ど こ か に マ イ ル ・ 新 潟


新潟空港に到着したJAL2241便

10年以上会員だったJRAカードをやめた。というのも1,000ポイントたまったので、重賞のない土曜日に新潟競馬場の指定席と交換しようとしたところ、抽選にハズレてしまったからである。近年、地方場所の指定席がとりづらくなり、中央場所なら普通のカード会員でも指定席が取れるので、JRAカードのメリットが薄くなっていた。これで思うようにポイント交換もできないようでは意味がない。最後はケンカ別れである。

で、ぽっかり空いた金土の連休。どこかに旅行に行きたい。こんなときに便利なのがJALの「どこかにマイル」である。さっそく何度か検索してみると、花巻、新潟、但馬、出雲の4か所のうちいずれか行けるパターンが出てきた。花巻、但馬はまだ降りたことのない空港で、出雲は亀嵩駅のソバが魅力。そして新潟は土曜日に競馬場に行くためにホテルを予約し、そのままにしている。この4か所ならどこに行っても大丈夫だと思い、6,000マイルと引き換えにボタンをポチッと押した。目的地が決定するまでの2日間で、4か所とも行程を組んでしまったのは時間の無駄使いだったが、2日後に行き先は新潟という無難な知らせがメールで届いた。

新潟3区
伊丹を早朝7時20分に出発したエンブラエル170は、1時間で新潟空港に到着。リムジンバスと新幹線を乗り継いで、浦佐駅には11時前に着いた。新幹線の駅前にしては寂しいところで、高層建築など一切ない山村である。駅前の一角に故田中角栄氏の像が建っており、例の「イヨッ」のポーズで手を挙げている。彼が地盤としていた衆議院旧新潟3区には新幹線の駅が4つもあり、上越新幹線の建設自体が氏の政治力の賜物とも言われている。中でも最も存在価値が乏しい浦佐駅前に氏の像が建っているというのは象徴的である。そんな田中角栄氏のことを私は若いころに心底嫌っていたが、年齢とともに「田沼意次みたいなものじゃないか」と思うようになってきた。悪の象徴のように学校で教えられた田沼政治も、今振り返ると景気拡大のための政策のように感じる。角栄氏の政策も評価できるところはあったんだろうなと思う。もっとも当時評価するには私があまりにも幼すぎたが…。


USJミニオンラッピングのエンブラエル170


上越国境を越え水上まで走るE129系〜浦佐駅


浦佐駅前に建つ田中角栄像

悲願の鉄路
北越急行ほくほく線に乗るのは初めてである。つい最近まで681系や683系の「はくたか」が160キロでぶっ飛ばし、東京と北陸を結ぶメインルートを担ってきた。北陸新幹線にその座を渡した後は、粛々とローカル輸送に徹しているが、その姿こそが鉄道のない寒村だった旧松代(まつだい)町が望んでいたものである。

六日町から快速でわずか20分でまつだい駅に到着。十日町までは2両編成の電車がほぼ満席であり、夏休みとはいえ平日の昼間にもかかわらず混んでいた。沿線は長大トンネルの連続で、この時期はトンネルから出るたびに窓が曇って景色がまともに見えなくなる。まつだい駅の北口は道の駅、南口には農舞台があるが、山に囲まれた小さな盆地で、特に冬場の生活は厳しそうだということが実感できた。そんな町にとってほくほく線の開通は悲願だったんだろうな。。。


ゆめぞらとしても使用されるHK100形転クロ車


ほくほく線発祥の地まつだい駅にて筆者


まつだい駅南口そばのまつだい「農舞台」


かつてほくほく線を走った681系のベンチ

直江津〜新潟2,000円
ほくほく線を乗り通し、直江津駅へ。駅にも乗り場はあるが、時間があるので始発バス停であるイトーヨーカ堂前まで歩いた。新潟県は東西に長いため、県内だけ走る高速バスが発達している。なかでも上越市と新潟を結ぶバスは1日12往復あり、同区間を走るJRの特急が5往復なので倍以上の頻発である。高田からなら所要時間は特急列車と同等で、料金は半分以下。高速バスが発達するのも無理はない。

始発バス停から乗車してしまえばこっちのもの。最後列で気兼ねなくリクライニングを倒して、ウィスキーの水割りを飲みまくった。蒸し暑い中、汗をダラダラとかいて歩き回ったのも、最後に高速バスで至福の時を過ごすためである。直江津から2時間半かけて、ホテル最寄りの万代シティバスセンター前に到着した。


夕飯というか締めの麻婆麺

ANAクラウンプラザホテル新潟
そもそも新潟競馬場に行くために予約していたANAクラウンプラザホテル新潟。ここに泊まるのは、前の会社を辞める直前だった2015年のゴールデンウィーク以来なので、当時の事を思い出して、いろいろと感慨深い。珍しく日が高いうちにチェックインしたので、ホテル内で夕飯をとることにした。とはいえバスの中でさんざん飲んでいるので、麺類で締めたい。2階に天壇という中華料理屋さんがあるのでそこへ行ってみた。麻婆麺をオーダーし、阿里山の麻婆飯+台湾ラーメンという鉄板セットメニューを混ぜたような味わいに大いに満足した。

翌朝は6時半前にチェックアウトし、空港で残り1席しかなかったクラスJシートを確保した。もともと革張りシートのエンブラエル機だがクラスJとなると、ちょっと昔の国際線ビジネスシートっぽい雰囲気になる。わずか6,000マイルで新潟を往復し、そのうえ1,000円の追加投資でこんなリッチな気分になるとは…。これからやみつきになりそうである。


単行で運行される地元の日常の足ほくほく線


直江津〜新潟2,000円。イトーヨーカ堂前にて

<終>

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