香港・マカオ「デジカメ日記」

はじめに
2000年6月24日(土)〜27日(火)に仕事の研修旅行で香港に行ってきた。我が社からの出席は私と深谷クン。他社からの出席者と合わせて総勢28人の団体旅行である。ただ2日め夕方と3日め、そして4日め午前中と割合自由になる時間が多かったので、それを利用して香港とマカオを歩く事にした。

★香港の鉄道事情
6月25日(日)夕刻と27日(火)午前中の自由時間を利用して、香港の電車を乗り歩いた。まず日曜日の夕刻には「九廣鉄路(KCR)」を利用して沙田競馬場へ。なにせ海外の鉄道に乗車するのははじめてでわからない事だらけであったが、九龍站(駅)<=ホンハム駅>の改札前の自動販売機に20ドル(=約300円)紙幣を入れて行先ボタンを押すと日本のテレホンカードみたいなものとおつりが出てきた。沙田站までは6ドル(約90円)と日本に比べれば安い!!自動改札を抜けてプラットホームへ。ちょうど停車中の電車が沙田競馬場行きだったのでそれに乗り込んだ。

香港の地下鉄はシステム的に日本と似ている
車内はガラガラで、拍子抜けするほどであったが、いざ電車が走り出すと「海外の鉄道への第一歩」という感慨が胸に迫り、ガラにも無く感動してしまった。電車は各駅停車ながら駅間をおそらく100Km/hを超える速度で走り競馬場に到着。私たちは改札に向かった。キップはひとつ手前の駅までだったので、乗り越し精算を頼もうと駅員さんに申し出ると、お互い言葉が通じないものだから四苦八苦。結局追金なしで改札を出させてもらった。ひょっとすると「乗り越し」という概念がないのかもしれぬ。
香港島の路面電車(左)と
二階席からの前面展望(上)

機場快線(Airport Express)が青衣站に進入
香港の競馬シーズンは9月〜6月ということで今日6月26日がシーズン最終日。18時ころ競馬場に到着したので最終レースだけ楽しむ事ができた。馬券の買い方も日本と同じマークシート式なのだが、肝心の記入方法がわからずここでも四苦八苦。何度も窓口のお姉さんに突き返されながらも、最終的に三連勝(1着、2着、3着を当てる)の馬券が買えた。一応拾った競馬新聞で予想したものの三連勝は難しく、香港の経済発展に微力ながら貢献してきた。
帰りは沙田競馬場站から九龍塘站まで戻り地下鉄に乗り換える手筈になっている。競馬場站はレース開催日のみ営業であるためキップの自動販売機がなく出札窓口に並ぶ事に。広東語はわからず英語も通じないため、やりとりは筆談する事になった。中国本土でもそうだが最終的に筆談すればなんとかなることを実感した。
九龍塘站にて地下鉄に乗り換え。九廣鉄路同様こちらもプリペイドカード式キップを自動改札に通す方式で日本の地下鉄のシステムに似ている。太子站で香港島方面行きの電車に乗り換える合間の時間を利用してデジタルカメラの不要な画像を削除していたら、操作を誤って画像を全て削除してしまった。旅の途中でどん底に突き落とされた感じ。というわけで競馬場の画像もこのHPには掲載されていない。

機場快線の車内。それぞれの席に液晶TVが
海底トンネルをくぐって香港島の中心、中環站で地下鉄を降り、近くのファミリーレストランみたいなところで夕食とする。アルバイト然とした店員達がわれわれの注文をどちらが取りに行くかを譲り合っている。「おまえ行け。いや、おまえ行け」と肘でこずき合っているように見えた。われわれも海外での食事に不安なら、相手のアルバイト店員にとっても外国人を相手するのが不安だったのだろう。
海岸線を最高160Km/hで快走する

香港(九龍)と広州を結ぶ九廣鉄路(KCR)
夕食後、香港の2階建て路面電車・トラム(LTR)に乗車する。香港島の東西を結ぶ気軽な足で、日本の路面電車と同様にどこまでいっても一律運賃で2ドル(約30円)である。2階席からは香港の都会的な街並みが見下ろせ、お奨めの乗り物である。
6月27日(火)、最終日の午前中の自由時間を利用して、今度は1人で香港の電車を乗り歩く事にした。まず2階建ての路線バスに乗車して中環地区へ。そこから香港国際空港とを結ぶ「機場快線(Airport Express)」に乗車した。自動改札はもちろん、ホームドアもある近代的な鉄道で香港站と空港站を23分で結ぶ。運賃は70ドル(約1050円)である。タクシーでは高速道路経由で約40分かかるから、相当な高速列車である(最高速は160Km/hらしい)。車内は東北新幹線のような集団離反式2人掛けロマンスシートが並び、各席のヘッドレストには液晶テレビが設置されており、なかなか快適な列車である。車窓は途中の青衣站までは市街地とトンネルの繰り返し。青衣站からは一転して海岸線を快走する。変化に富んだあっという間の23分間だった。
空港には滞在10分ですぐ折り返し。青衣站で地下鉄に乗り換えて、九廣鉄路とのジャンクション九龍塘站まで向かう。九廣鉄路はその名の通り九龍半島と中国の広州を結ぶ鉄道で直通列車も走っているのだが、香港が中国に返還された後も香港から中国本土に向かうにはビザが必要である。ホントは直通列車で広州にも足を伸ばしたいところであるが、私にはビザも時間も無い。というわけでまだ国境の雰囲気を残す香港最北端・羅湖を目指す事にした。片道33ドル(約495円)のキップを握り締め電車に揺られる事45分。やっとのことで国境の街、羅湖に到着した。しかし、改札の先には出入国ゲートしかなく、駅舎の外に出ようにも出られないようになっている。結局、そのまま帰りのキップを買って折り返すはめになり、国境の街のムードを楽しむ事ができなかった。九龍への帰り道は、往路ほどの高揚感がなくなり落ち着いて車窓を眺める事ができた。異国を感じさせる風景も多かったが、日本の農村を思わせる風景もそこかしこに広がり、香港最後の日の哀愁が漂った。

★マカオにて

マカオ・ペンニャ教会からの異国の眺め
マカオに行ったのは、3日めの6月26日(月)。オプショナルツアーを申し込んで昼食込み9000円だった。朝9時半のジェットフォイルで香港を発ち、マカオには約1時間で到着。香港もマカオも中国に返還されたが、往来にはパスポートが必要である。マカオでの楽しみはなんといってもカジノであるが、午前中はマカオの観光というスケジュールである。それにしても快晴でじっとしていても汗が噴き出る陽気であった。
ペンニャ教会からのマカオ・タイパ橋の眺め(右)
と異国情緒あふれる街並み(上)

聖ポール天主堂跡にて筆者


窓にはマリア像が

天主堂の裏側はバラック風?

資料館には迫害の歴史が刻まれる
マカオの観光ポイントである「聖ポール天主堂跡」は建物の正面の外壁だけ残り、裏に回ると書き割りの建物っぽくて笑えた。「ペンニャ教会」はマカオ南部を一望する丘の上にあり眼下に異国の街並みが広がっていた。そして中国式の寺院である「マ・コウ・ミュウ」では、春節(中国の正月)などに中華街で鳴らされる爆竹を鳴らしてもらい、いい思い出になった。(上と下の画像参照)

爆竹点火の後慌てて逃げる深谷クン(左)
と派手な音ではじけまくる爆竹(右)
量が多すぎて食べきれない昼食の後(しかしどうして現地の人はあんなに大食いなんだろう・・・痩せてるのに)、ようやく待ちに待ったカジノである。私は香港の旅行前から、マカオのカジノに行ったら「ルーレット」をしようと心に決めていた。というのも3年前の冬の舘山寺営業所スキーツアーの時に斑尾のホテルでみっちりとルーレットに勝つコツを叩き込まれていたからである。

カジノ玄関にて深谷クン
2年前のハワイ旅行の時に使い残した米ドル紙幣70ドルを両替したら香港ドルで500ドルくらいになって戻ってきた。とりあえずこのお金に手持ちの100ドル紙幣を加えて600ドル(約9000円)を元手に戦闘開始。赤or黒や偶数or奇数などに賭けようとすると1回に200ドルが最低単位で、600ドルの手持ちでは3回負ければそこで終了だが、運良く2回目で当たり、そこからは快進撃。斑尾で習得したコツであるディーラーのくせを読んで、出目を予想し、その数字の周囲に賭けるという通称「外堀作戦」が次々に的中していった。カジノでの予定してい滞在時間の1時間あまりはあっという間に過ぎ去り、手元には2000ドル(約3万円)分のチップが残っていた。
日本人旅行者がカジノで勝つ確率は、噂によると10%程度で、このマカオのオプショナルツアーに同行した13人のなかで勝ったのは私ともう1人であった。考えてみれば海外でお金を稼いでしまうなんてラッキーな話しである。なにはともあれ今回はマカオの経済発展に寄与できなくて残念だった!?

★香港最後の夕べ

手打ち麺の指導を受ける深谷クン
香港最後の夜(6月26日)は、同行した28人総勢で北京料理を楽しんだ。「新洪長興」という高級そうなレストランでの食事で、もちろん北京ダックなども食卓を飾り豪華であった。途中で麺の手打ち名人みたいな人が登場し、ひとしきり「ミラノのピッツァ職人」みたいな技を披露した後、「誰かやってみないか?」みたいなことを言った。
ショーウインドウの光の中を抜けて
そこで登場したのはメンバーの男性陣の中で一番若い深谷クン。最初はおぼつかない手つきであったが、酔いにまかせて豪快に麺のかたまりを振り回し、師匠の香港の麺打ち名人からも誉められていた。
夕食の後はお待ちかね「香港の100万ドルの夜景観賞ツアー」に出掛けた。九龍半島の先端・尖沙咀から海底トンネルをくぐり香港島のビクトリア・ピークまでバスに揺られる事40分。やっとのことで展望台に到着した。

100万ドルの夜景をバックに筆者ら(右)
女の子の方から手を回してきた!?(左)

ハッピーバレー競馬場のドラゴン電飾
実はビクトリアピークの展望台には2日め(6月26日)の昼間にも訪れ、その見晴らしの良さを堪能していたのだが(デジタルカメラによる画像はその日の夕刻消失=前述)、その昼間の風景を忘れてしまうような美しい夜景であった。このような夜景を写すんだったらデジカメの独壇場。上の画像のような夜景をバシバシ撮っていった。右上の画像の真意を日本に戻ってきてから深谷クンに問いただしたら「女の子の方から手を回してきた」んだってさ!!彼女が聴いたら泣くようなコメントをしていた。とにかく夢のように過ぎ去ったビクトリアピークでの時間だった。
山頂から下る帰り道の途中に、ハッピーバレーの電飾ドラゴンが良く見える展望台でバスが停まってくれた。このドラゴンの電飾は6月いっぱいまでということなので、もう今香港に行ってもないはずである。貴重な画像を収めることができてヨカッタ!!
まぁ、何はともあれこうして日本でホームページをまとめることができてめでたしめでたし。仕事とはいえ、充実した香港での4日間であった。


香港・マカオ「デジカメ日記」おわり


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