鉄博と海外のようなホテル


鉄道博物館の167系とともに

もはや毎年恒例となっている株主優待券を使った関東私鉄特急乗り較べの旅。今回は優待券が届いた直後の6月初めに行くことにした。JR東日本が送ってきた鉄道博物館の無料招待券があるので、せっかくなのでついでに行くことに。このところリニア館、九州鉄道記念館と鉄道博物館づいている。その中でも大宮は東の横綱であるので、滞在時間は1時間半ほどと長めに計画した。

三島で新幹線から在来線に乗り継ぎ、熱海でグリーン車に移った。これも毎度おなじみのJREポイントで引き換えたスイカグリーン券での乗車である。あとは大宮まで眠っていようがスマホをいじっていようが真っすぐ連れて行ってくれる。大宮で初乗りの埼玉新交通「ニューシャトル」に乗車し、次の駅で降りれば、もうお目当ての鉄道博物館である。

映像では何度も見ている鉄道博物館であるが、実際に行ってみると1時間半ではとても全て見られるものではなかった。動画を撮影しながら車両を見ていったが、いつものようにブツブツうんちくを言いながら撮影。車両が多いものだからこれだけで40分くらいを費やした。そのあと2階に上がったが、ジオラマ開演時刻に合わせて戻らねばならないため、歴史展示は中途半端になってしまった。その後、また東館に戻って屋上の展望デッキに上がるなど、段取りも滅茶苦茶で効率が悪く、あっという間にタイムリミットの正午になってしまった。まぁ関東私鉄旅は毎年やるので「また来れる」と思いつつ鉄道博物館を後にした。


埼玉新都市交通「ニューシャトル」には初の乗車。鉄博までの一駅間が惜しい

予定では川越線に乗って本川越から西武新宿線に乗る予定だったが、川越駅から本川越駅に歩くのがかったるくなり、急遽池袋経由に予定変更。埼京線の逆方向の列車に乗って40分弱で到着。池袋で30分ちょっとの時間ができたので、西武百貨店地下通路の立ち食い風の蕎麦屋で昼食がとれた。


池袋駅地下で腹ごしらえ

池袋駅を13時30分発車する特急ちちぶ17号に乗車。もうすっかりお馴染となったラビューの黄色いシートに腰かけるや否やアルコールを解禁。西武秩父に着く頃にはすっかり出来上がり、おかげで帰りのちちぶ32号では前面展望動画を撮りながら寝落ちする始末。でも飯能で進行方向が逆になり「これで心置きなく寝られる」と思うと、目が冴えてしまうのが不思議である。

直前の文を読んで「あれ秩父に行ったんじゃないの?」と思った方は感覚が正しい。実は秩父では折り返しのラビューに乗っているので、滞在時間は30分ちょっと。駅前を散策してお土産を買っただけである。今後はラビューに乗ったとしても終点まで行かずに、秩父線の小駅で折り返すことにしようと思う。

そんなこんなで所沢でちちぶ32号から降り、新宿線の各停に一駅だけ乗って、東村山から初乗りとなる国分寺線に乗車。黄色い2000系が往復する短くて地味な路線だったが、東村山発車時のメロディは「東村山音頭」なのがそれっぽい。小川駅で拝島線と離合したり、単線だった線路が複線になり、しばらくするとまた単線に戻ったりと、前面展望を撮影していたおかげでおもしろい発見があった。東村山から12分で国分寺に到着。すぐ隣に見えるホームからは、オレンジ色のラインを巻いた電車がいそいそと出発していった。

国分寺から中央線快速で一気に神田へ。特快を国分寺駅で通過待ちする電車に乗ったので、先行する特快がすべて乗客を引き受けてくれる。それゆえ終始空いていて快適だった。神田で山手線に乗り継いで17時49分に上野に到着。あらかじめ中央線では先頭車両、山手線では最後尾の車両に乗っていたので、すんなり不忍口から上野駅を出られた。京成上野駅はスクランブル交差点のすぐ向かい側である。


例によってうんちくを垂れ流している鉄道博物館の展示車両などの動画


西武秩父~飯能間の西武特急ラビューの前面展望動画。時々寝落ちしています


西武秩父駅横の「祭の湯」

京成上野駅からは18時ちょうどのイブニングライナー201号に乗車。この列車から逆算して今回の旅の行程を組んだといっても過言ではない。それだけ乗車を楽しみにしていた列車である。上野を出るとしばらく地下区間。日暮里の手前で地上に出て、日暮里駅では多くの乗客を受け入れる。隣席にも女性客が来たが、構うことなく水割りをチビチビ呑む。列車は関屋を通過し、金八先生の舞台となった荒川の堀切橋を渡る。西に傾いた太陽が川面に反射して眩しい。ヘッドホンからはトワイライトセクション発祥の曲、ライオネルリッチーの「セイ・ユー・セイ・ミー」。遠い昔の鈍行の旅を思い出して少しセンチメンタルな気分。こんな列車の旅をしたのは久々だった。

すっかり車内が閑散として終点の京成成田に到着。すっかり日は落ちて、車窓も目を凝らさないと見えないくらいだった。ここで各駅停車に乗り継いで隣の空港第2ビル駅に移動。かつて頻繁に海外旅行に行っていた頃は賑わっていたが、とっぷりと日が落ちた後という時間帯のせいなのか、それともコロナ禍のせいなのか、すっかりうら寂しい雰囲気となっていた。ターミナルの外に出てホテルのシャトルバスを待っていると、どこか遠い国に来てしまったかのような錯覚に陥った。


ANAクラウンプラザホテル成田

20時前にANAクラウンプラザホテル成田にチェックイン。シングルールームだが広い部屋で、遠くには成田空港の滑走路が見えた。ロサンゼルス空港近くのシェラトン・ゲートウェイに宿泊した時の既視感を覚えた。おまけにトイレの便器はアメリカンサイズ。こういう小物にも海外のホテルっぽさを感じてしまう。もちろん宿泊客も日本人は少数派で、コロナ禍の中でこんなに外国人が日本に来ているんだという凡庸な驚きもあった。そういえばコンシェルジュも外国の方で、質問すると外国なまりの日本語で答えてくれたっけ。まぁとにかく様々なところで海外旅行に来ている感じにさせてくれるホテルで、なかなか海外旅行に行けない今、1泊7,800円で泊まれるのでまた来ようと思った次第である。

翌朝は朝8時のシャトルバスで成田空港へ。昨夜と逆パターンで京成成田に行き、モーニングライナー208号に乗車。東京に向かう最も遅い時刻に発車する列車なので、それほど混みあうこともなく快適だった。それにしてもスカイアクセス線が開通して以来、スカイライナーで通ることのなかった京成本線を、かつてのスカイライナーよろしく小駅をすっ飛ばしていく感じが懐かしい。京成電鉄の株主優待券がただで貰える限りは何度乗ってもいいなと思わせる列車だった。


西武国分寺線の前面展望動画。単線だった線路が複線に。そしてまた単線に


京成上野~京成成田間を京成本線経由で走るイブニングライナー

逆方向のモーニングライナーの動画はこちら


高輪ゲートウェイ駅から京急泉岳寺駅まで徒歩連絡をする動画


伝統ある大船軒の「鯵の押寿し」

上野まで戻れば、もう帰途に突入である。山手線で高輪ゲートウェイまで乗車し、京急の泉岳寺駅までの道のりを動画撮影。思ったよりも遠いのに閉口した。泉岳寺始発の快特を一本見送り、次の列車が2扉8両の表示なのを確認して乗降口にスタンバイ。果たして2100系が入線してきて、久里浜までクロスシートで優雅に移動した。京急が遅延したおかげで、京急久里浜駅からJR久里浜駅まで小走りの移動となったが、無事に目指す成田空港行きの電車に間に合った。例によってモバイルスイカを天井に当てて、グリーン車の2階席に座った。大船で乗り換える間に、大船軒の駅弁「鯵の押寿し」を購入。これを肴に呑みテツを心ゆくまで楽しんだ。


京急が遅れて小走りでJR久里浜駅へ


在来線で通ると必ず駅名標ごしの海を撮影

<おわり>

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