北 斗 星
ロ イ ヤ ル
に 乗 る


欧州風行き止まり式ホームは北帰行の香り


先頭には最新鋭電機のEF510が鎮座する

いつかは乗りたいと思っていた北斗星のA寝台個室ロイヤル。たまたまJR北海道の指定席予約サイトを見ていたら、3日後の下りに空席を発見した。3日後の水曜日といえば東京に出張する日。出張の予定をこなして上野駅に向かえば、北斗星の発車時刻である19時過ぎに十分間に合う。翌日は13時30分に来客がある予定だが、函館でとんぼ返りすればこれまた間に合ってしまうということで、ちょっともったいない気がするが、ロイヤルのキップを買ってしまった。これまで何度もチャレンジしながら、北斗星のロイヤルには乗れなかったので、乗りテツとしては長年の夢が叶った思いである。

というわけで、出張後に八重洲地下街で軽くビールを飲んで上野駅に向かった。行き止まり式の13番線ホームには、既に北斗星が入線しており、私ははやる心を抑えて指定された10号車の11番個室に足早に向かった。自室に入ると、翌朝まで一歩も出ることなく、夢の空間で一夜を過ごした。


出発日の3日前に発券したロイヤルのきっぷ。4日前にキャンセルが出やすい


ベッドの他にチェアもあり進行方向は問わない


札幌行きという響きに旅情が高まる


1人用A個室と2人用B個室の10号車

ロイヤルにはシャワーとトイレが付いていて、食事さえも電話すれば食堂車から運んでくれる(ルームサービスは有料)。部屋から一歩も出ずに上野→札幌を移動することも可能である。おまけに、ウェルカムドリンクも付いている(無料)。その内容は、白ワインのハーフボトル1本とサントリーロイヤルのミニチュアボトル、ミネラルウォーターと緑茶缶、そしてアイスペール。わざわざアルコール類を持ち込まなくても、十分酔っぱらうことができる。酔いどれ派乗りテツとしては、トイレの心配もなく、至れり尽くせりの空間である。これなら部屋代に2万円以上かかっても安いくらいである。


トイレが付いているのは便利だ


トイレの上に洗面台も引き出せる


壁にはビデオ用モニターと食堂車直通電話が


部屋のドアを開けるとシャワールームがある


ワインのハーフボトル等ウェルカムドリンク付き


就寝時には補助ベッドを引き出しセミダブルに


本州の最果て津軽半島で朝を迎える


走行中の北斗星ロイヤルにて筆者


朝6時にモーニングコーヒーが運ばれてきた


北海道の春はまだ浅い…雪を被った山々


青函トンネル内でビデオ鑑賞


函館駅での機関車付け替えの模様を撮影


編成の前にDD51の重連が据え付けられる


鏡に向かってシャッターを切る


進行方向を変え札幌を目指す下り北斗星


ホームにぽつんと残された青函専用機ED79

結局、白ワインが効いて、東北に入る前にチェアで眠りこけてしまった。いったん目が覚めたが飲みなおす気にならず、補助ベッドを引き出してセミダブルにしてからちゃんとベッドで眠った。次に目が覚めたのは青森駅停車中のことだった。津軽線を青函トンネルに向けて走っている間に夜が明けた。遠くに見える山々はまだ雪を被っていた。浜松では汗ばむ陽気だというのに、北の春はまだ浅い。そうこうするうちに青函トンネルに入る。40分も車窓が楽しめなくなるので、ビデオを見た。興味が薄いアニメ映画だったが、それでも真っ暗な車窓を眺め続けるよりはマシだった。

青函トンネルを抜けた6時きっかり。ドアをノックされ開けるとウェイターさんがモーニングコーヒーを持ってきてくれた。これも無料サービスである。夜はアルコール、朝はコーヒーの香りを愛でながら鉄道の旅を楽しめるとは、なんて素晴らしい列車だろうか。次に乗る機会があれば、ぜひ始発から終着まで乗り通してみたいものだ…

函館到着は少し遅れて6時40分ころ。ここで北斗星は機関車を付け替え、進行方向を変えて札幌に向かう。札幌までの所要時間は4時間半。北海道に入ってもまだまだ長い旅路が残っている。とんぼ返りしなければならない私はここで下車。札幌に向かう列車を見送り、ホームを歩いていると、ひとりでぽつんとホームに残されたED79に自分を重ね合わせ、なにか感傷的になってしまった…

札幌へ向かう北斗星を見送る。次の機会には始発から終着まで乗り通してみたいものだ…

<おわり>

旅と音楽のこころへもどる