秋のタイトル防衛戦
JR駅から遠いと思いこんでいた西武新宿

2年弱におよぶコロナ禍で無意識のうちに東京を避けてきた。2019年11月に羽沢横浜国大駅が開業し、鶴見からこの駅までJRの旅客線が伸びたにもかかわらずほったらかし、そのうちコロナ禍で首都圏に行けない状態となった。 いつまでも未乗のまま残していくわけにもいかず、感染症が少し収まったこの機会を捉えて乗りに行くことに決めた。

2021年11月9日火曜日、浜松を7時半に発車するこだま700号に乗車した。あいにくの雨模様で時折稲妻が光っている。三島駅に停車中、向かいのホームに停車するはずもないのぞみ号が停まっており、運行情報をネットで確認すると「お客様対応のため三島駅に停車中」とのこと。その晩のニュースでも報じられたが、乗客同士がトラブルとなり暴行を働いたということで70歳近くの男が逮捕されたたらしい。先日の京王線のジョーカー男といい、それを模倣した九州新幹線の男といい、このところ列車内での事件が続いている。なかなか避けられないことではあるが、自分が乗車している列車ではそんなトラブルが発生しないことを祈るしかない。

案の定、下り線は新幹線が一定間隔で数珠つなぎで停車しており、影響を受けたお客さんには同情する。こちらの列車は定刻通りに走行し品川駅で乗り換えとなった。まずは新宿に行くので山手線に乗り継ぐのだが、次の列車が大崎止り。空いているので乗ってしまい、大崎で埼京線に乗り継ぎ。一本後の山手線に乗るより5分ほど早く新宿に到着した。


西武の駅そば「狭山そば」


かき揚げ天ぷらそば\430

JRの 新宿駅から西武新宿駅まで遠いと聞かされていたので、間に合うかどうかヒヤヒヤしたが、言うほど遠くなかった。まぁ土砂降りの時にぶつかってしまったので相当濡れはしたが、発車10分前にはホームに到着した。西武新宿から所沢までは初乗り区間。ニューレッドアローで運転する特急小江戸号で30分の小旅行である。

西武10000系のモーターは、当時新しく導入されていたVVVFの交流モーターではなく直流モーターである。そのため走行音は昭和サウンドである。途中東村山を通るのだが、昭和の子供だった私は東村山音頭を連想する。私はその中でもマイナーコードの3丁目が好きだった。いずれにしても惜しい人をコロナで亡くしてしまった。

所沢で西武秩父行きのラビューに乗り換え。22分の待ち合わせとなるので、その時間を利用して1番ホームにある狭山そばに立ち寄った。午前10時台ながら結構混んでいてびっくり。駅そばがあるなんて大手私鉄っぽいが、流行っているようでご同慶の至りである。

10時51分発の特急ちちぶ11号で秩父に向かう。こちらの列車はまだ新しいラビューで、ニューレッドアローとは乗り味が違う。飯能で進行方向が変わり、指定していた席が最前列になるが、雨で前面展望が遮られ良さが出ない。折り返し乗車した池袋行きも同様で、雨が憎たらしい。複々線を走行中のシーンは一部ではあるが下のYoutubeにアップしているので、どんな感じだったかはそちらの動画で。

池袋から山手線と常磐線で北千住に出て、東武線でいったん浅草に戻る。始発駅から特急スペーシアけごん31号で日光に向かう。東京はようやく雨が上がって日差しも出ていたが、北上するにつれて再び雨模様になった。終点日光では空が暗く、もはや夜の様相だった。まだ16時台。秋の日はつるべ落としである。日光ではコンビニでアルコール類を仕入れただけでとんぼ返り。今度はリバティに乗車して春日部へ。スペーシアに比べるとシートピッチは狭いが、そこは現代の車両らしく全席コンセント付きである。

春日部から野田線で大宮までアーバンパークライナーを迎えに行き、20時05分発のアーバンパークライナー2号で柏に向かう。野田線の有料特急ってどんな感じだろうと思っていたが、予想外に乗客が乗っており、東武の思惑どおりだったと思う。柏まで約1時間。320円の特急料金はお得である。柏で船橋行き急行に乗り継ぎ、船橋で京成線に乗り換えて京成小岩へ。最後に乗った都営浅草線用5500形が快適だった。


大宮の乗車待ちスペース表示


京成小岩駅前スカイハートH


三方向へ出発する武蔵小杉

おそらくJR東海ツアーズの新幹線ダイレクトパックを利用しなければ泊まることのなかったスカイハートホテル小岩に宿泊し、翌朝8時半すぎに京成小岩から旅が再開。下町情緒ただよう京成小岩駅もこのツアーを利用しなければ降りなかっただろう。ちなみに前回、東京都内に宿泊したのは赤坂のANAインターコンチネンタル。このギャップもなかなかである。

京成小岩からいったん千葉方向に戻る形となって市川真間で下車。そこから徒歩7〜8分でJR市川駅に出て、総武線快速で武蔵小杉に向かうという算段である。ところが成田線内の車両故障とかで総武快速線のダイヤは乱れ放題。ようやく来た列車は大混雑。グリーン券を持っていたが最後の1席をようやく確保するというありさまだった。まぁ何はともあれ席さえ確保できればグリーン車は快適で、普通車の混雑をよそに別世界だった。市川から40分ほどで武蔵小杉に到着。JREポイント600p分は十分に元が取れた。

武蔵小杉からはJR未乗区間。旅の最後の最後でようやく目的を果たすことになる。入ってきた列車はネイビーブルーの相鉄12000系。さっそく前面展望を撮影するため運転席直後のかぶり付きポジションに立つ。この前面展望の一部も上のYoutube動画に収録した。ところで未乗区間といっても横須賀線や京浜東北線が隣を走っており、見慣れぬ区間は鶴見を過ぎてからの8.8キロのみ。トンネルも多いので実際に乗ってみるとなぁーんだという感じだった。羽沢横浜国大に到着し、なにはともあれJR線完全乗車のタイトル防衛に成功した。

羽沢横浜国大駅から新横浜駅へは神奈中バスに乗車。うっかりかり駅前の逆方向のバス停で待っていたため、間違えに気付いた時には発車の2分前。あわててダッシュで歩道橋を駆け上がり、ぎりぎりバスに間に合った。このバスを逃すと予定していたこだま号には乗れず危ないところであった。バスの車内の模様はYoutubeにアップしているので、興味があればどうぞ。まぁとにかく相鉄と東急が相互直通運転をする来年度には、この区間のバスは地元民しか乗らないことになりそうなので、実用的な交通機関として乗車したのは今回が最後となりそうである。


西武新宿から所沢まで特急小江戸で


今回はラビューの前面展望を楽しむつもりが


風情ただよう雨の西武秩父駅


スペーシアで到着、リバティで出発


すっかり日が暮れた東武日光駅


アーバンパークライナー2号柏行きに乗車


都営浅草線5500形に初乗車


下町情緒ただよう京成小岩駅


後日それぞれの動画をアップ予定だが、私鉄車両の総集編動画を作成


ダイヤが乱れ超満員の総武線快速


まだ乗っていない相鉄の車両だけ体験


羽沢横浜国大駅にてタイトル防衛


羽沢横浜国大と新横浜を結ぶ

<終>

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