The Sea To Sky Highway
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意外にもアシアナ航空は今回初搭乗
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新型インフルエンザ騒ぎのため、今年のゴールデンウィークに予定していたバンクーバー旅行を7月に延期した。ホテルはキャンセル不可の格安料金で押さえていたために、2泊分の宿泊代は泣く泣くドブに捨てることになってしまった。まぁそれでも7月に延期になったことで、5月初めでは路面凍結の恐れがあるウィスラーへも足を伸ばすことが可能となり、かえって良かったのかもしれない…。
アシアナ初搭乗
もともと予定していた行程が、往路韓国経由。というのもマイレージを使った特典旅行であるため、予約が困難なゴールデンウィーク中だと仁川経由しか確保できなかったためである。延期のため払い戻しをしてしまうと、期限切れになるマイルがあるため、行程もそのままスライドということになった。困ったのはアシアナ航空のブラックアウト期間で、7月17日から8月末までは特典旅行の予約が入らない。その期間に発券から1年が経過してしまうため、ぎりぎり7月16日(木)の中部発仁川行最終便で出発することになった。 |
スターアライアンス・メンバーであるANAの会員なのに、意外にも同じスターアライアンスのアシアナ航空には初搭乗。会社を14時半で早退し、中部空港発17時45分の仁川空港行きOZ123便に乗り込んだ。
予想通りビジネスクラスは私だけだった。所要2時間なので、正直機内食は期待していなかったが、肉厚のサーロインステーキが出てきて豪勢だった。牛肉か魚か選択を求められたので、魚料理の方は廃棄処分になったんだなぁと思いつつ美味しくいただいた。
仁川空港到着は20時前。日本と時差はないので、相対的に西にある韓国の日脚は長い。仁川空港最寄のベストウエスタン・プレミア・インチョン・エアポート・ホテルの部屋にたどり着いた20時半過ぎでも、まだ外は明るかった。
ゴールデンゲートカジノ
翌朝は10時半過ぎにチェックアウトし、隣のハイアットに向かうのであるが、ついでに地下のEマートに寄ってみた。カナダ旅行のお土産が、韓国で買った靴下じゃちょっとおかしいけれど、プーマの靴下1足が2,500ウォン(190円)也。帰国してから配ったら、みんな結構喜んでくれたので良かった。
仁川空港のハイアットの1階にカジノがあるのは前々から知っていて一度行ってみたいと思っていたが、バンクーバーへの乗り継ぎで来られるとは思ってもみなかった。先月マカオのカジノに行っている目には「狭いカジノだなぁ」と映ったが、各テーブルに2〜3人ずつお客が付いており、どのゲームにも参加可能である。カジノ内を一回りした後、私はブラックジャックのテーブルに座った。
席に着いた途端にブラックジャックが4回くらい出て、「今日はツイてる」と思ったが、そんなに勝負は甘くない。ディーラーと1対1の勝負になったり、初心者が入りペースを乱されたりして、チップはみるみるうちに回収された。開始30分のところでプラス10万ウォンぐらいだったのが、時とともにマイナスが進み、ひどい時には25万のマイナスになってしまった。バンクーバーへの出発時間まで資金が持つかどうかヒヤヒヤだったが、なんとか持ち直し17万のマイナスでタイムアップ。15時ころホテルのシャトルバスで仁川空港に戻った。
完全アウェイ状態
エアカナダ64便バンクーバー行きには日本人が私1人。完全なアウェイ状態のまま、17時10分に仁川空港を出発した。ビジネスクラスなので、CAもそこそこ気遣いしてくれるが、これがエコノミーだったらと思うとゾッとする。例えば機内食のメニューを選ぶ時にマゴついていると、CAはもっと分からないハングル語のメニューを持ってくるということもあった。
エアカナダはファーストクラスが無いので、ビジネスクラスが最上級クラス。そういうわけでシートはほとんど水平に倒れ、なおかつパーテーションで囲まれているためプライバシーも保たれている。まるでANAのファーストクラスのようである。映画は英語か韓国語だけというわけではなく、日本語の吹き替えもあったので、アウェイ状態といえども機内ではそこそこ楽しめた。
スタンレーパーク
ライフラットシートのおかげでぐっすり眠れ、バンクーバー到着時には時差が解消されていた。イミグレーションからレンタカーのカウンターまでの距離には閉口したが、苦手な英語でなんとかレンタカーの手続きをし、シボレー・インパラのイグニッションを回した。
まずはバンクーバー市内へ向かう。カーナビが付いているので迷う事は無いが、日本のカーナビと指示のタイミングが微妙に異なるので、行き過ぎたり早く曲がってしまったりでかなりストレスがたまった。おまけに慣れない右側通行。一旦停止の交差点で、ついつい右から確認すると左からクルマが迫っていてビックリ!ということも何度かあった。
バンクーバーのダウンタウンは平日なのに観光客で混雑していた。とりあえずバンクーバー発祥の地ガスタウンを目指す。「この辺かな」と路駐した1ブロック先に蒸気時計を見つけ、あまりの勘の良さに「さすがワシ!」とつぶやいた。
続いてはスタンレーパーク。バンクーバーのダウンタウンに来たからには、ここも外せない。なんの予備知識を持たないまま歩き回り、とりあえず唯一知っているトーテムポールを探し回る。海沿いを歩いていると、太平洋航路を往復していた豪華客船「エンプレス・オブ・ジャパン」の船首飾りがあったり、人魚像と錯覚する「ウェットスーツ姿の少女像」が浮かんでいたりと見所が点在していた。
そんなこんなで小1時間歩いていたら、ようやくトーテムポールを見つけた。さすがに、ここには記念撮影を観光客が沢山いたが、正直「こんなものか」という感じだった。その後、ブロックポイントと呼ばれる展望台で、これから渡るライオンズゲートブリッジを眺めたり、「ナイン・オクロック・ガン」という年代ものの大砲を見たりして、バンクーバーの休日を楽しんだ。この「ナイン・オクロック・ガン」は今でも現役らしく、毎晩9時にドカンとやるらしい。
Sea To Sky Highway (North)
結局スタンレーパークを2時間くらい散策し、再びハンドルを握った。サンセットビーチのあたりで酷い渋滞につかまり、だいぶ時間をロスしてしまった。ライオンズゲート・ブリッジを渡り、ノースバンクーバーから州道99号線に入る。これがウィスラーに向かう通称「Sea
To Sky Highway」と呼ばれる道路である。
その名のとおり、最初は海沿いの快適な高速道路。そのうち入り江となって道路も片側1車線に。海が途切れると今度は「空のハイウェイ」。頂に雪を被った山々が車窓の友になる。雄大なワインディングを快調に飛ばして、まだ日が高い18時半ころウィスラーに到着した。
ウィスラー
この夜の宿、クリスタル・ロッジにチェックインした頃、私はひどい下痢に悩まされていて、アルコールはおろか何も食べたくない状態だった。夜9時を過ぎても太陽が輝き、部屋の窓の下には、ウィスラーの休日を楽しむ老若男女が賑やかに行き交う。その姿をうらめしく思いながら、私はカップヌードルをすすった。この夕食を始めとして、この旅では計5回もカップラーメンを食べた。なんという貧相な食生活か…
結局、チェックインの後、一歩も外に出ることはなかったが、明け方までウィスラーのメインストリートで馬鹿騒ぎする若者の嬌声が続き、うるさくて眠れなかった。緯度が高いので朝3時半ころには空が白み始める。まさにプチ白夜。まぁ眠らないのも一興か…。
Sea To Sky Highway (South)
次の日は睡眠不足のうえに強行軍。予定より1時間遅れでホテルを出発した。レンタカーはコンパクトクラスを予約していたが、ハーツの夏のキャンペーンとかで、フルサイズのシボレー・インパラ。全長5.1b、全幅1.85bと、アメリカのフリーウェイを流すのには最適だが、ウィスラーのロッジのような狭い地下駐車場のあるところでは、その大きさを持て余す。前向き駐車していたので、簡単に駐車場から出すことができず、何度も切り返した。後部の車両感覚がつかめなかったので、バンパーを駐車場の壁に軽く当てて脱出したが、後でバンパーを確認すると、細かいキズがついていてガックリ。「返す時になんか言われるだろうな」と、かなりブルーが入ったが、気を取り直して州道99号線を南に向かう。
往路と違って、Sea To Sky Highwayは空いていた。土曜日の午前中だから、行楽客とは逆向きの流れである。バンクーバー方向へ行くクルマは100%地元民。片側1車線の狭い道路も100`以上で飛ばしていくものだから、すぐに後ろにぴったり付かれてしまう。譲れるところでは積極的に道を空けたが、追突されるんじゃないかとヒヤヒヤだった。
やがて海が見え出すと、片側2車線の高速道路に変わる。クルーズコントロールを100`くらいにセットして、イージードライブを決め込んだ。このクルコンはアメリカの国境を越えてから、かなり重宝した。1時間半走ってバンクーバー都市圏に入り、州道99号線は国道1号線(トランスカナダ・ハイウェイ)に名を変える。バンクーバー市内では多少流れの悪いところもあったが、まずまず快調にドライブできた。
53番出口でハイウェイを降りる。ここで何を血迷ったか、シフトレバーを手前に引いてシフトダウンするところを、奥に押してしまい、リバースポジションにしてしまった。クルマがバックすることは無かったが、当然エンスト。パーキングに入れねばエンジンはかからない。後続のクルマが迫っている。かなりパニックになりながら、パワーアシストが無くなって重くなったハンドルを右に切り、無事路肩に止めることができた。日本のクルマなら、走行中にリバースに入ることはありえないが、さすがはアメ車だと感じた。この後は怖くなってシフトダウンを全くしなかったが…。
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所要2時間とはいえビジネスは豪勢な夕食
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宿泊したベストウエスタンはハイアットの隣
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ハイアット内のゴールデンゲートカジノで勝負
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土砂降りの仁川空港からエアカナダで旅立つ
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バンクーバー名物ガスタウンの蒸気時計
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ダウンタウンの蒸気時計界隈は賑わっていた
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スタンレーパークよりイングリッシュベイを望む
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豪華客船の船首飾りだそうな
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人魚像と思いきやウェットスーツの少女だそうな
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少女像とライオンズゲートブリッジを遠望する
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スタンレーパークといえばトーテムポール
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ブロックポイントの灯台の下で筆者
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筆者越しに灯台もちらりと見えるのだが…
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ナイン・オクロック・ガンは未だ現役らしい
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カナダプレースの白屋根とダウンタウンのビル
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スタンレーパークの内側はこんな感じ
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ピースアーチ
国道1号線から南へ州道15号線を15分くらい走ると、カナダとアメリカの国境線にぶつかる。まっすぐ行けば「パシフィック・クロッシング」という国境線だが、すぐ西隣には「ピースアーチ」という観光的要素を持った国境線がある。そういうわけで、州道15号線から右折してピースアーチに向かった。
ピースアーチは公園になっていて、イミグレーションを越えなければ自由に国境線をまたぐことができる。白亜の門のような記念碑が「ピースアーチ」で、手続き待ちの行楽客が思い思いに記念写真を撮る平和な国境線である。ただし、立ち入り禁止のところに入り込むと、すぐに警備員が飛んでくるので要注意。私は2回もパスポートをチェックされてしまった。
午後9時10分のウィスラー
公園で30分ほど時間をつぶした後、再度ハンドルを握り車列の後についた。500bほどの列だったので「まぁ15分くらいで終わるだろう」とタカをくくっていたら、まったく前に進まない。1時間くらい経って、ようやく料金所のようなイミグレーションにたどりついた。ここでパスポートを渡し、I-94を持っていないことを告げると茶色い紙をくれる。そして左のガレージのようなところにクルマを誘導される。係りの人にクルマのキーを渡して事務所へ。そこで改めて渡航目的などを尋ねられる。
よせばいいのに、私はそこでシアトルからエバレットへの「エンパイア・ビルダー」のキップを見せたものだから、係官が機関銃のように質問を浴びせてきた。そのたびに私は「エンパイア・ビルダーはアメリカでも有数の歴史的な列車だ」とか、「これからエバレットまでクルマで行き、そこからシアトルまでバス、シアトルからエバレットまで列車、エバレットからベリーングハムのホテルまでクルマ」とつたない英語で説明するハメになった。最後は行程を紙に書いて「まぁよし」ということになったが、こんなことなら行き先をベーリングハムと言って、ホテルの予約を見せれば良かったと後悔した。
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トロリーバスが公園内にも乗り入れている
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雪を被った山々を見ながら快調にドライブ
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Sea To Sky Higwayにてシボレー・インパラ
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州道99号線南行きは海に沿って進む
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どこまでも続く海岸線がSea To Skyたるゆえん
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米加国境のピースアーチに到着!
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この石碑が国境線らしい
シアトル 大返し
結局、国境事務所で30分拘束されて、ピースアーチ通過に観光も含めて2時間弱もかかった。既に13時45分。「エンパイア・ビルダー」のシアトル発車時刻は16時45分なので、あと3時間しかない。インターステート5号線(I-5)を平均110km/hで飛ばす。なんやかんやでエバレットには15時ころ到着し、駅前の無料駐車場にクルマを停めた。
エバレットからシアトルへはサウンド・トランジットの路線バスで移動。50`の距離を走るが、料金はわずか2ドル。前述のようにパーク&ライドの制度もあるので、結構利用者が多かった。シアトル市内の渋滞は強烈と聞いていたので、ちゃんと列車の時刻に間に合うか心配だったが、I-5がまずまず流れていたので、シアトルのダウンタウンまでの所要時間は50分ほどだった。
シアトル到着が16時少し前。とりあえずキング・ストリート駅に近いパイオニア・スクエアだけは見物できそうだ。シアトル発祥の地であるパイオニア・スクエアのポケットパークには、バンクーバーのスタンレーパーク同様、トーテムポールが建っていた。未開の地に入植してきた人たちの苦労を、ほんの束の間偲んだ。
さぁシアトルの思い出もここまで。キング・ストリート駅に向かって歩き出した。パイオニア・スクエアからは徒歩5分。駅舎は他の大都市同様、歴史を感じさせるものだった。
エンパイア・ビルダー
エンパイア・ビルダー号は既に入線していて、私が列車に乗り込んだ時には、あらかた席が埋まっていた。シアトルとシカゴを2泊3日の行程で走る列車だけに、寝台車や食堂車も連ねているが、コーチシートにも遥かシカゴまで向かう乗客が乗っていた。たかだか1時間で下車してしまう私は、遠慮がちに指定されたシートに腰を降ろした。
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国境線に立つ記念碑「ピースアーチ」
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米加の国交が永遠に続くと刻まれている
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アメリカ国旗をデザインした花壇
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反対側にはカナダ国旗の花壇もある
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ピースアーチのすぐ横は遠浅の海岸線が続く
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高速の料金所のようなイミグレーション
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シアトルまで54マイル!
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インターステート5号線南行きを快調に飛ばす
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シアトル発祥の地パイオニアスクエア
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トーテムポールが建つ
キングストリート駅の時計台
シアトルからエバレットまでの料金は10ドル程度で、格安なバスに比べれば5倍もする。で、ほとんどバスと所要時間も変わらないとなれば、短距離利用する人は、私のような酔狂な人だけだろう。それでも列車の旅は、バスの旅とは違う良さがある。バスで移動したら絶対に見られない、風光明媚なピュージェット湾の海岸線に沿って走るし、チッテンデン・ロックスの西側では珍しい開閉橋も渡る。席にじっとしているのはもったいないので、私はたびたび列車の最後尾の窓から、過ぎ去っていく車窓にカメラを向けた。
約50分の列車の旅を終えて、エバレットに舞い戻る。それにしてもエンパイア・ビルダーには、一度通しで乗ってみたいものである。
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歴史を感じさせるパイオニアビルディング
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シアトル・キングストリート駅前にて筆者
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2泊3日走りっぱなしの「エンパイア・ビルダー」号
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シアトル〜エバレット間は海岸線を北上
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複線だった線路もローカル色豊かな単線に
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2階建て客車のアッパーデッキ。結構満員
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全米でも珍しい開閉式の橋を渡る
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途中駅エドモンドの風景。1面1線しかない
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エンパイアビルダーの先頭に立つディーゼル機
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米→加→日
エバレットからは夕暮れのドライブ。往路と違って時間の制約がないので、アメリカのハイウェイを心から楽しむことができた。ウィスラーの駐車場では散々文句を言った大柄な車体も、シチュエーションが変われば快適な大きさになる。アメリカンなV6OHVサウンドを聞きながら、宿泊地ベーリングハムへとクルマを走らせた。
ベーリングハムのホリデイ・イン・エクスプレスに到着したのは、まだ日が高い19時半過ぎ。ガソリンスタンドでバドワイザーとワインを買い込んだので、さっそく部屋で酒盛りとなった。
ベーリングハムでは21時頃日没
そして22時を過ぎても空が明るい
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パーク&ライド。背景はエバレット駅
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アメリカの田舎に宿泊するのもなかなかである
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帰りはパシフィッククロッシングで国境通過
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旅を終えてバンクーバー空港に無事戻る
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アメリカンな750mlのバドワイザー缶を飲み干してから、ハタと気付いた。ワイン・オープナーが無いのである。それじゃということで、クルマのキーをコルクに刺す。キーでは長さが足りないので、ベルトのバックルを刺して、ウンウンやって30分後にやっと貫通。部屋に備え付けてあったストローを、その穴に挿して晴れて赤ワインを飲むことに成功した。人間の叡智って素晴らしいと心底思った。まぁ酒飲みの執念といえなくもないが…。
翌朝、8時にチェックアウト。考えてみれば、この旅の宿泊地は3泊とも別の国だった。その中でも、ここベーリングハムは快適だった。アメリカの田舎のホテルにクルマで来て泊まるというスタイルは、自分としては最高に心地よいものなんだと改めて思った。
日曜日のカナダ国境に向かうハイウェイは、ほとんどクルマが走っていない。昨日懲りたピースアーチを避け、パシフィック・クロッシングで国境通過。イミグレーションではパスポートを見せるだけだったので、待ち時間も含めて10分もかからなかった。予想外に順調に走ってしまったため、バンクーバー空港には出発4時間以上前に着いてしまった。懸案だったバンパーのキズも、ハーツレンタカーのチェッカーが見逃してくれて一安心。海外でクルマを借りた時、いつも思うことだが、事故もなく無事にクルマを返却すると肩の荷が下りる。
エアカナダ3便は往路と違い日本人が多かった。快適なシートに身を沈めながら、旅を振り返るひとときが嬉しい。それとともに「たぶん1人では、もうこんな旅も最後だろうなぁ」と、ちょっとしんみりしたりした…
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ファーストと見紛うエアカナダのビジネスクラス
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<おしまい> |
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