パドックのはるか向こうに姫路城


ぶらり旅打ち〜姫路競馬編

北海道の帯広・門別から九州の荒尾まで、全国を駆け回った地方競馬の旅打ちも2場を残すのみ。今回は、そのうちの姫路競馬場を訪れた。姫路競馬場は兵庫県競馬組合が主催しており、園田競馬場の裏開催を実施している。ところが、園田競馬場と比べて集客力に劣る姫路競馬場は年々開催が少なくなり、現在では1年間で18日間のみレースが実施されるだけである。5月後半から6月下旬にかけて集中的に開催されるため、ここを逃してしまうと、また1年間開催を待たねばならず、国内にある全ての競馬場を訪問することが目標の私にとっては、是が非でもこの時期に訪れる必要がある。

そういうわけで、平成22年6月2日水曜日。無理やり誘ったナベさんを助手席に乗せて、遥か400`先にある姫路競馬場に向けて出発。ど平日しか開催が無いので、ふたりとも有休を取っている。クルマは京阪神を通過して山陽道に入り、浜松出発から5時間後、ようやく姫路競馬場に到着した。

姫路競馬収支表 (10.6.2開催)
レース 投資 回収 収支 累計
5R 1,200 1,040 -160 -160
6R 2,900 0 -2,900 -3,060
7R 2,000 430 -1,570 -4,630
8R 2,100 0 -2,100 -6,730
9R 3,600 0 -3,600 -10,330
10R 4,000 6,000 +2,000 -8,330
11R 5,000 980 -4,020 -12,350
合計 20,800 8,450 -12,350 40.6%


ネオユニヴァース産駒の記念馬券

到着してみれば、予想通り昭和の雰囲気が漂う競馬場だった。観戦スタンドは古いが予想以上に大きく、1万人くらいは収容できそうである。コースは1周1,200bのダートで、他の地方競馬場同様小回りである。第4コーナー付近のスタンド前を発走し、コースを1周する1,400bのレースが主力で、この日の11レース中7レースが1,400bだった。それ以外は、第4コーナー奥のポケットから発走する1,500bが3レースあり、向こう正面の直線からスタートし1周半する1,800bが1レース組まれていた。

パドックも馬場同様小回りで、フルゲートの12頭が数珠繋ぎで歩いていた。パドック横の出走馬掲示板は、今どき珍しいチョーク書きで、手書きの水沢競馬場以上にローカルムードを醸し出していた。スタンドからパドックを見ると、はるか先には国宝姫路城も見え、なかなか楽しい競馬場だった。

一方、食事情の方はもうひとつという感じ。姫路が名物に恵まれていないということも影響していると思うが、正面入口左手にある食堂横丁にある4〜5件の食堂は、どれもほとんどメニューが同じ。なおかつ値段がいい割には質は低めで、注文した味噌かつ丼のボリュームの無さ(特にトンカツの)には閉口した。この競馬場での昼食は、競馬場外に出て食べるか、弁当などを持ち込んだ方がいいようである。

それでは、第5レースより勝負開始。まずは初めての競馬場なので、ガミってもいいので当てに行かねばならない。競馬新聞を信用して、◎印から複数印がついている6頭への馬連とワイドの流し馬券を購入した。目論見どおりに軸馬が快勝し、ヒモに指名していた馬もきっちり2着、3着。馬連にワイド2点が的中したが、1,200円の投資で1,040円の回収で、やっぱりガミった。

次の第6レースは、出走馬の中に「ラブユニバース」というきれいな名前の馬を見つけた。この馬の単勝を記念馬券にして、本命はやっぱり◎の馬にしたところ、軸馬は4着に敗れ、ラブユニバースの方は2着に突っ込んできた。1着はしんがり人気だったため、馬連でも2万円を超える万馬券。3連単にいたっては72万馬券が飛び出す大荒れの結果だった。このところ、自分のインスピレーションを信じないばかりに、みすみす高配当を取り逃すことがままあるので肝に銘じたい。

第7レースは新聞の「実力伯仲」との見立てを信じ、3連複の6頭ボックスの20点買いで臨んだが、1〜3着が人気どおりの結果となって大ハマリ。しかしカラ馬はよく走る。エリザベス女王杯で武豊を振り落として逃げ切ったポルトフィーノを見ているようだった。

続く第8レースは軸馬が7着に沈み、第9レースは軸馬が1着に来たもののヒモ抜けしてハズレ。一気にマイナスが1万円になってしまった。同行のナベさんもかなりの損害を受けている模様。次のレースはJRAとの交流競走にして本日のメインレース。ここをきっちり取って最終レースに望みを賭けたい。ここは前々走にJRAの500万下で2着のI「エルチョコレート」号が断然の本命。しかしレースとなれば何が起こるか分からない。私はIの3連単1着流しに加えて、2着流しも購入。ナベさんはJRA勢のレベルが抜けているとみて、地元有力馬抜きの3連複1点勝負だった。結果は2人とも的中。これで最終レースに望みをつないだ。

最終レースは、新聞では「順当」の見立てながらも、私は一発逆転を狙って馬単と3連複の6頭ボックスを購入。対するナベさんは2頭の馬単折り返しの2点勝負。運命の結果は、ナベさんの予想通り上位2頭で決着。ナベさんは奇跡の大逆転でプラス1万2千円。一方の私はガミリっぱなしでマイナス1万2千円の収支となった。まぁそれでも、私は姫路競馬場を訪れたことに意義を見出し、誘われて遠くまで来たナベさんも、儲けて気分上々で帰れるのだから、これはこれで良かったのかも…


姫路競馬場の観戦スタンドを背景に筆者


馬場同様小回りのパドック。遠くに姫路城


今どき珍しいチョーク書きの出走馬掲示板


食堂横丁で注文した味噌かつ丼。750円


第4コーナー付近がスタート位置の1,400b


直線の端から端までを使って先行争い


コースの向こう側の山には夏雲がかかる


第7レーススタート直後に落馬したカラ馬


カラ馬は最後まで首位争いをし1/2馬身差


JRA交流競走を制した栗東の芹沢騎手

<おしまい>

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