よもやま話 2

「ロードオブザリング」のこと
(2003/03/25)


「ロードオブザリング・二つの塔」公開中です。
記念にさんげんの「ロードオブザリング」よもやま話です。

さんげんは原作「指輪物語」のファンです。
はじめて読んだのは20年前になります。
それ以来10数回読んだというだけで、大ファンとかマニアとか のすごいのじゃありませんが、生涯を通じて最も好きな本のひとつ であることは間違いありません(大げさ)。 熱中していたころは、作中に出てくる詩歌をノートに書きうつして 暗誦したり、ガンダルフの「G」のルーン文字を刺繍したマスコット (懐かしい響き・・・)を作ってかばんにぶらさげてたりしましたっけ。

------先行レイトショーにて

去年の2月。
映画もうすぐ公開だね〜、そのうち観に行こうか〜とぼんやり考えていたのですが、 新聞の広告「今夕、先行レイトショー」を見て、 突然どうしても今すぐ観たくなり夫を誘って新宿へ。

いかにも!という感じの人がいる、いる。たとえば 一人でいらしている中年層の男性など。
「20年前から読んどる」
「いや、わしゃ30年前からじゃ!」
「わしゃバクシのアニメ映画、劇場で見たど!」
「わしなんかイギリスまで巡礼に行った!」
「わしはエルフ語で詩を書いとる!」
などと自慢大会がはじまりそうな様子の面々がちらほらいる(ような気がする)。 なんだか嬉しい。わくわくする。 全国に隠れひそんでいた指輪ファンが今ここに集結しているのだなあ、 と大げさなことを考え、興奮してきたのでした。

しかしそれ以外のごく普通の若者が多いのにびっくりする。 夫婦で話合った結果、 話題の超大作という理由で先行レイトショーを見に来ているのだろう、 そういう普通の映画ファンの人々がたくさんいるんだね。 と、妙なところで感心する。

映画化の話は大部前からきいていたものの、 なんだか怖くてあまり情報を仕入れていなかったもので、 「ぶっつけ本番!」という感じで映画にのぞみました。

のっけからすごい合戦シーンで度肝を抜き 北斗の拳みたいなサウロンが大暴れ。 よろしいんじゃないでしょうか。映画ならではの迫力です。
すごいじゃん!
ビルボだ!
本当に、え、映像になっとる!
ガンダルフだ!う、うごいてる!
ホビット庄だ!お山だ!丸い扉だ!
ガンダルフが袋小路屋敷でビルボと!
(もうここまでで泣きそう)
そしてガンダルフが吐き出したパイプの煙が船型になって とんでってくれた日にはもう、「ああ満足です。 いつ死んでもいい。」という気持ちになったものです。

その上、「王の帰還」まで拝めないはずのミナス・ティリスまで 早々と出してくれて(ガンダルフが図書館で調べ物をするところ)。 監督がサービス精神にあふれているのか、 それともこういうことで原作ファンを懐柔しようとしているのか、 分かりませんが、嬉しかったですねえ。

ガンダルフはじめ、ほとんどの人物がまあまあイメージ通りといっていいですし、 (フロドがおじさんから美少年に変わっているのはご愛嬌・・・) いろいろな種族を映像化する特殊技術もすごいし、 原作ファン泣かせの小道具の数々・・・はなれ山の地図とか。 袋小路屋敷内のこまごまとした様子を見るだけでも、 本当に力を入れて作ってくれたんだなあと感心します。さすが「超大作」。

そんな感じで最初から最後まで大興奮の連続のままでした。
原作をぜんぜん知らないという夫も、おもしろかった〜と お喜びのご様子。夜中に居酒屋でビールをがぶがぶ飲みながら パンフに載っている中つ国の地図を見せ、補足説明と質疑応答に 花が咲きましたよ。

結局4回見ました。5回目も行くつもりでしたが妊娠発覚して つわりになりそれきりに。

------原作ファンとして

原作と比べてどうこう・・・という話ですが、 いろいろあります、そりゃ。 なるほど、こう処理してすっきりさせたのね。と感心するところもあれば、 これはちょっと・・・。というところもたくさんあります。

その辺は黙して語らず。ということもありませんが、まあ 私などの1000倍は熱心なファンが全国どころか 全世界に何千万(勝手に推定)といるわけで、 私が「こんな改定は嫌!」と思う気持ちの1000倍の強さで 思っていることでしょう。私など、まだまだ辛抱出来るはず。 映画は映画として楽しむことにしようと思ったしだいです。

日本の場合、原作タイトルと映画タイトルが違うものになっていて、 なんで「指輪物語」にしないんだ?と最初は思いましたが、 かえって映画は映画、原作とは別物。と考えやすくていいかもしれません。

思い出しましたが、一度目に見た時の感想は、 「ああ、ハリウッド映画ってやつは、明確な悪役と、 強気で自ら闘うヒロインがどうしても絶対必要なんだねえ」というものでした。 もちろんサルマンの出番が増えたことと、アルウェンの別人状態 (早速文句言ってる私)のことです。どっちも、 ディズニー映画みたいでした。 アルウェンはともかく(また文句言ってる) サルマンのは分かり易くて良いかもしれません。

それから、「指輪物語」って実はこんなドンパチばっかりやってる アクションストーリーだったのか!と思いました。 レゴラスが熱血になってるし。
原作ののんびりした感じはどこに・・・、こんなスペクタクル映画に なるんですねえ(感心)。その分ちょっと薄っぺらくなっている ような気もしますが(また文句)。 ネットのどこだかで見かけた言葉ですが(どこか忘れてしまいました) 映画は「男の子の指輪物語」だ、というのがありました。 一言で見事に言い表してるなあと思ったことでした。

------映画ならではの

二度目に観に行ったとき、映画のアラゴルンに惚れてしまいました。
そうです。一度目は、「なんだかパッとしない馳夫さん(原作でアラゴルンのこと)。 原作の威厳ある馳夫さんに比べて、いい歳こいてウジウジしてるし、 見た目も地味〜」と思っていたのに! 眼が優しげ、とかの魅力もありますが なんといっても汚らしいところがセクシーです。泥まみれに血まみれです。 (この映画は皆さんちゃんと汚くてステキです。パンフに誰かが書いてましたが、 リアリズムです。) チャンバラ場面では遠山の金さんのように滅法強くてああかっこいい。
ここだけの話ですが、それからの私はアラゴルン目当てで観にいったようなものです。
パソコンのスクリーンセーバーも彼のです。

で、そういう眼で観はじめると、なんとまあこの映画は 女性向けサービス満点ではありませんか。 美少年、美青年、美中年、美老人、マニア向けにヒゲの小人のおじさんまで、 各種取り揃えです。
特に美老人の活躍ぶりは凄い!だいたい美老人が二人そろうだけでも珍しいと 思われるのに、その二人がなんとまあ、グルグルまわったりすっとんだりする、 ちょっとまともじゃない死闘を演じるのですよ。(お年寄りにこんなこと させていいんか・・・と思った。まあ本人がやってるわけではないだろうが) 美老人好きな人にはたまらない映画ではないでしょうか。

------二つの塔

一作目は「う、うごいとる!」というだけで感激したものですが、 それを差し引いても「二つの塔」は不満な点が多いかも・・・。 こんな場面わざわざ作るくらいなら○○をちゃんと描けよ、とか ◎◎が別人になりすぎ、とか、この展開だと フロドたちは兎肉シチューを結局食べられなかったんじゃん、とか、 いろいろありますが・・・。
3人が平原を疾走する場面(この3人の取り合わせってデコボコで楽しくて 好きでした)、
ゴクリ(ゴラム)が予想外にちゃんと描かれていたこと、
エオウィンを丁寧に扱ってくれたこと、
なんかは良かったですね。
だいぶ前の噂ではアルウェンがヘルム峡谷に現われるなんてのが あったのですがそれが噂で終わっていたのにも安心しました。

スターウォーズの例のように、 3部作の2作目ってどうしても中途半端な印象になってしまう ものなのかもしれませんね。お話の途中から途中までですから。 来年「王の帰還」は大団円ですから、おおいに期待してます。 とっても楽しみです、観に行けますように。




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