旅打ち落穂拾い〜名古屋競馬編


名古屋市南部にある名古屋競馬場

笠松競馬場に続いて名古屋競馬場にも再度の訪問とあいなった。再びとはいえ、過去1回だけの訪問が10年ほど前のことだから、場内の様子をほとんど覚えていなかった。全くの新鮮な気持ちで正面ゲートをくぐった。ちなみにこの日はハッピーマンデーということで入場料は無料。駐車場も無料なので、名古屋近辺のファンなら気楽に来られる競馬場である。

さて土曜日の競馬中継をテレビ愛知で見ていると、たびたび名古屋競馬のCMが放映される。キャッチフレーズは「推理とロマンの名古屋けいば」。このフレーズは結構有名で、スタートゲート上にも掲げられている。まぁ競馬ってやつは、あれこれ考えて馬券を買って、実際にレースで自分の推理が当たったかどうか結果が出るところが楽しいものなので、このキャッチフレーズを聞くといつも「的を射ているなぁ」と思ってしまう。でも実際の名古屋競馬は、人気馬が印どおりに来るケースが多いので、推理は「競馬新聞におまかせ」なことがほとんどであるが…。

名古屋競馬収支表 (10.8.23開催)
レース 投資 回収 収支 累計
4R 1,600 810 -790 -790
5R 3,000 0 -3,000 -3,790
6R 2,400 1,860 -540 -4,330
7R 3,000 3,030 +30 -4,300
8R 3,800 0 -3,800 -8,100
合計 13,800 5,700 -8,100 41.3%


出生地が近い豊臣秀吉に因んで

さて、競馬場にはお昼ごろ到着したので、まずは腹ごしらえ。名古屋競馬場は正面ゲートをくぐると左右に飲食店が軒を連ねている。その中から「勝や」という、うどん屋の暖簾をくぐった。せっかくなのでなにか名古屋らしいものを注文しようと思い、「牛すじきしめん」650円をチョイスした。きしめんと牛すじの取り合わせは初めてだったが、なかなか食べ応えがあって旨かった。

そうこうしているうちに、12時20分発走の第4レースの締切時刻が近づき、例によって記念馬券を購入した。競馬新聞の馬柱を見ながら「どの馬にしようか」と迷ったが、この競馬場が豊臣秀吉が生まれた中村にほど近いという理由で「トヨ」号の単勝を記念に(的中しなかったので)持ち帰った。第4レースでは、他に1番人気を軸にした3連複15点を買ったが、3番人気→軸馬→4番人気の順で入線し、的中はしたが取りガミだった。


特観券は○回○日表示

さて、ここまでは屋外で撮影をしていたりしていたが、先月の笠松競馬の時と同様、立っているだけで汗が噴き出してくる猛暑ぶりだった。こういう日は特観席で涼みながらレースを観るのに限る。というわけで700円支払って、ガラス張りのスタンドに腰を下ろした。2人掛けのシートに小ぶりのテーブルが付く何の変哲もない特観席だったが、感心だったのはソフトドリンクの自動販売機が無料開放されていたこと。それも自販機が喫煙室に鎮座しているので、タバコを吸うたびに清涼飲料水をガブ飲みしていた。

それはさておき、次のレースの予想にとりかかる。第5レースは800bという超スプリント戦。向こう正面の第2コーナー付近をスタートし、コーナー2つと短い直線だけである。今度は3連単で行こうと思い、HIの2頭軸から(これが1・2番人気)3〜7番人気の5頭に流すマルチ馬券、合計30点を購入した。10頭立ての残る3頭は全くの無印で、競馬新聞も散々の書き様だった。しかし、結果は3着に無印の9番人気が入線し、1番人気→2番人気が1・2着に入ったものの3連単2万馬券。1・2着折り返しの全馬に流すフォーメーションで的中だったのにと後悔した。

続く第6レースは、3連単で1頭軸の4頭流しで勝負。ただし、軸を1着付けと2着付けの両方を買ってしまうところがヘナチョコなところで、結局的中してもガミってしまった。3レースを終えてマイナス4,330円。1つもクリーンヒットはなく、気が沈んでいく一方だった。

ここで戦法を改めた。3連単では買い目が多くなって、結局ガミるか大きく負けるかのどちらかになってしまう。それなら3連複と馬単をいっぺんに買って、リスクを分散させようと考えた。競馬新聞を見ると、ほとんどの印は上位5頭に固まっている。私は軸が狂うのが怖くて、3連複5頭ボックスの10点と、馬単5頭ボックスの20点を購入して発走を待った。結果は、3番人気→2番人気→1番人気の順で入線。3連複は1番人気で320円の配当となり、当然取りガミに。馬単は、1番人気が飛んで人気が逆順だったので2,710円の配当。合計3,030円の配当を得て、わずか30円とはいえ、ようやく取りガミ地獄から開放された。

 


この日はハッピーマンデーで入場無料


正門入場後左右に広がる飲食店


名古屋名物ということで「牛すじきしめん」


地方競馬場らしく馬名掲示は非電光式


ガラス張りの有料スタンドをバックに筆者


特観は700円だがソフトドリンク飲み放題


800bレースの発走は向こう正面から


1,600bは第3コーナー奥ポケットから発走


1,400bレースの発走は第4コーナーのポケットからで、ほぼコースを一周する


最後の直線の様子。なんにしろ先行有利


半径の小さい第4コーナーを回る各馬

スケジュールの都合で、14時20分発走の第8レースが最後のレース。このレースは「コノハズク特別」と名付けられた3歳限定の特別戦。距離もダートの根幹距離である1,600bである。しかし小回りの名古屋競馬場の辛いところで、スタート地点は第3コーナーわきのポケットにある。これでは次の第4コーナーまでの直線は短く、外枠の馬はコーナーで距離損するため、かなり不利なはずである。

手元の競馬新聞では、中央競馬からの移籍初戦の前走(重賞)で、いきなり2着に好走した「ピュアストーン」が◎印。地元デビューで、前走同じクラスで1着になっている「ハートオブストーン」が○印である。ボックス買いでは、前のレースのように的中しても回収率が低くなるので1頭に絞りたい。結局、重賞2着に惹かれて「Fピュアストーン」を軸にした。最後のレースなので、3連単軸1頭マルチF−CEGに加えて、3連複F-@CEGHと馬単マルチF-@CEGHを購入した(合計38点)。

レースは、予想通り@が逃げ、私の軸馬は3番手あたりを進んでいた。勝負どころの第3コーナーでペースが上がったが、軸馬はムチを入れられるほど反応が鈍かった。最終コーナーを3番手で回ったが、その後の直線で後続馬に次々と抜かれ、最後は5着で入線。私は暗澹たる思いで名古屋競馬場を後にした。
<おしまい>

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