社労士受験 実例−グループ学習




資格試験の勉強方法にグループ学習があります。同じ資格を目指す人が
集まって刺激や情報を共有しながら勉強し、成功すると非常に高い効果
をあげると言われています。グループをまとめる難しさもあるようです
が、その辺のノウハウをホームページを通じて知り合った村松さんから
毎年ご報告をいただいております。平成11年度試験への道もレポート
をいただきましたので、掲載いたします。静岡に近い方は参加するのも
良いですし、自分たちもやってみようという人はぜひ参考にして下さい


勉強会について
【 きっかけ 】
 日本マンパワーの静岡校に参加しているメンバーの中で発起人となる人物が現れ、マンパワー
の授業終了後、有志者を募りスタートしました。                     
 この発起人となった人が、ものすごい吸引力のある人で、勉強会が5年間続いているのはこの
人が居るからだと言っても過言ではありません。                     


【 メンバー 】
 発足時は10人を超えていましたが、数ヶ月経つうちに減っていき6人が固定したメンバーと
なりました。                                     
  この残ったメンバーはマンパワーの授業でも最初から常に前の席に陣取っていた人たちです。
その後、年数を重ねる毎に数人の入れ替えはありますが、最初の6人の内5人が今年迄に合格し
ています。                                      
 その後、この関口さんのホームページのこのページを読んで戴いて参加してくれた人も含め、
今は9名で構成されています。                             
             

【 活動期間 】                                   
 今年で5年続いています。                              

 ゴールデンウイークまでは、一ヶ月に2回のペースで、ゴールデンウイーク後は、模擬試験や
直前講習のある時を除くと、月1回のペースで、行ってます。               


【 活動内容 】                                   
・一年目(95年)
1)決められた過去問題集を家で解いてきて、その不明点をみんなで討議する。       
2)昨年の日本マンパワーの合格者を招き、合格体験を生の声で聞く。           
3)各々違う模擬試験を申し込み、みんなで一つの部屋で解く。答え合わせを行い、自分の実力
 を他の人と比較し、発憤する材料とする。                       
4)各々記述の問題を作成し、みんなで解き合う。答え合わせを行い、発憤する。      
5)試験前日は、試験会場に近いホテルにみんなで宿泊し、当日みんなで試験会場に乗り込む。
 これは、5年間続いています。

(^o^)/ 一年目に6人中、3人合格しました。(内再受験者二人、1年目一人)       


・二年目(96年) 二年目は、一人抜けて、四人加わりました。総勢9人です。      
 基本方針として、合格した3人を講師として、受験団体の講義に参加せず、自分たちだけでや
り抜きました。                                    
1)基本テキストは、「日本ライセンスセンター」のテキスト及びカセットを使用しました。 
    ※ライセンスセンターの資料・講義等、素晴らしいと今でも思っています。      
2)他に、日本法令の答連の通信講座や、各社の模擬試験を受けました。          
3)毎週の講義の進め方は、講師の人たちが過去問等を参考に、その日の科目の問題を作成して
 きて、みんなで解き、答え合わせをする。分からなかった点を、講師と生徒で問答を繰り返す
 という形で行いました                                
4)生徒は、レジュメを作成してきてみんなに配ったり、新聞の切り抜きを解説するといった内
 容です。                                      
5)ゴールデンウイークは、メンバーの会社の寮みたいな所に一泊し、朝から夜まで、問題の討
 議をおこないました。長い受験勉強中の思い出としては、これが一番印象に残っています。 
6)ゴールデンウイークを開けると、生徒の自主運営的に毎回テーマを決めての、討議、問題演
 習、法改正の講義を行いました。                           
7)中間模試は、みんなそこそこだったのですが、最終模試の結果がさんざんだったので、そこ
 からの精神的な建て直しがうまく行かないまま、試験当日を迎えてしまいました。     

(T.T) 結果は、玉砕でした..........................

・三年目(97年) 三年目は、一人抜けて総勢8人です。二年目のショックは、各人かなりの
          ものがあり、合格確実といわれた人(私です)の参加が危ぶまれたのです
          が、何とかもう一年やろうということで再開しました。基本方針は、勉強
          会と平行して、受験団体の講習・答連に参加するということにしました。
1)自分たちだけでは、ダメだということを素直に認めて、各受験団体の講座に各人で申し込む
 ようにしました。しかし、ベースはあくまでも勉強会であることは再確認しあい、最初は去年
 の通り問題を解き合い、討議するということで進み、3月頃から、日本マンパワーの答連に参
 加したり、日本ライセンスセンターの、短期講座に通学するなどしました。        
2)でも、最低でも月に一回はみんなで集まって、お互いの情報交換励まし合いは行いました。
 年中顔を合わせているとマンネリになってしまいますが、苦しい時、みなの顔を見ると、ほっ
 とします。そして、やる気が湧いてきます。                      
3)中間模擬、最終模擬は、みんな別々の模擬を受けるようにして、問題をかき集めました。 
 勉強会の話題とは違いますが、僕はこの模擬試験の問題を重点的に何回も解きました。模擬試
 験の問題はかなり中身が濃く、良質でありなおかつ広い範囲を10問に納めてあるので、それ
 だけ解いて(問題のコツをつかむ)も、とても有効でした。               

(^_^)V 結果は、一年目から参加していた二人が合格しました。

・四年目  昨年(98年度の試験)は、このグループ学習体験記を関口先生のHPに載せて頂い
     た年です。                                 
 さすがは社労士の受験生には絶大なる人気の関口先生のHPであることを再認識しました。こ
の体験談を載せて頂いてから、1、2箇月で電子メールでグループ学習の問い合わせが、2人あ
りました。                                      
 ただ、その当時、またもや受験に失敗してしまった3人に、もう一年グループ学習を続行する
かどうか確認したところ、失敗の落胆もあってか、それぞれ独自に勉強していきたいとのことな
ので、今年は休止となりました。それで、せっかく問い合わせしてくれた2人にも、その旨は伝
え、個別に電子メールでアドバイスをしていきました。                  

 その後、しばらくして、(98年 2月)前年合格した、私ともう1人で話し合う機会があり
ました。この2人は、最初の年から参加しており、グループ学習の恩恵を最も受けてきた2人で
あり、自分たちが合格したからといって、このままグループ学習を終了していいのか?自分たち
の役割は、今度は自分たちの合格のためのノウハウを次の人たちに伝えることではないのか?と
いうことで2人の意見が一致し、再度受験生にグループ学習の開催を呼びかけたところ、全員参
加の意向が帰ってきました。みんなは、一度グループ学習を断ってしまったため、必要性を感じ
ながらも実は言いだせなかった、とのことで、何を水臭いと思いもしましたが、何故、もっと早
くみんなの気持ちを分かってあげなかったのかと、深く反省し、例年よりスタートが遅くなって
しまいましたが、その分密度の濃い、グループ学習にしようと心に誓いました。       

 そして参加の希望があった2人にも呼びかけたところ、気持ちよく参加の連絡がありました。
受験勉強を何年も続けていると、どうしてもマンネリになり、新しい人が参加することにより、
新しい風が吹き込み、体制が整いました。                        
1)講師は主に、前年合格の2人が行い、受験生は、引き続きの3人と、新参加の2人の合わせ
 て5人で行い、1年目に合格した人たちも、オブザーバーとして参加できる人は参加してもら
 うようにしました。1年目に合格した3人のうち2人は既に開業しており、様々な人が参加す
 る形となりました。                                 
2)学習の方法は従来のスタイルを基本的には踏襲しましたが、講師は2人で教科をそれぞれ受
 け持って進めました。僕は講師として、前年まで受験勉強をしてきてどこが合格するためのポ
 イントとなるかを中心に話をしましたが、勉強するより教える方がよっぽど難しいことが分か
 りました。講師として、最も重要なことは、受験生のやる気を持続させることです。自分なり
 に毎回方法を変えて挑みましたが、ある日は自分の思い描いた通りに教えられないことに、自
 己嫌悪に陥ることもありました。                           
3)5人の受験生のうち、受験経験のある2人は、途中から参加しなくなり、結局3人の受験生
 で続けていきました。やはり、何年も勉強を続けて行くことは、いろんなことで大変であり、
 1年か2年で合格しないと合格が難しい資格だということを再認識させられました。    
4)本試験は、5人とも受けました。出題の傾向が基本的な問題になり、かなり高得点を取った
 人もいましたが、記述の失敗等で、全員不合格でした。                 

・五年目(99年) 今年は、昨年から引き続き参加する人が3名、その中の人からの紹介が1
          名、このHPからの応募が1名、その他3名の総勢8名で開始しました。
          途中から参加した人もいましたが、最後まで続いた人は引き続きの3名と
          紹介の1名の計4名でした。勉強を続ける難しさを改めて痛感しました。

          その他にも東京、千葉埼玉からグループ学習に参加したい旨の連絡を数名
          の方から戴きましたが、地理的な問題で遠慮して戴きました。でも、その
          方達にも電子メールを使ったグループ学習ができないかと試行錯誤して行
          いましたが、やはり集まって、皆の顔を見てモチベーションを高めるとい
          った本来のグループ学習の一番の目的がうまく得られず、最後まで続いた
          人は、2名のみとなりました。                   

          このように東京方面でもグループ学習に参加したいという人の為に、平成
          12年度に向けて、東京方面でもグループ学習が開催できればいいな、と
          考えています。                          

1)講師は、去年と同様に、直近で合格した2人が受け持ちました。但し、社労士の勉強そのも
 のは、大分忘れかけているので、分からない問題等の際、受験生自身で結論を出してもらうよ
 うな、自主性を求める学習方法に変更しました。                    
  僕たち、講師の立場の人はその時々の受験生の学習の進捗状況を確認したり、アドバイスし
 たり、そういったサブ的な役目を担いました。                     
2)今年の1月からグループ学習を開始しましたが、3月までは過去問の取り組み及び基本問題
 を解き、分からない問題の討議を行いました。                     
3)4月からは、受験生の方達全員に労働基準法の改正のレジュメを作ってきてもらい、一人一
 人に解説をしてもらったり、中間模擬試験を受けて、自分が間違った問題を他の受験生に解い
 てもらい、自分で解説する、といったことも行いました。                
4)中間模擬試験、最終模擬試験は、各受験団体の模擬試験を受けてもらい、その結果がまずま
 ずだったので、なんとかいけるのでないか、という期待が膨らみました。それと同時に、受験
 生は受験歴のある人達ばかりだったので、勉強しすぎ症候群に掛かってしまっていたため、あ
 まりにも細かい通達とか例外の規則にこだわってしまい、基本を忘れてしまっていたため、本
 人達はそのことに気が付いていないため注意を行いました。               
5)今年も、受験生皆で受験地の近くのホテルに前泊して、みんなそろって試験会場に向かいま
 した。                                       
6)いよいよ合格発表です。最終的に4名が本試験を受けましたが、内3名が合格しました。 
 5年間で、8名の合格者を出しました。少数精鋭主義で、なおかつ皆のモチベーションを維持
 していけたのが、何よりの勝因だと思います。                     


【 長所 】                                     
 1)モチベーションの持続にはこれ以上の方法はないでしょう。             

  2)困っている問題(勉強方法等)がみんなでアドバイスしてくれる。          

  3)お金が少しですむ。                               

  4)合格したあと、講師として人を教える立場となれるので、自分の知識を深めることができ
  る。                                       

  5)試験が終わった後、飲んで騒げる。                        

  6)試験勉強以外でも、気が付いたら老若男女の友達ができている。           

  7)将来、開業したときでも、きっと助け合っていける。                


【 短所 】                                     
 1)討議していても、結論がでないことが多い。                    

  2)みんなが集まれる場所は、僕の家から遠かった。片道約2時間掛かる。        

  3)なあなあになってしまい、気が付いたら井の中の蛙になっていた。(2年目)     

 4)参加しない人がいると、やたら心配になってしまう。                


  長所と短所を見比べてもらうと分かりますが、長所の素晴らしさに比べて         
  短所は、他愛も無いことが分かると思います。                     


【 まとめ 】                                    
  ともかく、社労士になりたかったら、勉強会はおすすめです。              
  必要なことは、参加するみんなの社労士になりたいという強い意志と、調和とそして強引なリ
ーダーシップです。                                  

  今回、書き表せなかったことが山ほどあります。僕の稚拙な文章で、もし、興味が湧いて、僕
も私もやってみたいと思われた人、どしどし問い合わせ下さい。体験談で、お答えさせてもらい
ます。                                        

 このレポートと読まれて、私も参加したい、私はこういうふうにグループ学習を行いたい、と
 いう意見がございましたら、下記宛連絡下さい。                    

メール murahide@lares.dti.ne.jp

ホームページURL    http://www.lares.dti.ne.jp/~murahide/