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一 括 講 読

投稿時間:06/03/13(Mon) 01:22:42
投稿者名:中退者 (ID: EOS2NRo)
ホスト名:i60-35-76-215.s02.a040.ap.plala.or.jp
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タイトル:労働契約の解除について
いつもお世話になっております。
労働契約の解除についての質問です。

(1)期間の定めのない労働者についてですが、民法627条を確認したところ
「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。
2 期間によって報酬を定めた場合には、解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。
3 6箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、3箇月前にしなければならない。」
となっています。

今まで「期間に定めがない労働契約」はどのような場合でも、労働者は解約の意思を申し出ることで2週間の期間経過後、退職できると認識していました。
これは、期間に定めがなく、且つ期間によって報酬が定められていない場合にはこの認識で間違っていないと思うのですが、例えば、年俸制の社員の場合などには2項の「期間によって報酬を定めた場合」に該当するのでしょうか?
そうなるといわゆる正社員として雇用されている場合でも、全てが2週間という認識ではいけませんよね!?

(2)有期労働契約の場合なのですが、暫定処置として
「期間の定めのある労働契約(一定の事業の完了に必要な期間を定めるものを除き、その期間が1年を超えるものに限る。)を締結した労働者(法14条1項各号に規定する労働者を除く。)は、平15法附則第3条に規定する措置が講じられるまでの間、民法628条の規定に関わらず、当該労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる」(平成16年過去問)
とあります。

ここでイメージしたのが前職の派遣社員の事務員さんだったのですが、2ヶ月更新の労働契約で、且つ6ヶ月で必ず契約が終了することが決まっていました。
このような場合、上記のいずれにも該当することがない労働者だと思います。

このような労働契約のケースでは、労働者から契約の解除を申し出る場合、法律上の取り決めはないのですか?
暫定措置に「いつでも」という措置がある時点で、いつでも解除できるとは思いがたく・・・・。
ご教示お願い致します。

投稿時間:06/03/13(Mon) 01:23:14
投稿者名:中退者 (ID: EOS2NRo)
ホスト名:i60-35-76-215.s02.a040.ap.plala.or.jp
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タイトル:Re: 労働契約の解除について
続き>
(3)未成年者の労働契約についてです。
「親権者又は後見人は、未成年者に代わって労働契約を締結してはならない。ただし、一定の場合には労働契約を未成年者の代りに解除することはできる。
親権者、後見人又は行政官庁(所轄労働基準監督署長)は労働契約が未成年者に不利であると認める場合においては、将来に向かってこれを解除することができる。」
とあります。

ここでいう「将来に向かって」という言葉の解釈が難しいです。
これは、さかのぼって又は今この時点での解除はできず、「明日」のような期限を設ければ解除を行うことができる、という事なのでしょうか?
それとも、成人の労働者のように法律上で一定の期間が設けられ(正社員の「2週間」のような期間)、その将来的な期日によって解除されるということなのでしょうか?

以上、長文になってしまいましたが、頭が混乱しています。
お時間の許される時に、ご教示頂けると大変嬉しいです。
宜しくお願い致します!

投稿時間:06/03/13(Mon) 01:50:44
投稿者名:nemuta (ID: Un1NN0c)
ホスト名:pdf53d7.osaknt01.ap.so-net.ne.jp
Eメール:nemuta@abox.so-net.ne.jp
URL :
タイトル:Re^2: 労働契約の解除について
(1)
月給者の場合は「期間によって報酬を定めた場合」に該当する場合があり、また年俸制の場合は「6箇月以上の期間によって報酬を定めた場合」に該当する場合があるため、おっしゃるように必ずしも2週間が適用されるとは限りません。ただし月給制や年俸制でも欠勤控除があるような場合(いわゆる日給月給の場合)は2週間が適用されると考えて良いと思います。

(2)
わが国では労働契約の概念が薄いのでこういう疑問が生まれますね…期間を定めて労働契約したのであれば、その期間中は辞めることができず辞めさせることができないというのが基本的な考え方です。そう考えるからこそ法第14条が有期契約期間について3年(一部5年)の制限を設け、人身売買的な就労が起きないようにしているのです。ただし、契約の中に期間途中の退職の規定をおくことはできます。この場合でも使用者側から一方的に解除する場合は解雇として取り扱われます。

(3)
この「将来に向かって」は難しく考える必要はありません。「いま、この時点で解除しても良いが、過去に遡って解除の効力は及ばない」という意味です。そうしておかないと、もうすでに終わった期間の労働に対する賃金を受ける権利が不安定になる恐れがあるからです。

投稿時間:06/03/13(Mon) 02:03:49
投稿者名:中退者 (ID: EOS2NRo)
ホスト名:i60-35-76-215.s02.a040.ap.plala.or.jp
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URL :
タイトル:Re^3: 労働契約の解除について
ご回答有難うございます!
(1)は実は前職の私自身の給与が「年俸制」で且つ「日給月給」であったため、疑問に思っていたことで、かなりスッキリと理解できました!
(2)については、法律で解雇は制限されるけれども、労働者が自主的に退職を申し出る場合は、規定がなく、しかし、契約時点で規定を設けておくことで解消する、と解釈して大丈夫でしょうか?
(3)についてはとてもよく理解できました!

次々と質問ばかりですいません・・・。
早速なご対応を頂き、本当に有難う御座います!

投稿時間:06/03/13(Mon) 02:10:02
投稿者名:nemuta (ID: Un1NN0c)
ホスト名:pdf53d7.osaknt01.ap.so-net.ne.jp
Eメール:nemuta@abox.so-net.ne.jp
URL :
タイトル:Re^4: 労働契約の解除について
(2)については、労働契約上規定がなければ労働者は辞めることができず、使用者も辞めさせることができないというのが基本的な考え方です。多くの有期労働契約の場合は就業規則の規定を労働契約に取り込んでこの問題を解決しています。

投稿時間:06/03/13(Mon) 02:23:11
投稿者名:中退者 (ID: EOS2NRo)
ホスト名:i60-35-76-215.s02.a040.ap.plala.or.jp
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URL :
タイトル:Re^5: 労働契約の解除について
私が現状で感じた労基法の問題が全てスッキリしました!
本当に有難う御座いました!
しっかりと過去問などに取り組み、より確かな理解に努力します!

来週から安全衛生法に入ります。
また疑問が出てくると思いますが、お時間の許される時にご回答頂ければ大変嬉しいです。

本当に夜分まで対応頂きまして、有難う御座いました!

投稿時間:06/03/13(Mon) 02:20:54
投稿者名:nemuta (ID: Un1NN0c)
ホスト名:pdf53d7.osaknt01.ap.so-net.ne.jp
Eメール:nemuta@abox.so-net.ne.jp
URL :
タイトル:Re^5: 労働契約の解除について
補足ですが、有期労働契約は契約に別段の定めがない場合は期間中の解約はできないのが基本ですが、民法の規定による解約が可能な場合があります。

民法626条に「雇用の期間が5年を超え、又は雇用が当事者の一方若しくは第三者の終身の間継続すべきときは、当事者の一方は、5年を経過した後、いつでも契約の解除をすることができる。ただし、この期間は、商工業の見習を目的とする雇用については、10年とする。」「前項の規定により契約の解除をしようとするときは、三箇月前にその予告をしなければならない。」という規定があり、

また、民法628条に「当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。」とあります。



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