 -雪月花殺人ゲーム-」 東野圭吾 講談社文庫
点数:魚魚
(感想)
お話自体、悪くはないですが、特に面白いってわけではないので2点。
一応ミステリですが、トリックはあまり面白くないですね。お話の終わり方はけっこう好きかな。
(あらすじ)
大学卒業を控えた友人が密室で手首を切った出血多量死で発見される。自殺か他殺か・・・事件を調べているうちにまたも友人が謎の死を遂げる・・・。
「生ける屍の死」 山口雅也 創元推理文庫
点数:魚魚
(感想)
作者はこの作品で「死んだ人間が蘇る世界でミステリは成立するのか?」という命題に取り組んだんでしょうね、きっと。
ミステリとしては面白かったです。謎も真相も中々良くできてましたね。
が、最後までちょっとお話に入っていけなかったので2点。舞台が外国で翻訳風の文章の書き方が悪いのか、死者が蘇る設定が生理的にダメだったのかよくわかりませんが。
(あらすじ)
死者が次々と蘇る事件が起こる中、霊園経営者の一族で殺人事件が起こる・・・。
「有限と微小のパン」 森 博嗣 講談社文庫
点数:魚魚魚
(感想)
シリーズ完結編ってことでちょっと期待しすぎたかな。つーか、あまり完結してないような・・・。
これまでと違って序盤から緊迫感のある展開でしたが、終盤やや尻つぼみですかね。
(あらすじ)
大学助教授・犀川創平とその教え子である大学生・西之園萌絵が事件の謎を解くS&Mシリーズ。
テーマパークで不可思議な事件が次々と起こる。
「数奇にして模型」 森 博嗣 講談社文庫
点数:魚魚魚
(感想)
面白かったです。ミステリとしても面白かったし、登場人物間のやり取りもいつも以上に冴えてますね。これまでの同シリーズの中では総合的には最も評価高いかも。4点に限りなく近い3点。
(あらすじ)
大学助教授・犀川創平とその教え子である大学生・西之園萌絵が事件の謎を解くS&Mシリーズ。
大学研究室で女子大学院生が密室状態で殺される。ほぼ同時刻、大学近くで行われている模型交換会の控え室でも密室殺人事件が起きた。発見された交換会の死体には首が無かった・・・。
「今はもうない」 森 博嗣 講談社文庫
点数:魚魚
(感想)
うーん、小説としては悪くないと思うし、人によっては好評価の小説じゃないかと思うんですが、個人的にはちょっと好きになれなかったかな。トリックもちょっとあれだし・・・。
作者はシリーズの型に囚われず色々やってみたいんでしょうかね? この作品に限った話ではないですが、このシリーズに関しては普通に理系ミステリで貫いて欲しかったところですね。
(あらすじ)
大学助教授・犀川創平とその教え子である大学生・西之園萌絵が事件の謎を解くS&Mシリーズ。
西之園家の隣の別荘で密室殺人が起こる。
「斜め屋敷の犯罪」 島田荘司 講談社文庫
点数:魚魚魚
(感想)
相変わらずトリックがすばらしいと言うか、突飛と言うか。ちょっとトリックがメインになりすぎちゃってるかな?
とぼけた御手洗潔が事件をズバッと解決するのは痛快ですね。
(あらすじ)
御手洗潔シリーズ。
斜めに傾いた奇妙な館で密室殺人が起こる。
「放課後」 東野圭吾 講談社文庫
点数:魚魚魚
(感想)
東野圭吾デビュー作です。
淡々とした文章はデビュー作のときもあまり変わりないんですね。トリックも中々良く出来ており、結末はいかにも東野氏の作品らしい、と言ったところでしょうか。
(あらすじ)
何者かに狙われている-、主人公の女子高教師の回りに不審な出来事が起こる中、同僚の教師が校内で殺される・・・。女子高を舞台にした学園ミステリー作品。
「夏のレプリカ」 森 博嗣 講談社文庫
点数:魚魚魚
(感想)
犀川&萌絵シリーズなのですが、二人の出番はあまりありません。前作「幻惑の~」のサイドストーリーのような感じかな(※同時期に起こった事件ってだけで、ストーリー上のつながりはありません)。
二人の掛け合いがシリーズの最大の魅力だと思いますので、これが少ないとちょっと肩透かしを食らった感じになります。さらに今回は舞台が理系大学でも無くトリックも理系では無いので、シリーズの2大特長が欠けていることになりますね。
終盤までテンポが悪いのですが、トリックは良く出来てるので3点。
(あらすじ)
大学助教授・犀川創平とその教え子である大学生・西之園萌絵が事件の謎を解くS&Mシリーズ。
萌絵の友人、杜萌とその家族が誘拐される。犯人は何者かに殺され、杜萌の兄だけが行方不明になる・・・。
「世界は密室でできている。」 舞城王太郎 講談社ノベルス
点数:魚
(感想)
連作短編風青春ライトノベルス(ミステリ風味)、とでも言うべきかな。
宮部みゆきの「ステップファザー・ステップ」みたいな軽いノリですが、内容的にはあれよりはまだましかなと。途中まで0点つけようかと思ってましたが、最後のほうでやや持ち直した感じ。4部屋のトリックは中々良かったですが、できれば他の本格ミステリ小説あたりで見たかったかな。
主人公が中~高校生で文章が女性的でもあるので女子中高生には受けが良いかも。このへんも「ステップ~」と似たところ。
しかし改行が少なく、会話部分も改行無しで書かれてるのでやや読みにくいです。1ページに2つ段落あれば良い方か?これはいったい何の意味があるんだろうか?
(あらすじ)
少年名探偵ルンババが数々の密室の謎を解く。
「奪取」上・下巻 真保裕一 講談社文庫
点数:魚魚魚
(感想)
2転、3転するお話は面白かったです。けどちょっと展開が漫画っぽいかな?
ヤクザ・借金・偽札と、テーマは一見お堅い本格犯罪小説(?)っぽいですが、中身はかなりポップな感じなので読みやすいです。
専門用語がたくさん出てくる(偽札作りに関する)説明箇所がいくつかあるのですが、この部分が必要かどうかかなり疑問。読んでて苦痛なだけで、文字数を稼いでるだけにしか見えませんね。
(あらすじ)
ヤクザ絡みの街金から多額の借金をした友人のため、偽札作りを計画する。
「幻惑の死と使途」 森 博嗣 講談社文庫
点数:魚魚魚
(感想)
マジシャンの殺人事件って普通のミステリと違って、「どこまでがマジックでどこからが事件なんだろう?」って考えちゃうのが良いですね。謎が一段と深まると言うか。
理系とマジックのミスマッチ(本当の意味ではマッチか?)も良い。
(あらすじ)
大学助教授・犀川創平とその教え子である大学生・西之園萌絵が事件の謎を解くS&Mシリーズ。
天才マジシャンがテレビ収録の脱出マジック中に殺される。
「むかし僕が死んだ家」 東野圭吾 講談社文庫
点数:魚魚魚
(感想)
不思議な雰囲気の小説ですね。その雰囲気を維持したまま淡々と真相に近づく様は中々面白かったです。
(あらすじ)
「幼い頃の記憶がない」。亡き父が残した地図と鍵を頼りに見つけた山の中の一軒家。廃屋同然に放置されたその家と幼い頃の記憶に関連はあるのか・・・。
「まどろみ消去」 森 博嗣 講談社文庫
点数:魚魚
(感想)
・・・短編集でした。また間違えて買ってしまった・・・。
短編集の採点は当てにしないで下さい。まあ最近読んだ短編では一番良かったかな。
(あらすじ)
短編集
「クラインの壺」 岡嶋二人 新潮文庫
点数:魚
(感想)
ストーリーも登場人物も稚拙ですね。学生が書いたような感じ。
(あらすじ)
仮想世界を現実同然に体感できる究極のバーチャルリアリティー・ゲーム。ゲームの脚本家でもある主人公もテストプレイに参加するのだが・・・。
「封印再度」 森 博嗣 講談社文庫
点数:魚魚魚
(感想)
純粋なミステリーですね。シリーズの前作(「詩的私的ジャック」)が全然ダメでしたが今回は面白かったです。トリックも中々上手く出来てます。
まあシリーズを通じて、主人公二人のドタバタ恋愛小説みたいな部分もあって、こっちはこっちでかなり展開が気になります。 あとこの作者、多分愛煙家で禁煙運動が嫌いなんじゃないでしょうか?登場人物がほとんど喫煙家で、タバコを吸うシーンが不自然なほどたくさん出てくるので、タバコ嫌いの私にはかなり不快です。特に今作はあまりにも喫煙の描写が多いのでなにかの伏線なのかと思いました・・・。
(あらすじ)
大学助教授・犀川創平とその教え子である大学生・西之園萌絵が事件の謎を解くS&Mシリーズ。
謎の死を遂げた日本画家が息子に託した2つの家宝。壺に入って中から取り出せない鍵と、鍵がかかった箱。50年後、その息子も家宝のそばで父と似た状況の謎の死を遂げる・・・。
「秘密」 東野圭吾 文春文庫
点数:魚魚魚
(感想)
広末涼子主演映画「秘密」の原作です。映画のほうは見たことありません。
なかなか面白かったですね。最後はこれでいいのかどうか悩むところですが(登場人物の気持ちとして&お話として)。
映画でこのお話がどう表現されてるのかちょっと見てみたいです。
(あらすじ)
交通事故に会い重傷で運ばれた妻と娘、妻は帰らぬ人となり、娘も意識不明のまま。医者は植物状態が続くと宣告するが、娘は父の目の前で目を覚ます。しかし娘には死んだはずの妻の意識が乗り移っていた・・・。
「どんどん橋、落ちた」 綾辻行人 講談社文庫
点数:魚魚
犯人当てミステリの短編集。
短編集は今私が読みたいものとはちょっと違いますね。
短編は「気軽にさっと読む」と言う点を考慮して書かれている場合が多いと思いますので、じっくりと長編を味わいたい今のわたしと趣が異なります。じゃあ買うなよ、と言われちゃいそうですが実は間違って買っちゃいました・・・。短編集はしばらく買いません。
ちょっと長めのクイズと思えば暇つぶしにはいいかも。
あ、あと最後に一言。これまで読んだ本にいくつか叙述トリック(※)を用いたものがありますが、これわたしはあまり好きじゃないですね。結局お話を書いているのではなく、トリックを書いているように見えるからです。
(※作者がわざと読者の読み違いを誘うもの。つまり「作者」が「読者」に対して仕掛けたトリック。例えば、あたかもAの視点で書いているのだが、実はBの視点だった等)
「OKAGE」 梶尾真治 ハヤカワ文庫
点数:魚魚
(感想)
オカルトチックなお話ですね。
この本読んでホラー、オカルト系のお話はわたしには合わないってことがわかりました。まあ、元々そういうのに興味無いわけですからね・・・。
あと中盤までちょっとテンポが悪いのと、終盤に出てくる怪獣映画のような展開はどうかなと。
(あらすじ)
突然子供が行方をくらまし困惑する親たち。が、それは世界各地で同時に起こった不可思議な現象であった・・・。
「詩的私的ジャック」 森 博嗣 講談社文庫
点数:魚
(感想)
連続殺人があって、トリックがあって、犯人探しがある、まあごく普通のミステリーなんですけど、ミステリとしては全然面白くないので1点。
それでもこのシリーズは読み続ける予定。主人公の2人の今後が気になるのと、やはり理系ネタは個人的に好きなので(※本作も舞台は理系大学ですが、特に理系ネタってわけではないです)。
(あらすじ)
大学助教授・犀川創平とその教え子である大学生・西之園萌絵が事件の謎を解くS&Mシリーズ。
女子大生の連続殺人が起こる。被害者に共通するのは密室殺人とナイフで死体に刻まれた文字、そして同じロック歌手の追っかけだった・・・。
「奇想、天を動かす」 島田荘司 光文社文庫
点数:魚魚魚魚
(感想)
濃いお話ですね。某登場人物の人生を思うと考えさせられちゃいます。
謎とトリックもよく出来ており、深くて濃いお話にも関わらずテンポ良く書かれているので熱中して読んでしまいました。
(あらすじ)
浅草で起こった殺人事件。施行されたばかりの消費税12円を請求された客が逆行して店員を刺した「消費税殺人」として世間をにぎわす。動機が腑に落ちない刑事は犯人の過去を探る・・・。
「同級生」 東野圭吾 講談社文庫
点数:魚魚
(感想)
まあ、普通に面白いことは面白かったんだけど、それだけと言うか。3点にしようか迷いました。
(あらすじ)
事故死した同級生は主人公の子供を身ごもっていた。事故の真相を追究する主人公は自分が子供の父親であることを周囲に明らかにする・・・。
「聖の青春」 大崎善生 講談社文庫
点数:魚魚魚
(感想)
命を削って必死に名人を目指す姿は感銘を受けますね。とぼけたキャラクターとは裏腹に、その内側に秘める名人や将棋に掛ける執念がよく伝わってきます。
棋士・村山聖って知らない方も多いんじゃないかと思いますが(わたしも知りませんでしたが)、羽生善治や谷川浩司と凌ぎを削った、間違いなくトップ棋士の一人だったようです。
点数つけるのもどうかと思いましたが、一応つけておきます。
(あらすじ)
大病と戦いながら名人を目指すも、あと一歩のところで病に倒れた棋士・村山聖の一生を描くノンフィクション作品。
「分身」 東野圭吾 集英社文庫
点数:魚魚魚魚魚
(感想)
5点。
テーマはよくあるので斬新な作品というわけではないですが、起伏に富んだストーリーで最初から最後まで終始物語に没頭しました。傑作。
読みやすいので誰にでもお奨め。内容的には女性に強くお奨めしたい。
(あらすじ)
北海道の女子大生・氏家鞠子は自分と瓜二つの女性がテレビに映っていたのを知人に知らされる。テレビに映っていたのはアマチュアバンド歌手であり東京の女子大生・小林双葉。二人の関係はいったい・・・?
「火車」 宮部みゆき 新潮文庫
点数:魚魚魚
(感想)
0点をたたき出した「ステップファザーステップ」の宮部氏作品。ベストセラー作家なのであれがすべてじゃないだろうと思い、「宮部みゆきリベンジ!」として読みました。
追えば追うほど深まる謎を解いていく過程はなかなか面白かったですが、中盤までは色々な仕組みの説明が多く、「これ取材したまんま書いてるだけだろ」って感じでかなりうんざりさせられました。説明が無くなった終盤はテンポ良く進みましたね。
あと本のタイトルですが、読み終わってみるとかなりダサく感じます。
これ読んでみると「ステップ~」はやはり低年齢層向けだったのでしょうね。
(あらすじ)
突然行方をくらました婚約者。親戚に頼まれ彼女を探すことになった刑事。全く手がかりを残さず消えてしまった彼女はいったい・・・。
「眩暈」 島田荘司 講談社文庫
点数:魚魚魚
(感想)
面白かったです。御手洗シリーズで相変わらずトリックは秀逸でしたが、中盤以降ややテンポが悪くなり、最後は少し盛り上がりに欠けたので3点止まり。
島田氏の作品を3冊読んでやっと?気づいたのですが、京極夏彦氏の作品って島田氏のものに似てますね。
(あらすじ)
御手洗潔シリーズ。
荒廃した世界、殺人現場、蘇る死体・・・。不可解な日記の意味するものははたして・・・?
「日輪の遺産」 浅田次郎 徳間文庫
点数:魚魚
(感想)
よく書けてると思うんですが、面白さや感動は無かったのでこの点数。感動狙いの作品なんでしょうけど、そこが透かされると厳しいですね。
(あらすじ)
終戦直前の秘密指令をめぐる物語。
「笑わない数学者」 森 博嗣 講談社文庫
点数:魚魚魚
(感想)
王道ですね。
終わり方に納得が行かない人も多いんじゃないかな。それ以外はほんとに普通の王道ミステリー。安心して読めますが、ミステリーとしてはこれと言って特徴はありません。
「すべてがFになる」と同じシリーズです。
(あらすじ)
大学助教授・犀川創平とその教え子である大学生・西之園萌絵が事件の謎を解くS&Mシリーズ。
偉大な数学者が住む三ツ星館。庭にある巨大なオリオン像が消えたとき、殺人事件が起こる・・・。
「パラレルワールド・ラブストーリー」 東野圭吾 講談社文庫
点数:魚魚魚
(感想)
読んでるうちにどんどん物語りに引き込まれていきます。相変わらず非常に読み安く、読者を引き付ける文章ですね。
が、中盤期待させたわりに、結末がちょっと甘いと言うか、あまり面白くないです。
(あらすじ)
彼女は親友の恋人なのか、それとも自分の恋人なのか・・・。記憶と矛盾する現実。主人公がたどり着いた真相は・・・。
「殺戮にいたる病」 我孫子武丸 講談社文庫
点数:魚魚
(感想)
最後は驚きと共になるほど、と思いましたが、お話自体はあまり面白くないので2点。この小説は最後の部分がキーポイントなので、ここを評価できるかどうかでこの小説全体の評価も変わってくるでしょうね。
あと、基本的に狂った犯人・犯行ものはけっこう好きなのですが、この作品はちょっとグロくて引きますね。
ちなみに我孫子氏はゲーム「かまいたちの夜」の脚本担当です。
(あらすじ)
女性を惨殺する猟奇連続殺人事件の犯人・蒲生稔。彼の行動と軌跡をたどる・・・。
「池袋ウエストゲートパーク」 石田衣良 文春文庫
点数:魚魚魚
(感想)
基本的には連作短編集で、気軽に読める小説ですね。
現実社会を舞台にしてるわりにちょっとお話にリアルさを感じられなかったですね。
主人公は子供なのに妙に落ち着いて大人びていたり、なぜか正義感にあふれてることや、個性的な登場人物が次々に仲間になっていくところなど、まるでヒーロー漫画を読んでるような感じを受けましたね。
(あらすじ)
池袋を舞台にした、危険な若者たちの現代風ストーリー。
「地下鉄に乗って」 浅田次郎 徳間文庫
点数:魚魚魚魚
(感想)
感動作ですね。面白かったです。昔の日本が良く描かれてますね。
しかし地下鉄を物語の中心に置く意味や、なぜ父が子供に厳しいのか等よくわからない部分も多かったです。
浅田氏の他の作品ももう少し色々読んでみる予定。
(あらすじ)
しがない営業マンの小沼真治。クラス会の帰りに乗った地下鉄から出た先は終戦直後の日本だった。過去にさかのぼった小沼が見たものは・・・。
「白夜行」 東野圭吾 集英社文庫
点数:魚魚魚魚
(感想)
シドニー・シェルダンですね。作風や構成がシェルダンそのままです。
パクったのか、もしくは「こんなの自分でも書ける」とわざと真似て書いたのか。どっちかだと思います。東野氏の作品はそれぞれかなり作風が異なってたり色々アイデアを盛り込んで凝ったことしてるのですが、もしかしたら他の作品をパクってるだけなのかも知れませんね。これ読むとそんな気がしてきます。
それでも4点ついてるのは物語自体が非常に面白かったからです。少なくともシェルダンを読んだことない人には絶対おすすめ。
(あらすじ)
-
「冷たい密室と博士たち」 森 博嗣 講談社文庫
点数:魚魚魚
(感想)
「すべてがFになる」の森氏の作品です。
「すべて~」と同じシリーズでやはり舞台は大学工学部ですが、今回のトリック・事件は理系的なものではないですね。題名にもある通り密室殺人で内容も非常にミステリの王道と言うか、悪く言えば平凡か。その分、誰でも読みやすいとも言えると思います。
とは言っても随所に理系的な話が出てきますので、そういうのに拒絶反応のある方にはちょっと読みにくいかも。
(あらすじ)
大学助教授・犀川創平とその教え子である大学生・西之園萌絵が事件の謎を解くS&Mシリーズ。
大学の低温度実験室の中で起きた密室殺人事件の真相に迫る。
「GO」 金城一紀 講談社文庫
点数:魚魚魚
お話は面白かったのですが、2点つけようかどうか迷いました。
在日韓国・朝鮮人差別に対する作者のメッセージみたいなのが節々に垣間見えて少し引いてしまったのが点数迷った一番の理由ですね。小説を書きたいのかそっちを言いたいのか、どっちなんだと。特に主人公が最後に主張?するところはかなり寒かったです。
親父は最高でしたけどね。
しかしノルウェイの森と言い、最近はこういうあっさりした小説・文章が好まれるんですかね?
「ノルウェイの森」上・下巻 村上春樹 講談社文庫
点数:魚魚魚
これまでとは全然違うタイプの小説なので、「いきなりこれかよ」、と突っ込まれそうですが・・・。
実は一番初めにレビューを書いた「マークスの山」の次に買った小説なんですが(そのときはまだ「とりあえず有名なやつ」って感じで選んでました)、途中まで読んで面白くないのでほっといてました。が、途中まで読んだままなのも気分的に良くないので、最近のハイペースの勢いに乗って読んでしまえ、と。
分野が違うので点数つけるのもどうかと思ったんですけどね。途中までは淡々と書きつらねる面白みの無い小説だと思ってたんですが、終盤は(文章は相変わらず淡々としながらも)登場人物の心情がよく伝わってきて良かったです。
少なくとも女性受けは良い内容&文章でしょうね。
「壺中の天国」 倉知 淳 角川文庫
点数:魚
えー、作者の言葉を借りまして・・・、「く、くだらない」。
とにかく話が冗長で無駄な部分ばかり、途中からそんな気はしてましたが、結局はくだらない結末でした。
特に最後に出てくる説得力0、ご都合主義丸出しの某氏の推理はいかがなものでしょうか?
登場人物は皆いい味出してるんですけどね。ミステリーと思わず、事件とは関係ない冗長な部分も楽しむまったり小説と思えばそんなに悪くはないのかな。
「第1回本格ミステリ大賞受賞作」とかでっかく書いてあるからそっちに期待しちゃいますよね・・・。
「仮面山荘殺人事件」 東野圭吾 講談社文庫
点数:魚魚
(感想)
ベタなタイトルですよね、かなり。タイトル通りのベタな内容を期待しつつも、斬新なアイデアを盛り込む東野氏の作品なので何かあるだろうなとは思ってましたが・・・、まあ結果その(後者の)通りで。
漫画のようなわかりやすい展開でお話自体は面白かったですが、トリックが某作品と某作品を足して2で割ったようなものだったのと、またもや最後の展開が寒かったので2点。
まあ、気軽に読むには良い作品かも。
東野氏の作品はいろんな展開、アイデアがビックリ箱のように詰まってて、読むたびに新鮮な気分になれますね。この作品も2点はつけてますが今後も彼の作品は読みつづける予定。
(あらすじ)
8人の男女が集まる山荘を逃亡中の銀行強盗が占拠する。その中で殺人事件が起こるが、状況的に銀行強盗が犯人ではありえなかった・・・。
「すべてがFになる」 森 博嗣 講談社文庫
点数:魚魚魚
(感想)
これは完全にわたし向きの小説ですね。何で今まで読まなかったの?と突っ込まれてもおかしくないような。
後書きにも「理系ミステリー」とありましたが、まあそんな感じでSFチックな内容です。ちょっと読む人を選ぶかも。作者は大学工学部助教授とのことなので、この内容もなるほどとうなずけます。
とは言っても理系的なトリックの部分はあまりにも初歩的な気もしますね。例えて言うと、バナナの皮を置いておいたらすべって転んだ、みたいな。結局動機もよくわからないままで、「~だからそういうもんだ」みたいな感じに開き直ってうやむやにしてるようにも見えます。
まあ面白いことは面白いので少なくとも理系の人にはおすすめ。
とりあえず私はこのシリーズは全部読んでみようかと思ってます。
(あらすじ)
大学助教授・犀川創平とその教え子である大学生・西之園萌絵が事件の謎を解くS&Mシリーズ。
天才工学博士・真賀田四季が設立した孤島のハイテク研究所。偶然島に訪れた犀川と萌絵は奇妙な殺人事件に遭遇する・・・。
「異邦の騎士」 島田荘司 講談社文庫
点数:魚魚魚魚
(感想)
コメディチックな書き出しと中盤までのまったり感からは想像もつかないような展開が待ってました。秀作ですね。
粗を探すとすると、「いくらなんでもこれは現実的に無理だろう」、という点かな。まあ小説としてはすごく面白かったのでそれは些細なことだと思います。
(あらすじ)
御手洗潔シリーズ。
記憶を失った主人公は偶然出会った女性と幸せな生活を送りはじめるが・・・。
「変身」 東野圭吾 講談社文庫
点数:魚魚魚魚
(感想)
ミステリーではなくSF。ストーリーが良いですね。「ある閉ざされた~」と同じ作者とは思えません。
どうしてこうなったか?が初期の段階から簡単に推測でき、また、ばらし方も中途半端な感じなので、包み隠して印象的に明らかにするか、最初からはっきり書くか、どちらかにしたほうが良いような。まあ主人公の心情の変化がメインだから、そこはあえてそうしたのかもしれません。
その主人公の心情の変化の部分は非常に迫力があり良く描かれています。話の終わり方も好きですね。
ともかくSF好きの私にはかなりマッチした作品。
(あらすじ)
不慮の事故から奇跡的な生還を果たした主人公は世界初の脳移植手術を施されていた。
「ある閉ざされた雪の山荘で」 東野圭吾 講談社文庫
点数:魚魚
やっぱりこの作者は独自の発想とかアイデアを練るのが好きなんですかね(「悪意」と同じ作者)。これも普通のミステリーとはちょっと違った感じです。単に作者が天邪鬼かひねくれてるだけなのかも知れませんけど。
トリックはやや無理があるもののなるほどとは思いましたが、ストーリーがあまり面白くないですね。特に最後はやや寒い展開と言うか。で2点。
「悪意」 東野圭吾 講談社文庫
点数:魚魚魚
(感想)
犯人探しのミステリーでは無いですが、面白い切り口で展開も良い。最後のほうがちょっと淡々としすぎてるかな?
発想が面白いのでこの作家の作品は他のも読んでみたいですね。
(あらすじ)
人気作家が仕事場で殺される。刑事はすぐに犯人を突き止めるが犯人はその動機をあきらかにしない・・・。
「十角館の殺人」 綾辻行人 講談社文庫
点数:魚魚魚
ミステリーの基本と言うか王道と言うか、とにかくわかりやすくて良いですね。多分深く考えると突っ込みどころ満載なんでしょうけど、シンプルにミステリーを楽しみたい人にはお奨め。
ただし文章が稚拙なのと、このトリックも「読者向け」って感が強いです。
※「読者向け」ってのはすなわち、トリックが書きたいのか、小説が書きたいのかってことです。
「ステップファザー・ステップ」 宮部みゆき 講談社文庫
点数:
連作の短編集。少女漫画みたいで女子中学生向けって感じですかね。大人が読むものではない。
淡々とした文章と思いつきで書いたようなむちゃくちゃなトリックが読者をなめてるようでむかつきます。
「占星術殺人事件」 島田荘司 講談社文庫
点数:魚魚魚魚
多分日本ミステリ史上に残るようなすばらしく斬新なトリックなんでしょうけど、某有名漫画がパクっててそれを事前に読んでましたので・・・。このトリックをパクるのは最悪のマナー違反ですね。恥も外聞も無いと言うか。まあいいや。
ただ、こんな大掛かりなトリックを犯人が行う動機がちょっと薄いような。ストーリー上の必然からでは無く、(推理をする)読者向けみたいな。読者のためのトリックってどうなんでしょう?
某有名漫画を読んだことない人にはおすすめ。某じゃわからないか(^^;) 金田一。
「マークスの山」上・下巻 高村薫 講談社文庫
点数:魚魚魚
なかなか力強く迫力のある文章で、徐々に明らかになる裏の部分や警察が犯人を特定する過程の描き方、某人物の狂った感じが良い。
|