浜松〜福島3時間 2001年6月16日土曜日午前6時50分、浜松駅新幹線ホームは平日のビジネス色の濃い雰囲気とは違い、休日特有の伸びやかな気分に包まれていた。梅雨入りして10日あまり、今日の天気は大きな崩れはない模様で、散見される家族連れは「東京ディズニーランド」にでも行くのだろうか・・・。7時ちょっと前に300系編成「ひかり290号」は入線し、定刻7時ちょうどに浜松を後にした。車内で朝刊を読み終え、競馬新聞を広げようかと思ううちに、新幹線は多摩川を渡り減速を始めた。東京には8時24分着。お金がなかった少年時代、片道4時間かかって乗り継いでいた東京までの道程も、新幹線に乗り慣れてしまえば「こんなものか・・・」と思ってしまうような時間距離である。 いったん乗り継ぎ改札を通るためホームの階段を下りて、再び東北新幹線ホームに上ると、目指す列車であるオール2階建て編成の「MAXやまびこ115号」はその巨体をホームに横たえていた。私にとっては「お初」の車輌であるので、アコモデーションを見るために車内を一回りした。2階の自由席は通路を挟んで片側3列の「通勤仕様」であるが、休日ということもあり東京発車時点でも6割ほどの乗りであった。 上野、大宮で乗客を拾い一路福島へ。関東平野の緑がむせかえるように濃い。やがてトンネルに入ったり出たりしながら福島県内に入り郡山を通過。福島到着は10:04。浜松から3時間あまり。浜松からは遠いイメージのある福島も「ずいぶん近いもんだな」と感じた瞬間である。 |
E4系オール2階建て新幹線「MAXやまびこ」 |
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新しくてきれいな福島競馬場の正面
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さて、入場ゲートをくぐる時に遠方からのファンはひとつ嬉しい驚きがある。というのも東海道沿線の競馬場では200円の入場料を払わなければならないところが、ここでは100円で済むからである。ということは回数券で入場するとかえって損をすることになりかねないから注意が必要である。 福島競馬場の紹介はこの辺にしておいて本題に入ろう。競馬場に着いたのは10時半くらいであったから当然第1レースから全て楽しむという訳にもいかず、第3レースの馬券から購入したが、じっくり検討する時間もなくあえなく外れた。11時過ぎに、ここで落ち合う約束をしていた米沢市在住の大学時代の友人土谷大助君(愛称つっちぃ)から携帯にメールが入り、11時半ころに競馬場に到着するとのことであった。 ほどなく彼は現れた。久々に会ったつっちぃは、変わっていないといえば変わっていなかったし、老けたといえば老けたなぁという第1印象であった。ただ、大学時代に多くの友人から指摘された平板なイントネーションも、ここ福島競馬場では違和感がなかった。第5レースの後、昼休みに入り、コースの内側の売店で買った地ビールで再会を祝った。太陽がまぶしく、風は爽やかなひとときであった。再会の記念に巡回していた「ターフィーくん」といっしょにカメラに収まった(タイトルの画像)。そうこうするうちに午後のレースの発売が開始されて急いでスタンドに戻った。ここまではプラスの収支。さぁ午後はどうなることやら・・・ |
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左の表でもお分かりのとおり、福島9Rの「水芭蕉特別」をピークに、持ち金を減らし続け最終レースが終わる頃には収支がマイナスに転落してしまった。第9レースの払戻しを受けた頃には、つっちぃに「今日1万円以上勝ったら、今夜の飲み代は奢ってやるから・・・」と大きなことを言っていたのだが、終わってみればつっちぃともどもオケラ街道であった・・・ しかし私はやらなかったが、福島競馬場には競馬ファン待望(?)の「夢の13レース」がある。岩手県競馬の場外馬券売り場にもなっているので、12レースが終わった後に発走する盛岡・水沢競馬の最終レースの馬券が購入できるのである。まぁ、そんな馬券に手を出せばますます「オケラ街道」まっしぐらであろうが・・・。 |
障害レーススタート。奥のバンケットが名物 |
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さて話しは前後するが、ここ福島競馬場で忘れてはならない名物がひとつある。それは障害コースのバンケット(コース上の小山の上り下り)である。 実際、つっちぃと合流した直後の5レースめが2750bの障害レースで、3階スタンドのバンケットの正面で観戦していた私達は、小山を豪快に上り下りするサラブレッドの姿を目の当たりにして感動の嵐であった。みなさんも福島競馬場に行く機会があったら、ぜひバンケットの正面から障害レースを観戦してみていただきたい。きっと「来てよかった」と思うこと請け合いである。 また、ここのパドックは建物の中にあり、3階席からパドックを見下ろすと、まるでオペラでも観ているかのような錯覚に陥る。というのもパドックを囲んで観覧席が垂直に配されているためである。ここも当競馬場のオススメポイントである。 とまぁ、福島競馬場の観戦レポートを書いてきたが、第10レースで、かつてここ福島で行われた「ラジオたんぱ賞」を制したシルクガーディアン号(右上の画像)の健在ぶりを確認できたのは収穫であった。まだ5歳で、老け込むのには早く、これからも元気に走ってもらいたいものである。 福島競馬場観戦記・・・おわり・・・ |
オペラでも観ているかのようなパドック |
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もつ焼きを前にして満面の笑みの筆者 |
もつ焼きを囲んで 嵐の競馬観戦が終わり、この旅のひとつの目的である「つっちぃとの飲み会」の時間がやってきた。かつてつっちぃは福島で働いていたこともあって福島の飲み屋の案内は手慣れたもの・・・のはずが、少し迷いつつ、つっちぃオススメのもつ焼き屋「鳥政」に到着した。 つっちぃによると、ここは福島市内でも有名なもつ焼き屋ということで、なるほど私達がカウンターに座ってビールを飲み始めると、次々にお客さんが現れて18時前にはほぼ満席になってしまった。確かに美味いもつ焼きで、味噌の風味がクセになり、もう2人前おかわりをしてしまった。 つっちぃとひとしきりお互いの近況を話した後、会計を終えて店を出たがまだ外は明るく、結局もう1軒ハシゴした。その後つっちぃは740円キップを持って米沢まで鈍行列車に乗って帰っていった。次に再会するのはいつになるだろうか・・・? |
こちら手慣れた手つきのつっちぃ |
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会計を終えて店を出てもこの明るさ!! |
740円キップを手に米沢に鈍行で帰るつっちぃ |
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湯気をたてて美味しそうなもつ焼き | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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日本で二番目を持つ鉄道 翌朝、6月17日日曜日は梅雨どき特有の曇り空であった。宿泊していた福島東急インを出て福島駅へと歩いた。ものの2〜3分で駅前に到着したのだが、目指す阿武隈急行の改札口がなかなか見つからない。さんざん探し回った挙げ句、JRの改札口からずいぶん北の片隅に「阿武隈急行のりば」の案内を見つけて一安心した。 8:03発の槻木行きの車内は空いていた。外観といいアコモデーションといい、旧国鉄急行型電車の改造かと思ったが実は新造車輌であることを後で知り「へぇ〜」と思ってしまった。 丸森までは鉄建公団が敷設した新線区間で、ロングレールということもあり乗り心地が良い。逆に旧丸森線の区間は短尺レールで、こちらはこちらでレールを刻む音が心地よい。福島の田園地帯と仙台の南の田園地帯に挟まれた阿武隈川の渓谷の区間は地元の飯田線を彷彿とさせる景色の良いところであった。 その阿武隈急行線の一番のクライマックスは、日本で二番目に長い駅名を持つ「梁川希望の森公園前」の鳥居(駅名標)であろう。なにせこの鳥居は普通の駅の倍くらいの幅があり、そのユニークさは日本一かもしれない・・・ ↑横幅では「日本一」かもしれない駅名表 |
↑福島東急インに宿泊 ↑455系急行型電車で松島へ |
旧国鉄急行型を思わせる阿武隈急行8100系 松島駅と 松島海岸駅の間に・・・ さすがに政令指定都市の仙台へ上る午前中の電車は混雑していた。途中駅の槻木から乗車すれば立ちんぼになるのは必至で、旅の身にとっては辛いひとときであった。仙台から乗車した松島行き鈍行は一転して空いていた。いつのまにか中休みとなった梅雨の空からは太陽が顔をのぞかしていた。急行型電車である455系のボックス席を占領し、思い切り手足を伸ばしてようやく旅の雰囲気になってきた。 松島駅到着は10:24。ここから松島海岸駅まで徒歩連絡して、途中で日本三景の松島を観光する算段である。松島駅から松島海岸まではけっこう距離があり、蒸し暑くなった陽気もあいまって汗だくになってしまった。 五大堂、瑞巌寺とさすがに日曜日で人出が多く、人波をかきわけて観光するだけで疲れてしまった。だから、松島駅と松島海岸の間で一番のポイントは松島海岸駅前の海よりにある公園になってしまう。青空の下、家族連れが思い思いに集っていた。私はFMラジオから流れる「ハート・オブ・サンデー」のライヴ音源に心を癒されていた。特にクラプトンの「ティアーズ・イン・ヘヴン」のアコースティック・ギターの音色が印象に残った。 |
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東北線松島駅前にて筆者 |
海に浮かぶ島はご存知「五大堂」 タイトル防衛戦 もともとこの旅を企画する原動力となったのは、仙石線・仙台〜あおば通間を乗りつぶすことであった。というのも、私はJR線の完乗をしているのだが(正確にいうと石和温泉〜酒折間は未乗)、完乗後に開業した仙台〜あおば通はまだ乗っていないため、この区間の乗車をずっと狙っていたからである。そして今日、松島海岸から仙石線に乗車し、終点あおば通まで乗り通して「タイトル防衛」を果たした訳である。ま、それはともかく以前、仙台からこの線に乗ったときとはすっかり模様替わりしていた。以前乗った時は仙台口でさえ私鉄色を残すローカル線であったが、今では奇麗な地下鉄に生まれ変わってしまったからなぁ・・・ |
瑞巌寺山門前にて疲れの見える筆者 |
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松島海岸駅より仙石線で「あおば通」へ |
あおば通駅にて「タイトル(仮)防衛」 |
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空港アクセス裏ワザ対決 あおば通で「タイトル防衛」を果たした祝いに、駅から地上に出てすぐの、あみ焼屋「寿限無」で仙台名物の牛たんを食べた。左の画像がその「牛たん膳」であるが、これに食後のコーヒーまで付いて780円は大満足であった。
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仙台空港最寄りの閑散とした館腰駅前 |
仙台空港を15:25に飛び立った全日空368便は16:35に名古屋空港に着陸した。ここから再度、空港アクセスバスのお世話になる。一般的には名古屋駅行きのバスに乗車するのだが、このところ私は西春駅行きに乗車し、名鉄犬山線で名古屋方面に出ることが多い。しかし今回は、少しひねって豊橋駅行きのバスに乗ることにした。 名古屋空港(国内線)を16:45に発車した豊橋行きバスは、楠JCTから東名阪道に入りスイスイと走る。名古屋ICからは東名経由で一路豊川ICへ向かう。そのまま黙って乗っていれば豊橋駅に18:25に到着するのだが、私は17:35ころ東名本宿で下車した。 東名本宿バス停と名鉄本宿駅は目と鼻の先で、東名を走っていると南側に本宿駅の高架が見えるのでご存知の方も多いかと思う。本宿駅からは豊橋駅まで急行電車で16分。うまく乗り継げれば18時前に豊橋に着いてしまうのである。実際には、乗車した電車が豊川稲荷行きだったので、国府駅でいったん下車し、臨時停車した特急に拾ってもらって豊橋には18:07に到着した。それでも豊橋駅で一本早い鈍行に乗り継ぐことができて、浜松到着は当初の予定より23分早い18:57であった。 下にオマケとして、全日空368便から乗り継いだと仮定した名古屋空港〜豊橋駅のアクセスの対比表を掲載した。 |
わずか12分・310円とはいえ観光バスタイプ |
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豊橋駅ゆきエアポート・リムジン |
東名本宿バス停。右奥は名鉄本宿駅 |
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<みなみ東北ミニ・トリップ・・・完> | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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