気持ちのいい夕暮れ


名古屋空港つばさ亭のきしめん



今年のSpring Tourは先月終わったが、このまま後戻りすることなく季節が進んでいくということはありえない。というわけで今回は雪見の旅。JALとANAのマイルを使って新潟に飛び、秋田から戻るという行程である。特急いなほ7号の豪華なグリーン席に乗ること以外は特に何も決めずに旅立ったが、現地に行ったら行ったでいろいろあるものだ。

昨夏の花巻空港へ飛んだ時と同じく今回も県営名古屋空港、通称小牧空港からFDA便で新潟に向かう。特典航空券の予約はJAL4333便で、いわゆるコードシェアというやつである。空港の「つばさ亭」というフードコートみたいなところできしめんで腹ごしらえし、金色のFDA機、エンブラエルERJ175に搭乗した。


今月末で廃止される新潟駅万代口のバスターミナル。全国でも珍しい頭端式


雪景色となった秋田の朝

暑い雲の下に出ると陰鬱とした雪景色。3月に入ったとはいえ日本海側の新潟は風雪が強かった。着陸に影響がなくてなによりだが、まだまだ毎日傘が手放せそうもない天気である。

空港から新潟交通の路線バスで万代シティに向かい、そこで待望の「バスセンターのカレー」を食べた。普通のカレーよりも黄色く、また粘り気のある小麦粉を感じるルーだった。さすがに小牧空港できしめんを食べたばかりで普通サイズでも持て余した。味の感想としては、わざわざ新潟に出張ってまで食べるほどでもない普通のカレーだった。このシーンはおいおいYouTubeにアップする予定なので、興味があれば「かとにゃんチャンネル」からどうぞ。

その後、新潟駅万代口に移動。今年の3月末をもって頭端式のバスターミナルが廃止になるとのことで立ち寄ってみた。昭和を感じさせるバスターミナルで、次々とバスが発着していくが、珍しいのはバックでバス停に入線するところ。バスが到着する旅に係の方が笛を吹いて誘導する。行先を告げる案内放送も音が割れ気味で、そこもノスタルジックで好ましい。バス停でずいぶん長くバスの発着を見守っていたが全然飽きなかった。その様子は左上の画像からどうぞ。

そのまま新潟駅の改札を通り、14時49分発の特急いなほ7号のグリーン車に乗車。JR東日本の株主優待券利用で4割引で乗ることができた。このグリーン席には一度乗車したことがあるが何度でも乗りたい車両である。普通席のシート2列分にどーんと大きなシートが設置されていて、前後には衝立があるので個室感が満載。私は海側のシートを予約していたので、横2列の広いスペースが使い放題。秋田までの4時間弱の乗車は当然「呑みテツ」となった。

新潟空港に到着してから断続的に降っていた雪は村上を過ぎたあたりでまた強くなり、沿線のビュースポットである笹川流れは見映えがせず残念だった。かわりに庄内地方に入ってからは太陽が顔を出し、薄っすらと雪が積もった米どころの田園地帯は見事な景色だった。

山形と秋田の県境に近い吹浦~女鹿間でちょうど日没を迎えた。いつもは車窓そっちのけでスマホに落としてきたTV番組を見るのがこのごろの旅のスタイル。ところが今回は持ってきた番組が少なく、ひところの旅のように音楽を聴きながら車窓を見るという感じだった。これが良い方に出て、今回は海に沈む夕陽に出会うことができた。たまたま聴いていた曲が角松敏生の「あるがままに」。このドラマチックな曲調が車窓にぴたりとはまり、久々のトワイライトセクションを楽しむことができた。

秋田県に入って羽後本荘で最後の停車。もうすっかりと日が暮れて車窓が楽しめなくなってきた。それでも列車の窓の灯りが雪面に反射して、どことなく北国の夜汽車の雰囲気を感じ取れた。街灯りが増えてくると終点の秋田駅。定刻の18時30分の到着だった。

この日の宿はANAクラウンプラザホテル秋田。IHGの会員ポイントは1年間宿泊しないと消えてしまうので、昨年3月に神戸に宿泊して以来だった私は危ないところだった。そこまで高値でもなく、そこまで狭くもない清潔な部屋は気分が落ち着く。クラウンプラザぐらいのクラスが私に最もお似合いのホテルだなと感じた一夜だった。


この季節では珍しい日本海に沈む夕陽


至福の時間を過ごし秋田駅に到着


新潟から秋田まで日本海沿いを北上する特急いなほグリーン車に乗車

<終>

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