週 末 は 韓 国 で 旅 打 ち 三 昧
遅ればせながら成田スカイアクセスの初乗り


ネットカジノのサイトにHAAMOというものがあり、3月末までウォーカーヒル・トーナメントが開催されていた。予選で3位までに入ったり、決勝で2位までに入ったりするとソウルのシェラトン・グランデ・ウォーカーヒルの無料宿泊券が貰えるという大会である。私はこの大会で敗者復活戦で決勝に進み、そこで準優勝して幸運にも無料宿泊券をゲットした。期限切れ寸前のJALマイルを特典航空券に交換し、5月18日から20日までの2泊3日の日程で韓国旅打ちツアーを決行した。

せっかく韓国に行くなら、未だ乗ったことの無いKTX(韓国の新幹線)に乗ってみたい。そこで5月17日に東京で前泊し、18日午前の成田発釜山行きJL957便に搭乗した。成田空港へは一昨年の7月に開業した成田スカイアクセス線を初乗り。新規開業区間を160`で突っ走り、上野から45分で成田空港第2ビルに到着した。遠い遠いと思っていた成田空港もどんどん近くなっていく。

2時間のフライトの後、釜山金海国際空港に到着。入国手続きもスムーズに進み、12時半には釜山・金海軽電鉄のホームに立っていた。金海空港のアクセスを担うこの鉄道も、昨年9月に開業と、できたてホヤホヤ。もちろん初乗りである。地下鉄2号線の乗り換え駅である沙上まで乗車。わずか4`足らずだったが、全線高架区間を走るため眺めが良く、気分がいい。乗り継いだ地下鉄は混んでいて、早く降りたくて仕方が無かったが…。

13時過ぎにKTX釜山駅に到着。14時の列車を予約しており、出発前は間に合うかどうかが焦点だった。KORAILのサイトで予約しプリントアウトした紙を窓口に差し出すと、いとも簡単に正規のチケットに交換してくれた。外国の鉄道は事情が分からないからと、高い手数料を支払って旅行代理店に手配していたのは遠い昔の話。今では素人でも確実に海外の鉄道手配が可能になった。いいご時世になったものである。

旅先で1時間もボケッとするのは忍びないので、発車時刻30分前にホームに降りてみたら、既に予約したソウル行き138列車は入線していた。1等座席を予約しており、指定された号車に入ると1+2列のシートが並び、スペースは縦横ともかなり余裕があった。これで釜山〜ソウル間は80,200KRW(日本円約5,600円)と安い。シートで無料の無線LANが使えるのも重宝し、出発までネットチェックができて良かった。

14時ちょうどに釜山駅を発車。しばらく一昨年の11月に新規開通した区間を行く。新線区間はトンネルが多いのは日本と同じである。大邱や大田などの沿線都市の一部には在来線との共用区間があり、KTXとは違う塗り分けをしたセマウル号やムグンファ号と隣同士で並んだりした。速達タイプの列車は、釜山〜ソウル間を2時間13分で結ぶが、私の列車は各駅停車のこだまタイプ。所定でも2時間37分かかるところを、少し遅れて16時45分ころソウル駅に到着した。


釜山金海空港アクセスも初乗りの金海軽電鉄


ソウルに向かうKTX乗車前に釜山駅にて筆者

ソウル駅から大混雑の地下鉄を2本乗り継いで、やっとのことでウォーカーヒルの玄関であるクァンナル駅に到着。シャトルバスを少し待って、18時前にようやくウォーカーヒルのパラダイス・カジノに到着した。上野のホテルを出て11時間あまり、会社からは24時間の旅の末、なんとかたどり着いた感じである。さっそく別便で到着しているはずの同僚・ナベさを探す。「ウォーカー・ヒルのブラック・ジャックのテーブル付近で待ち合わせ」というあいまいな落ち合い方だったが、すぐにナベさを見つけた。

会うなりナベさは「大変な目に遭った」とこぼす。静岡空港から仁川空港に着いたナベさは、言われた通り空港のウォーカーヒルのカウンターに行ったが、「加藤はどこだ?」と話にならなかったらしい。その挙句にウォーカーヒル行きリムジン・バスに乗せられたが、無料のはずのバス代15,000KRWを払わされたらしい。ホテルに着いたら着いたで、宿泊の予約が入ってないやら、「加藤が来るまで待ってくれ」などと言われ、結局部屋にも入れず、ほんの少し前にブラックジャックを始めたとのことだった。当事者の「加藤」が来たので、ナベさと一緒にカジノの案内所に向かった。東京の担当者と私があーだこーだ携帯で話して、改めて今日明日と部屋を押さえてもらい一件落着。まずは荷物を置いてこようと、いったん部屋に行った。


ソウル駅到着後の乗客の大行列

用意されていたのは漢江が見える立派なツインルーム。しかし荷物を置いただけで、すぐにカジノに逆戻り。この日の夜は、24時ころまでずーっとブラックジャックのテーブルにいた。夕食もカジノで食べてタダ。しかしタダより高いモノはない。本当はもう一つ前のエイトデッキで終えるつもりが、ナベさにずるずると引きずり込まれ、気付いたら最後のデッキでチップを半分に減らしてしまった。

翌朝も朝食をタダで食べるためにブラックジャックのテーブルに座る。夜と違ってディーラーが立っていないテーブルが多く、かえって席に着くのに苦労した。朝食は韓国らしくお粥を食べ、次の予定までチップを増やすことも減らすこともせず、時間だけを消費した。

ソウル競馬収支表 (12.5.19開催) 単位KRW
レース 投資 回収 収支 累計
ソウル2R 10,000 14,000 +4,000 +4,000
ソウル3R 20,000 0 -20,000 -16,000
済州1R 10,000 0 -10,000 -26,000
ソウル4R 20,000 61,000 +41,000 +15,000
済州2R 9,000 0 -9,000 +6,000
ソウル5R 21,000 0 -21,000 -15,000
ソウル6R 26,000 8,800 -17,200 -32,200
済州5R 20,000 0 -20,000 -52,200
ソウル7R 24,000 31,000 +7,000 -45,200
合計 160,000 114,800 -45,200 71.8%

9時過ぎにホテルのシャトルバスに乗り、地下鉄2号線の江辺駅に向かった。ここからソウル競馬場へは乗り継ぎを含めて45分ほど。運賃が1,350KRWと安いだけに、土曜日の朝とはいえ超満員だった。で、10時ころソウル競馬場に到着。私のサイト「韓国競馬案内」で書いているように、外国人専用席でゆったりと観戦しようと思い、新館の4階に行ったが、そこにはそんなものは無かった。あせった私は、インフォメーションのお姉さんに、つたない英語で聞くと「1階にある」とのこと。少し安堵して、1階で専用席を探すも見つからない。再びインフォメーションで尋ねると、外国人専用案内所があるから、そこで訊いてねと言われた。そこで日本語で尋ねたところ「2年前に廃止されました」とあっさり言われた。ソウル競馬場には6年ぶりの訪問。その間に「外国人なんか滅多に来ないからやめてしまえ」となったんだろう。実に惜しいことである。

季節のいい5月なので、建物の外にある観覧席が気持ちいい。そこで数時間過ごしたが、馬券の方は馬連・ワイドを1点で的中させた第4レース以外はさっぱりだった。その第4レースは最終コーナーを回ったところで、私の買った馬がワンツー。「そのまま」という声をソウル競馬場で50回くらい叫んで、結果そのままフィニッシュ。最後の直線が400bくらいあるから大変である。また、おもしろかったのは場外発売で中継していた済州競馬場のレース。済州島の固有種であるポニーを使ったレースで、活字にしてしまうと「なんだかなぁ」という感じだが、百聞は一見に如かず。馬体が小さいせいもあってスピード感があり、またゴール前で着順ががらりと変わる(つまり追い込みが決まる)レース展開。第2レースは勝ち馬と0.2秒差の間に4着まで入るという混戦だった。また第5レースは重賞だったらしく、走破タイムも1,700bを2分2秒9と立派なものだった。


夕食は明洞で海鮮チヂミを食す

なんだかんだで、持ち金を減らして15時30分ころ競馬場を後にした。またまた混んでいる地下鉄を乗り継いで明洞へ。メガネを新調した後、ソウルに来ると必ず立ち寄るチヂミ屋に寄った。ビールを飲みながら、ここの海鮮チヂミを食べると、すごく幸せな気分になれる。チヂミの盛り合わせをもう1皿頼んで、ビールもしこたま飲んで、お代は2人で54,000KRW(日本円3,780円)。とにかく韓国は食費と交通費が安い。

明洞からウォーカーヒルにシャトルバスで戻り、速攻でカジノに行って最後の夜の勝負を楽しむ。カジノに来れば、当然のようにブラックジャックのテーブルに着く。10,000KRWずつちびちび賭けていたが、朝の再現で増えもしないし、減りもしない。22時を回り、「明日の朝は早いので荷造りをしたいなぁ」と気になり出した。このデッキで最後にしようと思い、50,000KRW勝負に出たが、タイミングが悪かった。あっという間にチップが残り1枚。そこから2連勝して、持ちチップ40,000KRWでデッキが終了。ナベさを残して部屋に戻った。そのナベさは…。結局2時半ころまで粘って、がっぽり儲けたらしい。途中でアイスコーヒーをぶちまけて、テーブル全員から白い目で見られたそうだが、それにも負けずに頑張ったとさ…。


釜山駅に並んだKTX。出発のかなり前から待機


1等車の車内。1+2列で横に余裕のあるシート


大田駅では隣のホームにムグンファ号が並ぶ


同僚のナベさと落ち合いウォーカーヒルへ


ホテルの部屋から見た漢江を照らす朝日


ソウル中のギャンブラーが集うソウル競馬場


よく整備されたパドック。施設はJRA競馬場並み


最後の直線は400bほどあり外差しが決まる


電光掲示のオッズ板の前を走る韓国の馬たち


この日はJRAトロフィーがメインレース


日章旗と太極旗が仲良く並ぶスタート地点


最終日は日の出前に部屋を飛び出した

<終>

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