Season's Greetings |
未乗区間制覇を前に仙台駅にて |
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30回目のX'mas Express 2017年の最後の旅である。今年は大人の休日倶楽部や、おとなびに入会したおかげで、乗り放題系のきっぷを使うことが多く、連続で列車に乗るのは少々疲れてきた。というわけで今回は、長距離フェリーの個室でのんびりすることにした。今年は四季島や瑞風がデビューするなど、豪華クルーズ列車が話題となった。まぁ安けりゃ乗ってみたいが、2泊3日でウン十万円という、べらぼうな値段なので個人的には興味はない。それなら長距離フェリーの個室で缶詰になった方がどれだけいいかと思う。第一、仙台→名古屋の特等室で船賃が15,000円。部屋にはシャワーもバスタブもあり、四季島のスィートにバスタブが付いていると、ひゃぁひゃぁ言っているのが、ちゃんちゃらおかしいのである。 年の瀬も迫った12月20日。18時までの勤務を終えて、700系こだまの自由席に乗った。この時期、夜の新幹線に乗ると、決まって思い浮かべるのは、X'mas ExpressのCM。第1回の深津絵里のものが1989年だったので、数えて今年は30回目のX'mas Expressである。それにしてもあのCMは良かった。BGMは「クリスマス・イヴ」。「きっと君は来ない」のところでバックコーラスが入ると、一気にクリスマスムードとなる。100系新幹線が細長いテールランプとともにホームを離れると、深津っちゃんの目に涙。その時に30年にわたって彼女が第一線で活躍するとは思わなかったが、今では一流のコメディエンヌであり、好きな女優の一人である。 退役へのカウントダウンが始まった700系の喫煙自由席でタバコをくゆらしていると、100系新幹線に乗っているように錯覚した。3列シートが回転リクライニングになったのは100系が最初であり、300系〜700系まではそれほど変わりない感じがする。N700系の登場で全席禁煙となり、昭和末期の旅の雰囲気が消えた。100系の雰囲気を残しているのは、現役新幹線では700系だけのような気がする。これからも指名買いで退役まで乗っていこうと思う。 | ||
各駅停車のやまびこ201号に大宮から乗車 |
冬至間近の日の出は遅い。朝7時頃の車窓 |
宇都宮行?東京行? こだまを三島で降りて、東海道線に乗り継ぎ熱海へ。熱海で明日のやまびこの指定券と、1か月後のおときゅうパスを発券し、ひと安心。これで心ゆくまで酔っぱらえるというもの。予定通り上野東京ライン経由宇都宮行きの普通電車に乗車した。もちろんVIEWポイントで交換したグリーン券を使って、階上のグリーン席に陣取った。これで今夜の宿泊地大宮まで一直線だと思ったが甘かった。宇都宮行のはずなのに車内のLED表示は東京行となっている。グリーン券をチェックに来たアテンダントに尋ねると、高崎線内の人身事故の影響で北行きのダイヤが乱れ、そのため東京止まりとなってしまったらしい。これじゃ全てを忘れて飲み明かすわけにはいかない。そのうち車内放送で「大宮方面は戸塚で湘南新宿ラインに乗り換えてください」と案内があり、その気になっていると今度は、「後続の籠原行きにお乗り換えください」と案内され右往左往。結局茅ヶ崎で7分後の籠原行きに乗り継いだ。 こだま型やまびこで見る蔵王 ダイヤの乱れている高崎線直通ということで、品川以降の籠原行きはめちゃ混みだった。グリーン車に乗っているからいいようなものの、普通車では旅の気分も吹っ飛んだろう。大宮には23時30分ころ到着し、その7時間後には再び大宮駅のホームにいた。えきねっとで35%引きで予約したやまびこ201号は、各駅停車のこだまタイプ。宇都宮や福島など沿線の県庁所在地に出勤するための列車で、10両編成中7両も自由席をつないでいる。定期券利用が中心なので、指定席が大安売りなのも、もっともである。仙台までの沿線は雪もなく穏やかな快晴。白石蔵王駅付近の車窓をよぎった蔵王の山並みが心にしみた。 未乗区間制覇! 仙台でまとまった乗継時間があったが、改札を通ってしまうときっぷが回収されてしまうので、ホームで無為な時間を過ごした。発車6分前に4両編成の気動車が到着。折り返し特別快速石巻行きとなった。気動車というものの実態はハイブリッド気動車で、仙石東北ラインが開通した2015年に導入された新車である。東北線も仙石線も電化されているので、常磐線用の交直流電車を持って来ればよさそうだが、デッドセクションを作るのが面倒だったんだろう。列車は仙台を出ると塩釜、高城町、矢本の3駅に停車するだけで仙台〜石巻間の所要時間は54分。仙石線を走る普通電車が1時間半前後かかるのと比べると、かなりの駿足である。 |
快晴のもと冠雪した蔵王連峰が車窓をよぎる |
仙台到着の向かいのホームにイーストアイ | |
未乗区間の仙石東北ラインに突入。複線の東北線上り線を横切り(左)、非電化の連絡線を通り(中)、単線の仙石線と合流(右) |
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ハイブリッド気動車HB-E210系も当然初めて |
高城町の駅名標の仙台方は二股表示 |
列車は9時24分に出発し、仙台近郊の小駅を4つ通過し塩釜に到着。東北線の次の駅は松島だが、ホーム直前に仙石線への接続線があり、下り列車は上り線を一瞬逆行する形で接続線に分岐する。今年になってひょんなことから、この部分が開業していることに気づき、今回慌てて乗りに来たわけである。接続線部分はわずかな距離で、仙石線に合流してすぐに高城町に到着。無事に「石和温泉〜酒折間を除いてJR全線完乗」のタイトルを維持することに成功した。酒折で無事完乗を果たすのは、来年になるか再来年になるか…。
高城町ではだいぶ時間があったが、ここで改札を出てしまうと「仙台市内」までのきっぷが回収される上に、乗り越し料金を精算しなければいけなくなってしまうので我慢我慢。吹きっさらしのホーム30分ほど待って、205系の上り電車に乗車した。山手線や埼京線で活躍していた車両が改造を受け、15年ほど前から仙石線に投入された。往時は10両編成で首都圏を走り回っていたが、仙石線に入線するにあたって4両編成となり、中間車に運転台を取り付けたため、顔が変わって新車のような感じがする。電車は松島海岸の景観を横目に見ながら20分少々で中野栄に到着。ここは仙台市内の駅なので、大宮からのきっぷを改札口に通すとすんなり扉が開いた。 中野栄駅には2010年4月に来ている。駅から徒歩10分ほどにあるプレミアムイン仙台多賀城に、旅打ちドライブの際に宿泊しており、つっちぃと仙台市内で飲むためにこの駅から電車に乗ったわけである。この歳になると7年半前の記憶もあいまいで、駅舎を見ても駅前広場を見てもピンとは来なかった。ほぼ初めての気分で駅前を散策し、バスが来るまでの時間はココイチで昼食を取って費やした。 11時半ころフェリータミナル行きバスが到着。遠く泉中央から仙台駅前を経由して中野栄駅に到着したが、先客も含めて乗客はまばらで、全員が太平洋フェリーに乗るような感じの旅姿だった。ちなみに仙台駅前からフェリーターミナルへの運賃は540円で、中野栄からなら160円。仙台市内までのきっぷでいろいろと節約ができ、おまけに未乗区間にも乗ることができた。
洋上よりSeason's Greeyings |
かつて首都圏を走っていた205系で中野栄へ |
人名っぽい中野栄駅前より宮城交通バス乗車 |
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今回はフェリーきそに乗船。この船も豪華仕様 |
特等船室独り占めでも仙台→名古屋10,500円 |
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福島浜通り沖で日が沈む。冬の日は短い |
季節感を演出するピアノ横のクリスマスツリー |
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<終> |