全国旅行支援で愛媛へ


伊予西条駅は初めて下車した

はじめに

全国旅行支援で2週前に金沢に行ったばかりなのに、調子に乗ってまたも全国旅行支援で松山へ。当初の計画では今月は大人の休日倶楽部パスを利用して五能線のリゾートしらかみ号に乗るつもりだったが、五能線に不通区間があるため来年1月に先送り。せっかくの割引制度を活かさなくてはと考え、去年同様12月の旅は松山往復となった。しかし伊丹空港発のツアーなので、往復の足代がかかり、それはど安い旅とはならなかったが・・・。


大阪空港交通から阪急観光バスに社名が変わった伊丹空港リムジンバス

伊丹空港のリムジンバス

例によってエクスプレス予約の「こだまグリーン早得」で新大阪へ。自由席料金にプラス400円でグリーン車に乗れるので、首都圏や関西圏に新幹線で行くときは、ほとんどこれを利用している。今回は下りの始発列車なので、10号車に乗っていたのは私を含めて3人だけ。実にゆったりとした1時間半だった。

新大阪で伊丹空港のリムジンバスに乗り換え。もともと大阪空港交通という会社が運行していたが今年7月に阪急観光バスと合併し、「阪急観光バスが運行する空港リムジンバス」となった。まぁ大阪空港交通も阪急グループだったので、いわゆる合理化というやつだ。

さて、そのリムジンバスは阪神高速の事故渋滞のためルート変更。いつもなら北大阪急行と一緒に北に向かうところを、まず西に向かい三国で阪急宝塚線沿いを北上するというオール一般道のルートをとった。通常よりも30分くらい余計にかかったが、初めての体験でおもしろかった。ま、これも搭乗便の出発時刻にかなり余裕を持っていたゆえの感想だが・・・。


ボンQで松山へ

伊丹空港を10時05分に出発するANA1637便で松山へ。ここからツアー代金に含まれるので旅費が4割引となる。機材はDHC-8-400、いわゆるボンQと呼ばれるプロペラ機。伊丹空港のような大きな空港だとバス連絡になることが多いが、この日はボーディングブリッジの途中から階段を降り、そのまま外を歩いて飛行機に向かうという離島スタイル。伊丹空港でこんな体験は初めてだったので、思わずビデオを回してしまった。この部分も含めて松山空港到着までの様子は左の画像からYouTubeにジャンプしてもらうとご覧いただける。特に着陸の瞬間はタイヤが接地する瞬間も捉えたので割と自信作である。さて、機内の方は全国旅行支援の影響なのか満席状態。閑古鳥が鳴いていたコロナ流行初期と比べ、ここまで搭乗者が復活したのはANAの株主として喜ばしいが、反面で一旅行者としては窮屈なので複雑な気分である。とはいえ大阪と松山の間はわずか1時間弱のフライトなので我慢もできるのだが・・・。


この旅で唯一のまともな食事

松山から伊予西条へ

松山空港からJR松山駅へは伊予鉄バスのリムジンバスに乗車。駅までノンストップで、貸切バス仕様なので気分が良いが、運賃は700円。一方で路線バスだと7分余計に時間がかかるが運賃は370円。空港の玄関から何も考えずにリムジンの方に乗ってしまったが、1時間以内にJR松山駅に着けば良かったことを考えると拙速だった。おかげで11時半前に駅に到着したので、駅に入居しているステーキハウス「Jフランク」さんでランチをいただいた。この食事が2日間で取った唯一のまともな食事だった。

12時前に松山駅の改札口を通り、特急しおかぜ・いしづち18号の入線を待った。おかげで入線してくるところから動画にできて良かったが、車窓の方はピントが合わずボケてしまった。30年選手の8000系なのでメンテナンスが行き届かず、窓ガラスにこびりついた水滴の跡を拾ってしまって、どうしてもこうなってしまう。それでも編集してYouTubeにアップしたので興味があれば左の画像からどうぞ。

松山から伊予西条まで約1時間。Sきっぷという割引きっぷを使っても往復で5,560円。この区間は伊予鉄バスの都市間バスも走っているが、バスの方は所要時間が2倍である。今回はホテルの滞在時間を少しでも長く取りたかったので、往復ともJRの特急利用としたが、片道だけでもバスを使えばよかったかなとも思う。


十河信二記念館と四国鉄道文化館

特急の車内でアルコールを解禁したので、ほろ酔い気分で伊予西条駅に着いた。この駅に降り立つのは初めてで、目的はずばり「四国鉄道文化館」である。私の世代的には西条市は眞鍋かをりさんの出身地として記憶しているが、鉄道ファンとしては十河信二の出身地として真っ先に思い出さないといけない。十河信二がいなかったら新幹線は走っていなかったかもしれず、ここまで日本の鉄道が発展しなかったかもしれない。そんな観点からすれば、十河信二翁はわれわれの恩人である。


伊丹空港では外を歩いて搭乗したANA1637便松山行き


特急しおかぜ・いしづち18号は30年選手の8000系電車で運行


伊予西条駅近くの十河信二記念館と四国鉄道文化館をめぐる


松山名所のダイヤモンドクロスを眺め伊予鉄市内電車で大街道へ

そんなわけで十河信二に因んで伊予西条駅横に四国鉄道文化館が開設された。大宮、名古屋、京都の鉄道系の博物館と比べると規模では劣るが、機関車や列車の展示方法では勝っているかもしれない。生まれて初めて0系の運転室に入ることができただけでもここに来て良かったと感じた。

南館の脇には「珍車」フリーゲージトレインが鎮座し、晴れていれば車体が映えそうだなと思った。その他の展示車両で良かったのはDE10。1987年春、深夜の213系備讃ライナーから宇高連絡船、そして50系客車に乗り継いだ忘れられない旅をしたが、高松発高知行きの夜行鈍行列車の先頭に立っていたのがこのDE10だった。そんな思い出をたどりながら、鉄道の世界を堪能した四国鉄道文化館だった。


松山名所ダイヤモンドクロス

伊予西条で1時間弱の滞在で松山にトンボ返り。帰りはまだまだ新車と言っていい8600系の特急しおかぜ・いしづち11号に乗車。コンセントがついており、シートの形状もよく、窓ガラスにシミがない。乗るんだったら8000系よりこっちの方が断然いいなと思った。1時間弱で松山に到着し、歩いて大手町駅に向かう。お目当ては松山名所のダイヤモンドクロス(正式にはダイヤモンドクロッシング)である。

伊予鉄の郊外電車の通過に間に合わず、遠目からの撮影となってしまったが、ダイヤモンドクロスを通過する時の車輪の音はちゃんと収録できた。そのまま大手町の電停から市内電車で大街道を目指す。たまたま最古参のモハ50形が来て、重厚な吊りかけモーターの音とコンプレッサーの音に魅了されてしまった。特急のところでは新しい方が良いと言っておきながら、路面電車では古い方が良いとなったり現金なものである。


ANAクラウンプラザホテル松山に宿泊

大街道の電停に着いてみると松山一の繁華街だった。その一角に建つANAクラウンプラザホテル松山が今夜の宿である。全国旅行支援の4割引があるとはいえ、このクラスのホテルに往復の航空券込みで2万円以下で宿泊できるとは思ってもいなかった。16時前にチェックインし、さっそく貰った地域クーポンで買い出し。セブンイレブンで赤ワインのボトル2本とつまみを買って、部屋で飲みまくろうという算段である。夕方から部屋で飲むために特急列車で往復したのだからモトを取らねば。というわけで夕方4時台から飲み始め、ひと眠りをしてから深夜のW杯日本対クロアチア戦を最後まで観戦。PK負けを確認してベロベロのまま就寝。翌朝も10時頃にチェックアウトすればいいので気が楽である。ホテルライフを存分に満喫した。


浜松まで大返し

翌朝はホテル前の大街道バス停を9時51分発の路線バスに乗車。松山空港まで乗り換えなしで運賃が510円。こうなるとリムジンバスの値段設定ってどうなのとも思うが、一見さんにふっかける・・・それが商売というものだろう。現に地元の人は大きなキャリーバッグを持ってこのバスに乗っている。松山空港には10時半前に到着。出発の1時間前に着いたので御の字である。

帰りのANA1638便も満席で、中間時間帯なのにこの盛況。全国旅行支援の威力は凄い。伊丹空港からは大阪モノレール→阪急電車→地下鉄御堂筋線と乗り継いだ。帰りも新幹線に乗れば楽だし、早く家に着けるが、株主優待券とポイント購入の特急券でアーバンライナーがタダで乗れるので、今回はこうせざるをえない。おかげで新幹線とは違う鉄道の旅が満喫できる。性懲りもなく昨夜のワインを飲みながら、この旅の出来事を振り返る。こうして呑みテツするのがもっぱら近ごろの楽しみである。

松山の二大ターミナル伊予市駅とJR松山駅を結ぶ伊予鉄バスに乗車


四国鉄道文化館のフリーゲージトレイン


ANAクラウンプラザ松山に宿泊

<終>

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