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一 括 講 読

投稿時間:06/02/17(Fri) 14:30:08
投稿者名:ろくでなし (ID: 2VWAUPc)
ホスト名:mx2.kyb.co.jp
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タイトル:特例退職被保険者
健康保険法の特例退職被保険者についてよく分からないので、
教えて下さい。

投稿時間:06/02/17(Fri) 14:35:16
投稿者名:M.A (ID: kYQDFMc)
ホスト名:mx2.kyb.co.jp
Eメール:
URL :
タイトル:Re: 特例退職被保険者
私も特例退職被保険者について分からないのですが、
任意継続被保険者と特例退職被保険者はどうちがうのですか?

投稿時間:06/02/18(Sat) 09:44:46
投稿者名:nemuta (ID: Un1NN0c)
ホスト名:p849627.osaknt01.ap.so-net.ne.jp
Eメール:nemuta@abox.so-net.ne.jp
URL :
タイトル:Re^2: 特例退職被保険者
任意継続被保険者制度は、一定の要件の元に健康保険の適用事業所に使用されなくなってから最長2年間、保険料全額被保険者負担で健康保険の被保険者資格を任意で継続する制度です。

例えば退職して健康保険の適用事業所に使用されなくなると、原則は市町村国民健康保険(以下単に「市町村国保」といいます)の被保険者になるのですが、市町村国保の保険料(税)額は市町村民税額を基礎に計算されており、市町村民税は前年1月〜12月の所得で課されるために、退職後収入が無い状態であっても高額の保険料(税)が賦課される場合があるため、退職後最長2年間は在職時の健康保険の任意継続被保険者になれるようになっているのです。

昔は療養を受けた場合の一部負担金(相当額)が市町村国保より安いというメリットが任意継続被保険者にはあったのですが、いまはこのメリットはありません。ただし退職後の傷病についても傷病手当金が受給できるメリットがありますし、組合健保の場合で付加給付がある場合は、給付の面でも任意継続被保険者は有利になります。

この任意継続被保険者制度は、政管・組合を問わず、健康保険の保険者はすべて実施しています。

なお、退職後所得が減った場合は市町村国保に移った方が有利な場合があります。任意継続被保険者に任意の資格喪失制度はないのですが、納期限までに保険料を納めなければ任意継続被保険者の資格を喪失しますので、市町村国保に移ることができます。

ここで話は変わります。

政管健保、組合健保、市町村国保等の公的医療保険における被保険者の年齢や所得の構成は非常にアンバランスです。特に市町村国保は、無職の者や年金生活者を数多く被保険者として抱えており、これらの者は高齢で病気がちでありかつ所得が低いという傾向を持ちます。簡単に言えば、保険給付は多額になるのに保険料(税)は十分取れないのです。

このアンバランスを市町村の負担だけで解消するのは無理があるので、その解決策のひとつとして、政管健保や組合健保等に長期間加入していた(年金保険に長期間加入していた)者であって老齢退職年金受給者である者が、市町村国保の被保険者になった場合は「退職被保険者」として通常の市町村国保被保険者とは別扱いにしています。

>>>続く

投稿時間:06/02/18(Sat) 09:45:09
投稿者名:nemuta (ID: Un1NN0c)
ホスト名:p849627.osaknt01.ap.so-net.ne.jp
Eメール:nemuta@abox.so-net.ne.jp
URL :
タイトル:Re^3: 特例退職被保険者
続き>>>

そしてこの退職被保険者の保険給付については、その費用を、政管健保や組合健保等の被用者医療保険の保険者から退職者給付拠出金の形で徴収し、これを市町村の財源に組み入れることで市町村の負担を軽減しています。

これを逆に政管健保や組合健保等の被用者医療保険の保険者側から見れば、退職した者が、もうその被用者医療保険の被保険者ではなくなって市町村国保の被保険者になったにもかかわらず、その給付費用を間接的に負担していることになります。

政管健保はともかく、福利厚生に熱心な健康保険組合だったら、「なんだバカバカしい。うちの組合の退職者を市町村を通じて間接的に面倒見るくらいだったら、うちの組合の被保険者として直接面倒見るよ」と思っても、おかしくありませんよね。

そういう健康保険組合で大臣の認可を受けた組合を「特定健康保険組合」といいます。

特定健康保険組合の被保険者であった者が一定の要件を満たして退職し、老齢退職年金受給者となって、本来ならば市町村国保の退職被保険者となるべき場合に、その者が特定健康保険組合に申し出すると「特例退職被保険者」となって、市町村国保の被保険者ではなく、その特定健康保険組合の被保険者となります。

特例退職被保険者の保険料は退職後の所得と関係なく組合ごとに決定されるので、退職後の市町村国保の保険料(税)が高い(退職後所得が多い)場合や、病気がちで組合健保の付加給付を受けることに大きなメリットがある場合は特例退職被保険者になった方が有利になります。ただし特例退職被保険者には傷病手当金が支給されないのでその面のメリットはありません。

また、特例退職被保険者は原則、老人保健法による医療を受けられるに至るまで(原則75歳)資格が続くのですが、その間任意で資格喪失することができません。たとえ保険料を滞納しても資格喪失しません。ですから退職後数年して所得が減った場合などで市町村国保より不利になっても、任意で市町村国保に移ることはできませんから、申し出の時に注意が必要です。



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