全国旅行支援ファイナル


琉球バス120系統で幸喜通過


今年6月をもって全国的には終了した「全国旅行支援制度」。一部の県では予算を使い切るまでということで制度を延長していたけれど、だんだんフェードアウトしていった。そんななか沖縄では10月まで全国旅行支援が延長されるという知らせが届いた。既に10月4日にベストウェスタン沖縄幸喜ビーチ(私の沖縄の別荘?)に予約を入れていたけれど、地域クーポンを含めると予約を取りなおした方が安いので、わざわざ予約を取り直した。全国旅行支援制度を使って昨年からいろいろなところに旅行したが、いよいよ今回の利用が最後になりそうである。

ANAのアワードを使って名古屋⇔那覇の航空券を発券し、準備万端整えていたらまたまた台風接近。昨年の9月にも同じように台風が接近し肝を冷やしたが、今回も先島諸島には影響が出たらしい。幸い沖縄本島にはさしたる影響もなく、予定通りANA303便で那覇空港に飛んだ。


その日に泊まる宿の目の前を通過してまで全線乗り通しにこだわったバス旅

今回沖縄に来た理由は、私が勝手に決めた「沖縄の別別荘」ベストウェスタン沖縄幸喜ビーチに年に1回くらいは泊まりたいからなのだが、せっかく沖縄まで足を伸ばしたからにはやってみたいことがあった。それは沖縄の長距離路線バス120系統「名護西空港線」に那覇空港からホテルの目の前のバス停まで乗車すること。空港から一般道を2時間かけて、のんびりとバスに揺られてみたいと思っていた。

しかし那覇空港から実際にバスに乗車し、動画を撮影し始めるとまた違った考えがもたげてきた。「このまま始発から終点まで撮影しYouTubeにアップしたらいいネタになるな・・・」という不純な考えである。ホテルのチェックインは15時からなので、終点まで行って折り返して来ればちょうどいい時間になりそうだ。

ところが那覇市街地の渋滞や、不慣れな旅行者たちの運賃支払いなどでバスは大幅に遅れ、今宵の宿泊先の目の前を通過したのは40分遅れの14時20分ころ。仮にここでバスを降りても、少し待てばチェックインの時間になるし、ややもすればもう部屋に入れてくれるかもしれない。さんざん迷った挙句、私はバスを乗り続けた。許田で沖縄自動車道が合流し、東シナ海沿いの片側2車線の快走路をメーター読み80キロくらいですっ飛ばす。世冨慶からは名護市街地に入り、14時40分頃終点の名護バスターミナルに到着した。実に所要時間は3時間10分。運賃は2,040円で思いのほか安い。まあとにかく乗り続けるお客も大変だが、休みなく運転するドライバーはもっと大変である。

帰りは名護バスターミナル15時ちょうど発の那覇空港行きバスで幸喜まで戻った。さっきのバスではぶっ飛ばしていた高速道路もどきの快走路を走るので、あっという間に幸喜に到着。15時半前にホテルにチェックインできたので、バスの遅れの影響は最小限で済んだ。

さて1年ぶりのベストウェスタン沖縄幸喜ビーチ。ほかのリゾートホテルのようにプールは付いていないが、ホテルの裏はすぐビーチ。10月の夕刻とはいえ、浜松の気候に直すと8月のお盆過ぎの感じで、当然のようにビーチで泳いでいる人がいる。逆にベランダに出てビールを飲もうとすると、とんでもない蒸し暑さに耐えられず、早々に部屋の中に退散せざるをえない状況である。理想としては午後の水平線を見ながらベランダでビールを飲んでのんびり過ごしたいので、来年はもう1か月後ろ倒しした方がいいかもしれない。

翌朝はビーチの見えるベランダに出て、渡辺貞夫さんの「モーニングアイランド」を歌う。この曲は与論島で聞いた時が一番の感動だった。街の料理屋さんでもそうだが、偶然の感動を再現しようとすると、最初の感動にはどうしても追いつけないものである。だから今後も偶然の感動を求めて旅に出る衝動が湧くのかもしれない。年齢とともに旅に出るのが億劫だったり、少しでも楽をしようとか、すぐ効率を求めたりするが、糊しろのある行程でなければそういう感動には出会えないのかとしみじみ思う。

といっているそばから、帰りの飛行機はアップグレードポイントを利用。久々のANAプレミアムクラスシートでらくちんを決め込んでいるのだけれど・・・。

那覇空港から3時間。ようやく名護BTに到着


ゆいレールの現状の終着駅 てだこ浦西


午後4時には「午後の水平線」、朝7時には「モーニングアイランド」を歌いたくなる浜辺

<終>

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