企業年金連合会は、中途脱退者及び解散基金加入員に対し、老齢年金給付の支給、一時金たる給付の支給とありますが、企業年金連合会に加入していない厚生年金基金の加入員に対しても、支給できるのでしょうか？

また、健康保険組合は健康保険組合連合会に対し、拠出金に要する費用に充てるため、調整保険料を徴収するとあるのですが、健康保険組合連合会に加入していない健康保険組合は、調整保険料を徴収されない　ということなのですか？

連合会というものが、いまいち、把握できません。宜しくお願いします。

お尋ね箇所である厚生年金保険法第159条第1項は「連合会は、第160条第5項の規定により老齢年金給付の支給に関する義務を承継している中途脱退者及び解散基金加入員に対し老齢年金給付の支給を行うほか、第160条の2第3項及び第161条第5項の規定により一時金たる給付の支給を行うものとする。」とあります。

例えば老齢年金給付に限って説明すると、第160条は、第1項で「基金は、政令で定めるところにより、連合会に申し出て、中途脱退者の当該基金の加入員であった期間に係る老齢年金給付の支給に関する義務を移転することができる。」とあり、第3項で「第1項の規定により義務の移転を行なう場合には、基金は、連合会に対し、当該中途脱退者の加入員であった期間に係る老齢年金給付の現価に相当する金額（以下「現価相当額」という。）を交付しなければならない。」とあり、第5項で「連合会は、第3項の規定により現価相当額の交付を受けたときは、当該老齢年金給付の支給に関する義務を承継するものとする。」となっています。

したがって連合会が老齢年金給付の支給等を行うのは、基金から支給義務の移転の申し出を受け、かつ現価相当額の交付を受けた場合に限られますが、この基金が「（企業年金連合会の）会員である基金に限る」とは、私の調べた限りでは法令上限定されていません。

実務的にどのように運営されているかまではわかりませんが、義務を承継する場合には現価相当額の交付を受けるのですから、必ずしも会員に限定する必要性もないように思います。

＞＞＞続く

健康保険組合連合会は健康保険組合の連合組織で、本来の目的は組合健保の正常な発展であり、医療制度改革や医療費削減のための活動が主な事業になりますが、事業の中に「健保組合間の共同事業の推進」があり、その中で「高額医療交付金交付事業」と「財政窮迫組合交付金交付事業」というものを行っています。

これらは、やむを得ない事情で財政状況が苦しい健保組合に対して交付金を交付したり、月に数千万円も掛かるような超高額療養費の患者を抱える組合に対し交付金を交付するものです。

調整保険料はこれらの事業の目的のため徴収され、拠出金として連合会に支払われますから、連合会に加入していない組合は調整保険料を徴収しませんが連合会からの交付金等を受けることもできません。

また法第185条第3項により「厚生労働大臣は、健康保険組合に対し、組合員である被保険者の共同の福祉を増進するため必要があると認めるときは、連合会に加入することを命ずることができる。」ことになっています。

くわしい説明ありがとうございました。
ひっかかっている箇所がクリアになっていくと、先に進めます。調整保険料も、加入していたら、払うので損なのかなって思っていたけど、すっきりしました。