GTファンファーレが雨の淀に鳴り響く


1周目の第4コーナー。ビッグゴールドが先頭


波乱の立役者アンカツさん、おめでとう

「 そ う だ 、 京 都 競 馬 場 へ 行 こ う 。 」

〜 3 ・ 3 ・ S U N フ リ ー き っ ぷ で 行 く 小 さ な 旅 〜


ゴールデンウィークはどこに行っても混むし、仕事もあったりで、この歳までどこかに旅行に行こうという気にはなれなかった。でも、今年はカレンダーの関係で7連休!「そうだ、京都(競馬場)へ行こう。」5月1日には一度は観たいと思っていた春の天皇賞もある。目標の4万マイルまで残り1000マイルとなったJALのマイレージを考慮して、宿は京都競馬場からほど近い、茨木のホテル日航(RC9,000円=600マイル)に決めた。さて、残るは交通手段である。一般的には新幹線だが、高いし、どのみちめっちゃ混むだろう。安いのは高速バスだが、渋滞に巻き込まれたら最悪だ。いろいろ考えた挙句、名鉄・近鉄・南海の3社3日間乗り放題の「3・3・SUNフリーきっぷ」(5,000円)を使って京都入りすることにした。


直線の迫力ある叩き合い。ゴールまで1ハロン


愛知万博開催中の今、大阪万博の残り香


宿泊先のホテル日航茨木大阪


GTレースが開催され、なおかつ雨なので競馬場の建物の中は、芋を洗うような混雑だった。仕方なく傘を差して、外で競馬観戦をしたが、あっという間にずぶ濡れになった。とても予想ができる状態ではなく、往きの電車の中で、ほとんど買い目を決めてきて本当に良かった。でもその買い目の方は、さっぱり当たらなかったけど…。京都の9レースから12レース、東京と新潟の10レースから12レースの計10レースを買ったけど、的中したのは東京10レースと新潟12レースの2つだけ。合計35,000円ほどスッて、今日の空同様、泣きたくなってしまった。

3・3・SUNフリーきっぷは、JRの青春18きっぷのように普通列車専用の乗り放題きっぷだが、特急券や指定券を別に買えばちゃ〜んと名鉄の特別車にも近鉄の特急列車にも乗れてしまう。しかし、時間だけは湯水のようにある黄金週間の休暇中。とりあえず往きは料金のかからない列車を乗り継いで行った。豊橋を9時2分に出る快速特急からきっぷの使用を開始し、名古屋、伊勢中川、大和八木で近鉄の急行を乗り継ぎ、丹波橋に到着したのは13時40分だった。丹波橋から淀までは京阪電車で9分。最初の特別レースが発走する14時25分には余裕で間に合った。


和歌山市駅から加太行きワンマン列車に乗車


年代モノの駅舎が旅情を誘う終点の加太駅

肝心の天皇賞の方は、ご存知の通り大波乱(3連単はJRAのGT史上最高配当)。私は@ザッツザプレンティ、Eリンカーン、Gヒシミラクル、Kマカイディーヴァの4頭のワイド、馬連、3連単のボックス馬券を握り締めて観戦したが、最先着はリンカーンの6着。ザッツとヒシに至ってはレース後に故障発生し、このまま現役引退に追い込まれそうな気配である。1着スズカマンボの父はキングマンボ(天皇賞は「王」にまつわる馬がよく来る)、2着ビッグゴールド(今年のJRAのキャッチフレーズは「BIG TIME」)じゃ、まるっきりサイン馬券じゃん…。JR山崎駅に向かう帰りのバスの中でひらめいたが後の祭りだった…。


南の風、快晴。加太の海岸でたたずむ


紀淡海峡〜手前の島は友ヶ島、奥は淡路島


新緑に赤い鳥居が映える


新今宮から南海電車で1時間、和歌山に到着した。せっかくだから海が見たい。和歌の浦も魅力的だが、タダで乗れることが決め手になり、和歌山市北部の加太に行くことにした。

木造の風情のある加太駅から歩くこと15分ほど、紀淡海峡を望む海岸線に出た。すっかり天気も回復し、五月晴れの下、吹き抜ける潮風が爽快だった。淡路島を眺めながら少したたずんだ後、すぐそばの淡島神社に立ち寄った。奉納された人形が本殿にずらりと並び、壮観だけど異様な感じもした。賽銭を投げて拝んだことは2つ。「無事に旅行が終わりますように」と、あとひとつはヒミツ。

明けて5月2日月曜日。ホテルを出て、茨木駅に向かう途中、エキスポロードを歩きながら考えた。雨が残っていたら、このまま鶴橋に出てアーバンライナーで一気に帰ろうと思っていたが(それでもきっぷのモトは取れる)、天候は回復に向かっている。久々に乗り放題きっぷを手にすると大いに迷う。南海電車で和歌山に行くべきか、それとも近鉄のローカル線を行きつ戻りつ帰るか…。結局、3社乗り放題のきっぷの特性を生かして和歌山に行くことにした。


旅の途中、淡島神社にちょっとお参り


奉納されたおびただしい数の人形が並ぶ


橿原神宮前で吉野行き急行を見送る


近鉄最大の難所を控える青山町駅


近鉄あべの橋駅も大ターミナル


本当は名張あたりで特急に乗り継いでいれば、かなり早く帰れたが、こうなると意地でもビタ一文特急料金を払わねぇぞという気になってくる。臨時停車の長谷寺から実質的には各駅停車に変身した急行は、次々に特急に抜かれながら青山町に到着した。近鉄最大の難所・青山トンネルを控える駅で、構内はだだっ広いが駅舎は小じんまりしていた。この時期に、こういう小駅でたたずむと「青いスタスィオン」を口ずさみたくなる…。

伊勢中川からの急行で、久々に転換クロスシートに座ってしまうと、もうロングシートには戻りたくなくなる。桑名で養老線に乗り換えるというオプションも、あっさりと破棄して一路名古屋へ。当然、名古屋からも快速特急の一般席に座り、暮れなずむ豊橋に戻ってきた。さぁ祭り前夜の浜松に帰るぞ!

大阪への帰りは特急サザン号指定席のリクライニングシートでゆったり行きたかったが、次に出る電車は難波まで先着する急行。昼メシ後で、どのみち寝ていくんだからとロングシートに収まった。あべの橋からの近鉄南大阪線も、接続したのは橿原神宮前まで特急に先着する急行電車。大和八木の橿原線ホームから駆け上り、名古屋方面のホームに停まっていた電車も青山町行き急行。何も考えずに乗り継いでいくと、どうも特急料金を使わせてくれないシステムになっているようだ。ま、大阪線の急行は榛原で、後から来た特急にあっさりと抜かれたけどね・・・。


3・3・SUNフリーきっぷを存分に使い豊橋へ


鉄道乗りまくりの一日が暮れていく

<おしまい>

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