ぶらり旅打ち〜川崎競馬編


川崎市の繁華街にほど近い川崎競馬場

川崎駅から徒歩10〜15分。その筋では知らない人はいない有名な風俗街・堀之内の客引きの声をかいくぐり、第一京浜の高架橋をくぐると、川崎競馬場は忽然と姿を現す。高層マンションに囲まれ、カクテルライトで照らし出された都会の競馬場に、私は「これってハッピーバレーじゃん」と思わず呟いてしまった。香港のハッピーバレー競馬場も市街地に位置し、ここ同様に周りをビルで囲まれている。おまけにナイター開催をしていることでも共通点があり、川崎競馬場とは瓜二つの雰囲気である。

この日が今シーズンの初ナイター開催だったが、3月も終わりというのに、ひょうやあられが落ちてくる真冬のような寒さ。勤め終わりの格好で、コートも着ずに入場した私に、競馬新聞を立ち売りしていたオバちゃんは思わず「そんな格好で寒くない?」と声を掛けるくらいの冷え込んだ夜だった。こんな夜は、早々に暖かい場所に逃げるが勝ちで、午後6時以降は500円割引で入場料1,000円になる特別観覧席のチケットを求めた。

川崎競馬収支表 (10.3.29開催)
レース 投資 回収 収支 累計
7R 1,000 610 -390 -390
8R 3,000 0 -3,000 -3,390
9R 4,000 7,030 +3,030 -360
10R 1,800 1,490 -310 -670
合計 9,800 9,130 -670 93.2%


午後6時以降の入場は500円割引

さすがに都会派の競馬場なので、つい一週間前に行き、立派なことに感心した園田競馬場の施設を上回っていた。パドックにはカラーの電光掲示板が鎮座し、観覧スタンドも4階建てが3棟連なり、ほぼ直線コース分くらいの長さがあり見栄えがする。観客が見やすいように1コーナーのところで折れ曲がっているところがスタンド外観のチャームポイントである。また、特観席はソフトドリンク飲み放題なのも嬉しく、ホットコーヒーだけで元をとってしまった感じである。

この日は、19時05分発走の第7レースから勝負開始。まずは出走表を見て、ギャンブル好きにはおあつらえ向きの「オールイン」という言葉が入った、Iサンオールインの単勝を記念馬券で購入。あとは、ひとまず競馬新聞の◎が多い馬から馬連の流し馬券を買ってみた。


都会派らしくパドックにはカラー電光掲示板


1コーナーの正面で曲がっているスタンド


入場料1,000円。激安な特観席にて筆者


特観席よりゴール前の攻防を見下ろす


記念馬券はフィーリングで選択

結果の方は、的中するにはしたが、ガミってしまった。続く第8レースは、往路の新幹線で予想していた軸馬が、現地では新聞・オッズとも低評価だったのが気になり、結局買い目を変えてしまった。これが裏目で、もともとの軸馬が1位入線。2着に人気薄の馬を連れてきて、馬単24,320円をみすみす取り逃す結果となった。

第9レースはこの日のメインレース。8頭立てとはいえ、確実に切れる馬は1頭〜2頭しかいない難解なメンバーだった。競馬新聞に書いてある「軸馬安定」という言葉を信じて、3連単の軸馬をCクリムゾンクエストに指名。1・2着付けで@BDEFに流して計40点の買い目となった。レースの結果は、人気どおりに軸馬が1着にきて、4番人気→3番人気が2・3着となり、7,030円の高配当をゲットした。

とりあえず、ほぼ原点に戻ったのでひと安心し、最終レースは内馬場で見ることにした。ターフビジョンは向正面のコースの外側にあるため、世界最大の画面面積を誇る「ドリームビジョン」が内馬場からも見えるのがありがたい。また、内馬場から望むスタンドは巨大で、地方競馬場とは思えない雰囲気だった。20時50分発走のレースの方は、上位3番人気が順当に3着までに入線するという堅い決着でちょいガミ。それにしても、この時間まで競馬場にいながら、浜松には23時前に帰れるという気軽な旅打ちだった。


発走ゲートからダートコースを一周する


世界最大のドリームビジョン前を駆け抜ける


ゴール板直前。手に汗握る瞬間


内馬場より巨大なスタンドを望む

<おしまい>

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