〆 は 出 雲 そ ば


ガーデンホテル金沢に宿泊


今春のJRダイヤ改正日は3月16日。その時に北陸新幹線が敦賀まで伸びたのでもう4ヶ月も経つ。一応JR全線乗車のタイトルホルダーであるので、未乗区間をいつまでもほったらかしにするわけにはいかない。というわけでタイトル防衛を果たすため、今期のJR西日本の株主優待券が利用できる7月に北陸新幹線の延伸区間を片付けることにした。

金沢から松江までを一気通貫でグリーン車を乗り継ぐことにして、株主優待券でこの部分の乗車券とグリーン特急券料金を半額で発券。そして復路は出雲市からサンライズ出雲の喫煙室をe5489ネットで10時打ちして確保。サンライズ出雲を始発から乗るためには、前日に金沢に泊まっている必要があるので、金沢駅前の老舗ホテルであるガーデンホテル金沢の「サンキュープラン」(朝食付き3,900円+金沢市宿泊税200円)を予約した。

金沢駅を北陸新幹線で出発してから9時間。出雲市駅前の一福さんで蕎麦にありつく


岡山の名物駅弁 祭ずし

前泊で金沢まで行くためにその日の仕事が終わってから浜松を出発。米原で新幹線から特急しらさぎに乗り継ぐのは今まで通りだが、米原から30分の乗車で敦賀に到着。ここで北陸新幹線に乗り継がねばならないので、おちおち呑みテツをしていられない。東海や関西方面から北陸に行くのには、乗換が1回増えてかえって面倒になった。敦賀からはいよいよ未乗区間に入るが、夜間なので車窓が見えず明日に期待といったところである。

翌朝8時40分発車の金沢始発のつるぎ11号で出発。この列車は途中福井しか停車しない速達便である。金沢から敦賀まではわずか45分であっという間。それでも石川県内の区間は遠くに海が見えたり、田園地帯を快走したりでわりと車窓を楽しめた。タイトル防衛を果たして9時25分に敦賀到着。

敦賀でふたたび在来線特急に乗り換え。サンダーバード12号もグリーン車を指定していたのですこぶる快適だった。湖西線を南に下るにしたがって天候が回復し、琵琶湖の水面にきらめく陽射しは夏模様だった。

新大阪からはのぞみ63号の7号車「S work 車両」に乗車。せっかくの株主優待券利用なので、通常の値段だと指定席料金+1,200円の「S work Pシート」を指定した。N700Sなら通常の2倍の速度で車内wifiが提供されるようだが、あいにく最も古いN700のスモールA車両でがっかり。S work Pシートの売りである手前に引き出せるテーブルにノートPCを置いてみたり、B席にあるパーテーションの内側のドリンクホルダー&小物置きを使ってみたりした。1編成に10席しかないレアなシートだが、私の目線では隣に人が座らないくらいしかメリットを見出せなかった。というわけで、今後はよっぽどのことがない限り追加で1,200円を支払って座ることはないと思う。

岡山で乗り継ぐ予定のやくも11号は折り返し列車のトラブルで30分ほど発車が遅延した。まぁ急ぐ旅ではないのでやきもきはしなかったが、岡山駅のホームで弁当を片手に列車を待つのはしんどかった。列車に乗ってしまえば新型車両の273系のグリーン車なので最上級の快適さ。国鉄型特急車両の381系の引退は残念だったが、新幹線からの落差がない車両にしたいというJR西日本の目標は達成できているのではと感じた。何よりも振り子の振り遅れや揺れ戻しがないのがよろしい。

出雲市行きの特急やくもを松江で乗り捨て、わざわざ一畑電車に乗るのが今回の旅のキモ。まずは松江市営バスで始発駅の松江しんじ湖温泉駅を目指す。国宝松江城のそばを通り、車窓からでも観光気分を味わえるのが路線バスのいいところ。というわけで今後も路線バスの車窓をYoutubeにアップしていこうと心に決めた。


松江しんじ湖温泉駅前の足湯

一畑電車はやくも号の遅れのため予定より1時間後の電車になってしまった。待ち時間が増えたので駅前の足湯につかった。サンダル履きで来るとこういう場面でも躊躇しないので便利である。

というわけで16時45分発の電鉄出雲市駅行きの電車でリスタート。宍道湖の眺めに癒されながら進み、途中の一畑口でスイッチバック。今度は山側の里山の風景に心が和む。雲州平田で学校帰りの高校生、そして川跡で出雲大社帰りの観光客を乗せ、始発から1時間後に終点に到着。いい旅のアクセントになった。

さて出雲まで来たからには出雲そばを食べなければ来た甲斐がないというもの。出雲市駅前のホテル ツインリーブス出雲1階にある「奥出雲そば処 一福」さんで、念願の割子そばを注文。旅の〆を飾る美味しいそばだった。

今回の旅の予定はこれでほぼ終了。最後はサンライズ出雲に乗って静岡まで自動的に運ばれるだけである。日本ではサンライズだけになってしまった車内での喫煙が楽しみ。せっかくなのでハイボールやレモンサワーも持ちこんで、暮れゆく車窓を見ながら酒を飲み、煙草をくゆらすだけである。


一畑電車 松江しんじ湖温泉駅と足湯(右)


大社造りを模したJR出雲市駅の駅舎


久々のサンライズ出雲に大興奮。酒と煙草の夕べを繰り広げた

<終>

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