ゆ く と し 、た び う ち。


5年ぶりのCRJで高知龍馬空港に到着

2009年も残り1日となった大晦日。今年一年を振り返り、来る2010年を明るく迎えようと旅立つことにし、名古屋小牧空港に向かった。2005年に名古屋の空の玄関がセントレアに移って以来、約5年ぶりに小牧空港を使ったが、元の国際線ターミナルの場所はエアポートウォークというショッピングセンターになるなど時の経過を感じた。元の国内線をそのまま流用した現ターミナルビルも、1階部分しか使用しておらず、離島の空港のようだった。

今回はJALの特典航空券を利用して高知龍馬空港に飛んだ。機材は「キーン」という高音のエンジン音が印象的なCRJ。2004年秋にアイベックス便で成田から仙台に飛んで以来、約5年ぶりの搭乗である。50人乗りのジェット機なので、あいかわらず観光バスのような狭い機内だが、満員の乗客。さすがに年末年始の繁忙期である。さて、名古屋〜高知便は近距離ということもあって、巡航高度が低く、地上の様子が良く見える。機内誌の地図を手に窓の外を見ていると、CAさんが笑顔でJ-AIR特製の手作り地図を渡してくれた。世間ではJALが政治問題となっているが、「頑張って」と応援したくなる。

高知龍馬空港には「修行の旅」以来6年ぶり。その時は、高知市内に向かわず折り返し便に搭乗しただけなので、市内への空港連絡バスに乗車したのは初めてである。たまたま9時25分のバスが、高知城最寄の公園通バス停を経由するため、高知城には予定よりも1時間早い朝10時に着いてしまった。旅の出だしはなかなか順調である。


丸の内緑地のお堀より高知城


遠州から高知に移った山内一豊


修行の旅以来6年ぶりの高知龍馬空港


土電に迎えられ空港連絡バスで高知城へ


なぜか嫁の方が有名?「山内一豊の妻」像


三ノ丸より天守閣を望む。石垣が美しい


高知城天守閣をバックに記念撮影


重要文化財の詰門、本丸、天守閣


板垣退助像と高知城天守閣

城内には板垣退助の像など、さまざまな人物の銅像が建っていたが、2010年の大河ドラマで取り上げられる坂本龍馬は無かった。土佐藩士とはいえ脱藩しているという事実があり、空港名にもなるなど地元でも絶大な人気を得ているけれど、「高知城にはちょっと…」という土佐っ子のこだわりが感じられる。

大晦日ということで天守閣はお休み。国指定重要文化財を外から眺めるにとどめ、1時間足らずの城内散策を終えた。

高知城は天守閣が現存している日本で12箇所しかない城のひとつである。一応高知城以外の11城を北から挙げると、弘前城、松本城、丸岡城、犬山城、彦根城、姫路城、松江城、備中松山城、丸亀城、松山城、宇和島城。今こうして挙げてみると、ほとんど訪れていることに自分ながらびっくりした。「歴女」が最近注目されているが、城マニアでもない私も立派な「歴男」である。

さて高知城を建てたのは山内一豊。戦国時代に織田、豊臣、徳川の三代を世を生き抜いた唯一の武将である。地元遠州にもゆかりがあり、関が原の戦いの殊勲で土佐24万石を与えられる前は掛川城主であった。2006年の大河ドラマ「功名が辻」で、この辺のところをきっちり学んだが、世間一般に知られているのは嫁の千代(見性院)の方。夫の一豊にヘソクリで馬を買った逸話で有名で、ここ高知城でも一豊の銅像は追手門の外にあるのに対し、「山内一豊の妻」の像は城内の三ノ丸の一角にあった。


鳩が遊ぶ二ノ丸より天守閣を望む


こちらも重要文化財の高知城追手門


望遠で天守閣と追手門をバランスよく収める

★ 大晦日、高知競馬場。
公園通バス停から高知競馬場最寄りの競馬城北口バス停へは、高知県交通バスで乗り換えなしで行けるため便利である。過去には無料のファンバスを走らせていたが、ほとんどの人はクルマでアクセスするため廃止された模様である。


特観の指定券は窓口にて手書き


高知競馬場の入場ゲート。両脇には門松


高知競馬の功労者ハルウララ号

高知競馬収支表 (09.12.31開催)
レース 投資 回収 収支 累計
1R 900 0 -900 -900
2R 900 1,050 +150 -750
3R 1,800 2,290 +490 -260
4R 2,100 340 -1,760 -2,020
5R 2,100 990 -1,110 -3,130
6R 3,000 2,500 -500 -3,630
7R 1,200 0 -1,200 -4,830
8R 3,000 0 -3,000 -7,830
9R 3,500 0 -3,500 -11,330
10R 5,200 3,980 -1,220 -12,550
11R 2,400 5,720 +3,320 -9,230
合計 26,100 16,870 -9,230 64.6%

高知競馬場のスタンド。4階が特観席


第1レース発走1時間前の閑散としたスタンド


11時半過ぎに競馬場に到着すると、入場ゲートのところで年越しソバの引き換え券を配布していた。おそらく先着何名かに渡しているはずで、ホテルに戻ってからおいしくいただいた。券には「150」という番号がスタンプされていて、たぶん入場150人目。15,000名収容の競馬場に、100分の1の人数しか来場していないので、かなり閑散としていた。

今のうちに特観の指定席を確保してしまおうと、スタンド4階に上がった。指定券の販売所は折りたたみテーブルとイスが配された簡素なもの。手前の壁に指定席番号が書かれた札が並んでおり、折りたたみイスに座ったお姉さんに好みの札を渡すと、その場で席番を手書きして渡してくれた。合理的かつ低コストな方式に感心した。

席を確保したので、再び1階に下りて競馬場を一回り。スタンドの壁面には、高知競馬場を一気に有名にしたハルウララ号の写真が貼ってあった。2003年後半から2004年前半にかけて「デビュー以来の連敗記録」という、普通ならありえない記録挑戦でブームになり、2004年春の黒潮賞当日にはハルウララに武豊騎手が騎乗するというとんでもない事態になった。この日の高知競馬場には13,000名の来場者があり、高知競馬場としては空前絶後の記録となっている。その後、引退をめぐるトラブルがあって隠遁生活を送っているが、2010年春には繁殖牝馬としてディープインパクトの種付けが計画されている。最強牡馬と最弱牝馬の組み合わせ。どんな仔が出るか楽しみでもある。

さて、ハルウララは高知競馬にとっては最大級の功労馬であるが、今日は別の面での功労馬が出走する。平地の国内最多出走記録を更新中のダイナブロス号(牡馬13歳)が、デビュー以来300戦めの区切りを迎える。先月は荒尾競馬場で、テイエムオペラオー×テイエムオーシャンの仔、テイエムユメノコ号の地方再デビュー初勝利の瞬間に立ち会っており、たまたま訪れた地方競馬場でラッキーな場面に出くわすものである。

ダイナブロス号のレースは15時10分発走の第5レースなので、それまでは酒を飲みながらゆるい感じで馬券を購入していくつもりである。第1レースは競馬新聞を頼りに4頭に絞り、そのうちの1頭を軸に3連複と馬単マルチの流し馬券を購入。結果は7番人気が1着に来て、馬単は万馬券となる大波乱。「あちゃー、真剣に予想しにゃだめじゃん」と思い直した。

続く第2レースは、2番人気→1番人気→3番人気で決まり、辛うじてガミらなくて済んだ。続く第3レースも、5番人気の馬が2着に入って、3連単マルチ18点購入していたものの2,290円の配当。だいぶ調子に乗ってきた。しかし第4レースでは、ヒモ荒れとにらんで3連複1頭軸で21点も購入したものの、3着までに1・2・4番人気が来て撃沈。この辺で、いわゆる「投網方式」の自分の買い方では、常にガミになる恐れがあると自覚した。


スタンドの裏にあるパドックに出走馬が集う


カクテル光線に照らし出された夜のパドック


プラス400円で入場できる特観席の内部


1,300bのスタートは第4コーナー出口


直線は200b。小ぶりながらターフビジョンも


スパイラルカーブのため馬群が外にばらける


記念馬券は300走めのダイナブロス

さぁ、次はいよいよお待ちかねの第5レース。さっそくダイナブロス号の記念馬券を購入し、パドックを見に行く。お目当てのダイナブロス号は、13歳という高齢馬にもかかわらず入れ込み気味。騎手が跨るとやや落ち着いたものの、とても馬券には絡みそうもない感じだった。しかしレースでは、小回りコースの特性を生かして先行し、最終コーナーでは先頭に立った。1番人気の3歳牝馬と4番人気の7歳牡馬に直線で交わされるものの、3着に粘ってちゃんと馬券に絡んだ。自分の馬を見る目は大したことはないと自覚した。

このレースと続く第6レースは的中するもガミリ。そうかと思えば、第7レース、第8レースは1番人気が馬群に沈み、常に1番人気を軸に馬券購入していた自分にとっては痛い結果だった。

そして競馬場の照明が点灯し、メインのグランプリ「高知県知事賞」を迎えた。ここまでの成績はマイナス7,830円。ここで逆転せねばと思い、競馬新聞を穴が開くほど読み込んだ。結論は、この秋まで中央の1000万条件を走っていた、6番人気のアイアムドラマ号を軸に据え高配当を狙った。高知競馬のステイヤーズステークスともいえる2,400bのレース。この距離のレースは、当地ではこのレースだけらしい。中央で中距離を中心に戦ったアイアムドラマ号なら、少なくとも他の馬よりは距離適性があると判断した。

レースの方は目の前の直線を3度も走り、見応えたっぷり。お目当てのアイアムドラマ号は、最終コーナーで2番手に上がりドラマを作ったものの、直線で力尽き5着入線が精一杯。ついにマイナスは1万円を超えた。

帰りのバスの関係で、ラス前の第10レースが観戦できる最後のレース。最後まで勝負をあきらめず、昨年の高知県知事賞を勝った3番人気のトサローラン号を軸に据え、3連単フォーメーションと馬単マルチを購入。合計52点で一発逆転を狙った。結果は、狙い通りトサローラン号が勝ったが、2着と3着が逆で3連単はハズレ。馬単3,980円と比較的高配当が的中したが、またもガミった。

これでタイムアップ。後ろ髪を引かれる思いで高知競馬場を後にした。しかし未練がましく、バス停で最終レースを携帯で購入。これがこの日的中したうちで最高配当となった。いつもそうだが、レースを見ないとよく当たる。。。

<おしまい>


高齢の13歳でも入れ込み気味のダイナブロス


ゴール板前を返し馬に向かうダイナブロス


16時55分発走の第8レースから薄暮突入


メインのグランプリ高知県知事賞はナイターで


高知競馬場で唯一3度直線を走る知事賞


2着3着が逆となりハズレた第10レースの直線


名古屋小牧空港に戻ると雪景色だった。尾翼の赤がモノトーンの空港によく映えた。


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